色とりどりのフォトジェニックなお鍋でインスタグラムとの相性も抜群のル・クルーゼさん。その明確なインスタグラムにおける理想化モデルについて伺いました!
目次
目次
1.ご紹介
1-1.企業ご紹介
鋳物ホーロー鍋のパイオニアであり、世代を超えて愛される百年鍋を生み出すル・クルーゼさん。
優れた熱伝導やカラフルな鍋で世界各国で人気を博しています。
(HP:https://www.lecreuset.co.jp/lecreuset/)
1-2.インスタグラムアカウントご紹介
インスタグラム公式アカウント:@lecreusetjapon
開始時期:2015年5月18日
フォロワー数:25,000人
今回はインスタグラムの運用を担当しているマーケティング部の及川さんと青山さんにお話を伺いました!
2.投稿手法について
2-1.インスタグラムの役割を3本柱にし明確化
Haruka:
インスタグラムを開設されたきっかけは何ですか?
ル・クルーゼさん:
2015年5月より現在のような本格的なインスタグラムの活用に踏切りました。
きっかけとしては、店舗スタッフから、お客様より「インスタグラムを通じてル・クルーゼの製品を見たい!」というご要望のお声や「自分自身もよくインスタグラムにル・クルーゼの商品を載せている」といった好意的なお声が上がっていることを聞いたことにあります。
お客様から後押しされて開設に至ったという形ですね。
Haruka:
インスタグラムの運用の目的はどういったものですか?
ル・クルーゼさん:
ブランディングが最も大きな目的です。製品を認知していただくことはもちろん、ブランドを知っていただきエンゲージメントを向上させる役割をインスタグラムが担っています。
少し詳しく話しますと、下の図のようにインスタグラムの役割を捉えています。1つ目にブランドへの「憧れ」を醸成する目的として、ブランドの世界観が伝わるような写真やグローバルブランドならではの海外色の強い写真、またセレブリティの愛用している様子の写真を投稿しています。
2つ目の目的としては、コミュニケーションの場を提供することです。ハッシュタグ#ルクルーゼ を拡散させることで、そのハッシュタグがついた写真をインスタグラムユーザー同士が検索し合い、お互いがフォローしコミュニケーションを図っているというような顧客同士の交流を促進できています。
フォローやコメントの返信も大切にしており、質問に対する返信は必ずしていますし、積極的にル・クルーゼと関係のある投稿をしてくださった方をフォローしています。インタラクティブなコミュニケーションはエンゲージメントを高めるために必須だと考えています。
3つ目にル・クルーゼ製品の日常使いを提案し、促進する投稿を行うということがあります。
そのためにレシピの配信や新製品のご案内などを行なっています。
Haruka:
実際ソーシャルメディアを活用する目的として企業でも下の図のような統計データがあります。ブランディングといった認知目的が第一で、その次に販売促進目的となっています。
(引用:https://gaiax-socialmedialab.jp/post-30833/)
2-2.フォロワー増加の鍵は継続化したキャンペーン
Haruka:
フォロワー数は現在2万5千人を超えていますが、どのタイミングで増加してきましたか?
ル・クルーゼさん:
全体で見ると、インスタグラムキャンペーンを開催するときにフォロワーの増加の幅が大きくなる傾向にあります。
平均すれば1週間にだいたい100人規模でフォロワーが増加しているのですが、キャンペーンの開催中にはその数が通常の3倍から5倍まで跳ね上がります。
特に後ほどキャンペーン事例としてご紹介しますが、2016年2月に行った「みんなでサクラを咲かせよう」というフラワーコレクションのキャンペーンを開催した際にフォロワーの増加が著しかったです。
年に2度ほどですが、定期的に参加型のインスタグラムキャンペーンを行うことで、ユーザーと私たちはもちろん、ユーザー同士のコミュニケーションを図る機会を提供するとともに、フォロワー増加のきっかけになっています。
3.共感を呼ぶコンテンツづくり
Haruka:
コンテンツの選別はどのように行われていますか?
ル・クルーゼさん:
どういったコンテンツを投稿するかはおおまかにプランニングしています。例えば、金曜日の投稿でしたら週末の天気に合わせた過ごし方のご提案を行なったり、プレミアムフライデーに投稿する場合は少しリッチなディナーのご提案を投稿の中で行っています。
Haruka:
投稿にある写真はどのように集めていらっしゃいますか?
