結婚準備の情報誌、情報サイトの運営で知られるゼクシィさん。花嫁気分を上げるインスタグラムの運用方法についてお聞きしました!
目次
1.ご紹介
1-1.企業ご紹介
結婚式のことはもちろん、婚約指輪から新生活までブライダルの情報が満載の結婚情報誌「ゼクシィ」や、webサイト、アプリを企画制作するリクルートマーケティングパートナーズ。『プロポーズされたら、ゼクシィ』のフレーズのもと、多くの花嫁さんに親しまれています。
1-2.インスタグラムアカウントご紹介
インスタグラム公式アカウント:@zexyrecruit
フォロワー数:30831人(2017/6/22時点)
アカウント開設:2015年9月29日
今回はインスタグラムの運用を担当している太田さんにお話を伺いました。
2.投稿手法について
2-1.プレ花嫁をターゲットに設定し運営
Haruka:
まず、運用方法についてお伺いしたいです。何名かで運用されているのでしょうか?
太田さん:
編集を専門とする者とweb領域を専門とする者の2つの担当が、ともに協力してインスタグラムを運用しています。投稿コンテンツを考える人と実際に投稿をする人で役割が分かれています。
Haruka:
始めたきっかけはどういったものなのでしょうか?
太田さん:
2年ほど前に開設したのですが、カスタマーさんとお話をしていた時にインスタグラムを利用している方がどんどん増えてきていたので、インスタグラムを通じてカスタマーさんとのタッチを増やしていけるのではないかと気づき、始めるに至りました。
全ての花嫁さんを対象にしていますが、特に、結婚式を準備中の“プレ花嫁さん”をターゲットにインスタを運営しています。
Haruka:
最近では#プレ花嫁 というハッシュタグがおよそ1,926,065件(2017/7/4時点)も投稿されているところを見ると、インスタグラムの中でのプレ花嫁さんの数がうかがえますね!
2-2.短めのキャプションでフォロワーをキャッチ!
Haruka:
キャプションについて何かこだわりはありますか?
太田さん:
3つの点に気を付けています。
キャプションの長さがあまり長くならないこと、淡々とした説明にならないこと、記事を読んでよかったな、楽しかったなと思ってもらえるような内容にすることを意識しています。
1つ目のキャプションの長さについてですが、当初キャプションは長めでした。
しかし、短めにした方がユーザーさんの反応がよかったんです。プレ花嫁さんたちは自分の結婚式のヒントにするためにインスタグラムを使って情報収集をしている方たちが多いと思うので、投稿の写真のキャプションはぱっと読んでわかり、役立つものが好ましいのだと感じています。
2-3.ハッシュタグを通して新たな出会いを!
Haruka:
ハッシュタグについて何か意識していることはありますか?
太田さん:
ハッシュタグにも流行りがあるので、適宜人気のものをリサーチするようにしています。
そうは言っても、花嫁さんの準備期間は、婚約指輪の検討が、挙式から一年前くらいからはじまるといわれていて、その中でコロコロとトレンドが変わるものではないので年単位で人気のハッシュタグが変わっている印象がありますね。
今人気があるものとしては、#日本中のプレ花嫁さんと繋がりたい というものですね。~と繋がりたいというハッシュタグは他の業界でも支持されているものだと思うのですが、ウェディング業界でもこのハッシュタグは多くつけられていると思います。
ハッシュタグから私たちも様々な花嫁さんを探すので、そこで素敵なユーザーさんと出会えることもしばしばあります。
1年ほど前からインスタグラム上で見つけたプレ花嫁さんや卒花さんたちにお声がけをし、取材をさせていただくということもしています。インスタグラムを通じて新しい方たちと出会い、そこで取材をさせていただいたものをゼクシィのアプリの記事や紙面に掲載させていただくというフローもできてきています。
今後はこういったユーザーとつながる部分をもっと増やしていきたいです。
2-4.週2回ほどの投稿で質のいい投稿をキープ!
Haruka:
投稿頻度はどのくらいですか?
太田さん:
週2~3回投稿しています。
毎日にすると、どうしても投稿のコンテンツに雑多なものが混ざってしまう可能性があり、そうすると一覧にしたときに厳選した素敵なウェディング情報を提供するというゼクシィのアカウントとしての良さが失われてしまうと思っています。
コンテンツ選びなど時間をかけているものなので、この頻度がベストだと認識しています。
投稿時間は夕方5時くらいです。プレ花嫁さんたちが帰宅する時間にインスタグラムをチェックしているのではないかという想定をしています。
3.投稿コンテンツについて
3-1.2種類のコンテンツ収集
Haruka:
投稿するコンテンツはどのように集めていらっしゃいますか?
