「レギンス一枚ばき」からみる日米の「インスタ映え」の違いと広告クリエイティブに与える影響とは

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アメリカでは当たり前の「レギンス一枚ばき」
アメリカでは多くの人が「レギンス一枚ばき」で街を歩いている姿をよく見かけます。日本でも最近は普段着としてレギンスを履く人がかなり増えてきましたが、アメリカに比べるとまだまだでレギンスに対する認識が違います。

「レギンス一枚ばき」とはデニムやパンツを履くようにレギンスを重ね着としてではなく一枚で履くことです。日本での「レギンス一枚ばき」に対する一般的な反応は『お尻と足のラインがはっきり出ているけどそれで街を歩くものなの?』『上からスカートやショートパンツを重ね着しないの?』というような批判的なものが多いです。レギンス一枚ばきで街を歩いていると「え?」と思う方が多いのが、日本人では一般的です。国が違うと反応も変わりますね。
日々、不思議に思っていた、「レギンス一枚ばき」という事象に対する日米の反応の違いを考察しているうちに、インスタグラムにおける日米の「インスタ映え」においても似たような違いがあることに気づいたので、今回は、日米のインスタ映えの違いをレギンス一枚履きの観点からみてみようと思います。

目次

1.「レギンス一枚ばき」から「インスタ映え」の日米の違いを考察

(出典:https://www.instagram.com/fabletics

なぜ今回、「レギンス一枚ばき」に注目したかといいますと、私は日本でもアメリカでも普段からレギンスを着用していますが、周りの人の反応が日本とアメリカでは違いがあることに気づいたからです。なぜ「レギンス一枚ばき」に対して日米で反応に違いが出るのか?を考察するうちに、日米における「インスタ映え」の定義にも違いが現れていることに気づきました。
実際にインスタグラムで#レギンスを日本語と英語で検索すると全く違う写真が出てきます。日本語で検索するとレギンスのコーディネイトやレギンスを着ていても丈が長めのトップスでお尻をしっかりカバーした写真が出てきます。

(出典:https://www.instagram.com/spout_official

一方、英語で検索すると「私のお尻を見て!」と言わんばかりの写真が出てきます。
日本のように、レギンスの上にスカートを履いたりして臀部を隠すのではなく、腰のくびれから臀部、足全体をみせることが魅力的なようです。そのため、お尻を強調した角度の写真を多く見つけられます。

(出典:https://www.instagram.com/fabletics/)

つまり、レギンス一つにしてもインスタ映えになるアメリカとならない日本という風に、国が違うと「インスタ映え」の定義も変わってくるということがわかります。

2.そもそも日本の「インスタ映え」とは何か?

(出典:https://www.instagram.com/girlsdreamtravel/)

日本では”可愛い”を意識した投稿がメインになる傾向があります。

例えば,日本人のインスタグラムの自撮りでは顔をメインで載せることが多いです。全身写真を投稿するよりも胸から上の写真の投稿が多いです。

写真のカラーもビビットなものやレトロな感じが出る加工よりも、柔らかい色の加工が多く可愛らしい雰囲気を出せる加工を好みます。
コントラストをあまり付けず美肌、美白加工にこだわるのも日本人の「インスタ映え」の特徴です。

3.アメリカでの「インスタ映え」とは何か?

アメリカでは全身の写真を載せる人が多く、レギンスを着て街で写真を撮ることは普通のことです。自撮りでも顔メインではなくアメリカ人はとにかくお尻を含めた全身を写真に載せたがります。日本におけるインスタ映えが”可愛さ”をメインとしているとなれば、アメリカのインスタ映えは”セクシーさ、ナチュラルさ”をメインにしているという感じでしょうか。

アメリカで”映え”とされるのは自分に自信を持った写真です。どんな体型でも人種でも自信満々な写真を載せることでアメリカ人はインスタ映え評価をします。どれだけ自撮りで全身写真を写そうが、レギンスを着て体のラインが出ていようが、本来の自分の姿に自信を持ってインスタグラムに投稿しています。

(出典:https://www.instagram.com/fabletics/)

インスタグラムに投稿される写真のカラーに関しては、ビビッドなもの、ヴィンテージっぽいもの、又、意外にもナチュラルな加工も好まれます。
これらが日本とアメリカの一番大きな“映え”の定義の違いだと感じます。

4.日米の「インスタ映え」の違いからみるインスタグラム広告クリエイティブの違い

日米の「インスタ映え」の違いについて整理しましたが、次にそれがインスタグラムの広告クリエイティブにも違いがあらわれているのでご紹介します。

まず、アメリカのインスタグラム広告ですが、今回私はアメリカのヨガウェアやトレーニングウェアを扱う”Fabletics”(https://www.fabletics.com)というブランドに着目してみました。

このブランドは新しいショップがオープンとなればインスタグラムのライブやストーリーでスタッフによる商品の紹介やポップアップストアの様子を配信。そして1日に何度も投稿することで人の目に触れる機会を増やしています。

そして、インスタグラムに投稿する写真やストーリーではお尻や足のラインをアップで写した写真も多く見られます。それも全員がスーパーモデルのような体型の人の写真というわけではなく、”Fabletics”のスタッフや顧客なので、様々な体型をしている人の写真を投稿しているというところもアメリカならではかもしれません。

多くのファッション、化粧品ブランドは広告にインスタグラムを使っています。ライブ配信は保存し、ハイライト機能に保存することでその時見ることができなかった人も後で見ることが可能です。そして、実際に商品を購入した人にインスタグラムのストーリーに登場してもらったりしています。これが顧客に親近感を持たせると同時に、興味を持たせる秘訣の一つです。そして、こまめにインスタグラムのストーリーやライブ配信をして、人の目に触れさせるというのも鍵かもしれません。

日本でもインスタグラムを広告に使っている企業は多いですが、実際に顧客の反応や意見を載せたり、スタッフを前面に出したりする会社が少なくのが、顧客やスタッフを巻きんだ広告に消極的なのがアメリカとの違いです。


(出典:https://www.instagram.com/fabletics/)

(出典:https://www.instagram.com/fabletics/)

日本のインスタグラム広告では、”Suria”(https://online.suria.jp)というブランドに着目しました。インスタグラムに投稿されている写真を一目見るだけで大きな違いがありました。ヨガウェアのブランドなので、レギンスを着用したモデルの全身写真が投稿されていますが、前からの写真しかなく後ろから撮っている写真はありませんでした。ヨガイベントの告知などは積極的に投稿していますが、顧客を巻き込んでの広告というのはアメリカに比べて少ないです。

(出典:https://www.instagram.com/suria.yogaessentials/)

(出典: https://www.instagram.com/suria.yogaessentials/)

日本のインスタグラム広告で今後大事なのは、顧客やスタッフたちも巻き込んでの投稿やインスタライブなどを配信していくことです。少しでも多くの人に見てもらい、いかに興味を示してもらうかが、日本のインスタグラム広告の課題と感じます。

5.まとめ

日本とアメリカでは「インスタ映え」の定義が違うことにより、インスタグラムの投稿内容の違いや広告の打ち方に違いがあることがお分かりいただけましたか?日本人、アメリカ人にとって何が“映え”なのか、日本人、アメリカ人の目に止まるものは何なのかを見極めるのが、インスタグラムでの広告で大事になってきます。
その上で、アメリカのインスタグラム広告を参考に、顧客やスタッフをどんどん巻き込んで積極的に投稿・ライブ配信してみてはいかがでしょうか?

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