ル・クルーゼさん:
投稿しているものに関しては、ル・クルーゼ ジャポンが公式で撮っているものとグローバルで撮られているものと、こちらであえて手作り感を出して撮っているものの3種類です。
他国チームが撮っている画像は、日本で撮ったものとは世界観が異なり、また質が高いものが多くフォロワーさんからの反応もいいですね。
Haruka:
他に反応のよかった投稿はどのようなものですか?
ル・クルーゼさん:
この下の写真は、六本木にあるポップアップショップ限定のレアなカラーの商品で、ファンの中でも珍しいと話題性があったのだと思います。
また、今年の1月に投稿した下記投稿では爆発的にいいね!が伸びました。いいね件数は2,300件を超え従来の投稿が1,000件から1300件のいいね数であることを鑑みると、2倍ほどになりました。
歴代のル・クルーゼにおける、日本で開発したカラーをご紹介したものなのですが、発売時期が写真の中に書かれていることもあって、フォロワーさんから「持っています!」といったお声や「私の持っている製品のカラーがやっとわかりすっきりしました」といったお声をいただきました。
他にも、タイムリーな投稿はインスタグラム上での反応は良いですね。例えば、この夏に流行ったとうもろこしご飯は、反応率が良かったです。
4.キャンペーンについて
4-1.過去5回開催のキャンペーン概要
Haruka:
これまで開催したキャンペーンの概要を教えてください。
ル・クルーゼさん:
最初に試作的にクリスマスに合わせ「クリスマス#ルクルーゼツリー」キャンペーンを行いました。そこでインスタグラムにおけるキャンペーンの可能性を感じ、第2弾を実施することに決定しました。
そこで行ったのが、先程も少しお話しました「みんなでサクラを咲かせよう」キャンペーンです。当初、KPIとして投稿数300件以上を目指して開催したのですが、ものの数日でその目標を達成しました。期間は2ヶ月間としていましたが、最終的には応募数3,000件を超えるものとなりました。
その要因としては、サクラを皆さんで満開にさせましょうという、目に見えるようなわかりやすいキャンペーンであったこと、お鍋の写真を載せることが条件ではない投稿におけるハードルの低いものであったこと、ピンクというカラーがル・クルーゼファンの中で人気色であることが考えられます。
告知は主にメルマガなどのニュースレターやインスタグラムやツイッターなどのSNS、ホームページ上で行いました。
キャンペーン自体は2016年に開催したものですが、今年の春にも#ルクルーゼサクラ をつけて投稿いただいている方が見られ、一つの文化を醸成できたのではないかと思います。こういった側面でブランディングの効果も上げられそうです。
次に「離乳食フォトコンテスト」を昨年夏に開催しました。実はル・クルーゼはベビー関連の商品も多くパステルカラーでインスタ映えするものが多いという特徴があります。ですので、ハッシュタグ#ルクルーゼベビー と#もぐもぐベアー をつけて「ル・クルーゼベビー」シリーズのお鍋をアップしていただきました。
第4弾は「ジャポネスクフォトコンテスト」を昨年12月に行い、一番最近行った第5弾は「夏こそカレー」フォトコンテストです。ご応募いただいた投稿者の中から注目の新製品をプレゼントしました。
4-2.コンテンツキャンペーンに展望
Haruka:
キャンペーンを継続していく中で何か気づいたことはございますか?
ル・クルーゼさん:
キャンペーンごとにテーマハッシュタグを設けているのですが、その中でご応募いただいた写真でもテーマある写真が増えてきた印象があり、統一性が出てきたと実感しています。
サクラのキャンペーンでは、日常を切り取って投稿できるものであったため投稿数が伸びましたが、他のキャンペーンはどちらかと言えば料理に特化したものとなったので、今後はもっとコンテンツに寄せたキャンペーンを開催するのも面白いと思っています。
例えば、パーティーシーンやインテリアなどと絡めたキャンペーンを行ってみたいですね。
また、キャンペーンが終わってからもハッシュタグづけしてくださる方が多いということからファンユーザーの濃さを感じています。
5.まとめ
ル・クルーゼさんのアカウント運用の大きな特長は、インスタグラムの担う役割とその達成方法が明確に考えられていることだと感じました。それぞれの役割を果たす方法として、複数の手段が認識されており、その1つでもあるキャンペーンの継続化でブランディングやコミュニケーション作りができているようです。