太田さん:
ゼクシィのアプリ上で掲載している記事の写真の中から、クオリティの高くフォトジェニックのものを選んでいることに加え、「What a Wonderful Wedding!」という企画の中から選び、インスタグラム上でも使用しています。
この企画は、ゼクシィ編集部が全国のウェディングなどに取材に行き、その様子を雑誌に掲載すると同時にweb上でも一部ご紹介しているものです。そのお写真をインスタグラムでも使わせていただいています。
先ほど時間をかけてコンテンツを選定するというお話をしましたが、インスタグラムはプレ花嫁さんが「どんな結婚式をしたいか」というイメージを見つける場でもあると思うので、写真を通し、自分がそこにいるということを想定できるようなコンテンツにするよう気を付けています。
具体的には接写ではなく余白のある写真の方が、自分自身を投影しやすいですし、モデルさんが写っているものでも横顔や視線を外したものを使いますね。
3-2.『半歩先のおしゃれ感』がコンセプト
Haruka:
今までの投稿の中からユーザー反応のいい写真についてはどのような印象がありますか?
太田さん:
私たちは「半歩先のおしゃれ感」というワードを使用しているのですが、ユーザーのプレ花嫁さんが見ていて真似できると思ってもらえるようなものにすることは大切だと思います。
手が届かないおしゃれすぎるものだとあまり反応が良くないです。
しかし、1週間に1度どのような投稿がいいね数が伸びたか、フォロワー数が伸びたか、どんなコメントがあったかをチェックし、常にユーザーの皆様の反応を見ています。
そこでユーザーの求めているものを見極め、ユーザー心理の推移を知ることは、フォロワー数を増加させる上で重要だと思います。
最近でいえば、和のウェディングの写真は好反応でした。おそらく、洋物のウェディングは海外のアカウントでもおしゃれなものはたくさんあるのですが、和物でおしゃれな写真はあまり見かけないので反応率がよかったのかと思います。
また、セパレートドレスの写真もウケがよかったです。この写真も実は「What a Wonderful Wedding!」の一環で取材に行かせていただいたもので、実際の花嫁さんの結婚式のお写真なんです。
ちょうど半歩先の真似したくなるおしゃれだと感じます。
3-3.他SNSとのコンテンツの違いは?
Haruka:
Facebook、Twitter、インスタグラムの3者に何か機能的な違いはありますか?
太田さん:
そうですね。3つのSNSのプラットフォームではそれぞれユーザー属性に違いがあるので楽しんでもらえるネタもまた違うと思います。
FacebookやTwitterでは結婚準備のマナーやハウツーものなど基本的なことがウケますね。Facebookは花嫁さんが限定的に見てくださっていると思うのですが、Twitterでは花嫁さんではない方も最近の花嫁の面白い情報として反応をしてくださります。
そのため、SNSによってコンテンツの見せ方やテキストを変えています。
4.キャンペーンで情報発信のトレンドをつかむ
Haruka:
過去開催したインスタグラムキャンペーンについてお伺いしたいです。
太田さん:
一番最近開催したのが「#おそろいすぎる結婚準備」という企画で、カップルやご夫婦ふたりの「おそろいのもの」を投稿して頂くプレゼントキャンペーンです。参加を通して少しでも花嫁さんに結婚準備期間を楽しんでもらいたいと企画し、テーマに合わせ、プレゼントも可愛く”おそろい”のものを選定致しました。
このキャンペーンで特徴的だったのは、私たちはキャンペーンに関するInstagram投稿を2度しかしていないのですが、花嫁さん同士で企画を楽しみ、おそろいの品やエピソードを紹介しあっていくことでどんどん投稿数が伸びていったことです。
その中には卒花さんと呼ばれる結婚式を終え花嫁を卒業された方たちも多く参加してくれていました。卒花さんは多くのプレ花嫁さんをフォロワーに抱えていらっしゃることも多いので、投稿を見た他のフォロワーさんも応募して・・・と広がっていったのだと思います。
また、皆さんが投稿してくれた「おそろいのもの」には、私たちが想定していなかったようなものや使い方等もあり、沢山の発見がありました。
キャンペーンの指標としてはいいね数や応募数(#をつけた投稿数)、フォロー数の増加などを見ていたのですが、キャンペーン期間中は通常時と比べてフォロワーの増加数も約2倍程になりました。
今後もゼクシィのInstagramアカウントから素敵な情報を発信するだけではなく、花嫁さんと一緒に楽しめるような企画をしていきたいですね。
5.まとめ
ゼクシィさんのインスタグラム運用では、自分を投影しやすく、真似しやすい写真を投稿しプレ花嫁さんの情報収集に役立つ内容を心掛けているようでした。
また投稿以外にも、直接カスタマーさんとつながって、記事で取材したり、キャンペーンを実施し、カスタマーさんの理解を深めるなど、さまざまな運用方法をチャレンジされていることが分かりました。
質の高いゼクシィならではの写真に今後も注目が集まりそうです!