近年、SNSのユーザー数は増加し、”インフルエンサー”と呼ばれるSNS上で大きな影響力を持つ人々も数多く見られるようになってきました。企業もインフルエンサーに注目しており、企業とインフルエンサーがタッグを組んで行うプロモーションも一般的になりつつあります。このような状況のなかで、いま必要とされているのはプロフェッショナルな意識を持ったインフルエンサーなのではないでしょうか。
今回は、徹底したプロ意識と相手目線でトップインフルエンサーとして活躍しているゆうこすさんが特別講師として登壇した『ゆうこすさん登壇!プロフェッショナルインフルエンサー養成 特別講座「“好き”を仕事にする。」』のレポート記事です。
目次
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1.セミナー概要
一般社団法人プロフェッショナルインフルエンサー協会による、プロフェッショナルインフルエンサーの養成を目的としたセミナーです。特別講師として登壇した菅本裕子(ゆうこす)さんは「SNSで発信する上で気をつけるポイント」「嫌われないPRの方法」などを語っていました。
2.登壇者紹介
特別講師:菅本裕子(ゆうこす)
1994年、福岡県生まれ。2012年にアイドルグループ「HKT48」を脱退後、タレント活動に挫折しニート生活を送るも、2016年に自己プロデュースを開始し、「モテクリエイター」という新しい肩書きを作り自ら起業。現在はタレント、モデル、SNSアドバイザー、インフルエンサー、YouTuberとして活躍中。10~20代女性を中心に自身のInstagramやYouTubeチャンネルで紹介するコスメ等が完売するなどその影響力は絶大であり、またライブ配信中に商品を販売する”ライブコマース”におけるパイオニア的存在。
Instagram、Twitter、LINE@、YouTubeなどのSNSの総フォロワー150万人以上。近著に『SNSで夢を叶える~ニートだった私の人生を変えた発信力の育て方~』。
菅本裕子公式ブログ https://lineblog.me/yukos0520/
Twitter/@yukos_kawaii https://twitter.com/yukos_kawaii
Instagram/@yukos0520 https://www.instagram.com/yukos0520/
YouTube/ https://www.youtube.com/channel/UCxS4vbIvtjHQcEW61J2KQIw
※ゆうこすさんのファン層
\ファン層/
女性:男性=8:2
SNSによって年齢層が若干違うのでアナリティクス貼っておきます!イベントに実際に足を運んで来てくれるファンの子の年齢もイベントの内容によって様々♡
イベント会場でスタッフさんに「こんな良いファンいないよ!」と毎回驚かれるくらいみんな良い人ばかりです♡ pic.twitter.com/aty1JNSHN6
— ゆうこす♡菅本裕子 (@yukos_kawaii) 2018年4月5日
モデレーター:甲斐 優理子(かい ゆりこ)
株式会社パスチャー 代表取締役
1990年生まれ。2014年、一橋大学商学部経営学科在学中に東南アジア向けアパレルコマース事業を運営するANELAを創業しCEOを務める。2016年6月にデジタルマーケティング支援を行う株式会社パスチャーを創業。
ソーシャルメディア上のデータ解析を軸に、マーケティングリサーチや各種プロモーション支援を行う。
著書「いちばんやさしいInstagramマーケティングの教本」、その他メディア出演多数。
3.ゆうこすさんが発信をする上で気をつけている4つのポイント
ーーゆうこすさん:
はじめに、映えとか盛れるメイクの話を今回の講座では一切しません。ごめんなさい!私はインフルエンスに一番大事なことは「人を動かすこと」「影響を与えること」だと感じていて、それがあって初めて仕事が生み出せて、仕事が貰えるようになると思っています。みんなに応援されるインフルエンサーになるためには見た目より内面が大事です。
ーー甲斐さん:
私は広告代理店さんと一緒にインフルエンサーをキャスティングしていく立場なのですが、ここまで「インフルエンスとは?」を意識してくれるインフルエンサーさんは少ないです。例えば、フォロワー数の多さなどで満足してしまっている子も多いと感じます。ゆうこすさんのように「人を動かす」という意識のインフルエンサーが増えると何か変わるんじゃないかと日々考えていますね。
ーーゆうこすさん:
やった~。ありがとうございます!
3-1.自分は漫画の主人公だと思って生きる
ーーゆうこすさん:
私はいま、自分は漫画の主人公だと思って生きています!「私はこういう理由があってモテクリエイターとして発信していて、最終的にはこうなりたい」という旗を明確に示さないと、人を応援する気持ちになりにくいと思いませんか?漫画の主人公って目的や理由をパッと言えますよね、「海賊王になる!」みたいに。だから私も、自分を漫画の主人公だと考えて理由を140字以内で語れるようにしています。
ーー甲斐さん:
「140字以内」という縛りにはどんな意味があるんですか?
ーーゆうこすさん:
ツイートが140字以内だからです。生配信を見に来てくれた人へ簡潔に伝えられる字数でもあると思います。
ーー甲斐さん:
なるほど、そういった理由があるんですね。
ーーゆうこすさん:
漫画と仮定している理由は他にもあります。漫画って、頻繁にトラブルが発生しますよね?
ーー甲斐さん:
そうですね、絶対に何かしら起きますよね。
ーーゆうこすさん:
逆に何も起こらなかったらつまらないですよね。インフルエンサーって自分のきれいな部分だけを見せようとしてしまうのですが、あえて失敗も出してみると良いと思います。
ーー甲斐さん:
ゆうこすさんはどのように失敗を見せているんですか?
ーーゆうこすさん:
ただ失敗を見せるだけだと不幸自慢みたいになってしまうので、「私はこういうことで失敗しました。けれど、今後はこういう風にやっていこうと思います。みんなはどう思いますか?」など、改善する姿勢を出すようにしています。
ーー甲斐さん:
なるほど。
ーーゆうこすさん:
それに、漫画の主人公になったと考えると自分を俯瞰して見るクセがつくと思います。例えば、私は「この本はこんな人に読んでほしいな」という読者の設定から、「ゆうこすという本をどうやって紹介してもらっているだろう」というところのセリフまで考えています。
ーー甲斐さん:
ええ~、すごいですね!
ーーゆうこすさん:
でも、自分を俯瞰して見ることって意外と難しいですよね。
ーー甲斐さん:
そうですね、抵抗のある方もいらっしゃると思います。
ーーゆうこすさん:
私は「なんで?」とずっと質問し続けてしまうクセがあるのですが、自分自身に「なんで?」を向けることはできていませんでした。自分の好きなことは無意識にやってしまっていることが多いですし、自分がやっていることに疑問は持たないので俯瞰できなかったんですね。でも、逆に人から自分に対して「なんで?」ときいてもらうようにして答えているうちに「アイドルをやっていたのも料理を勉強していたのもモテたいからだ!」と気がついたんです。
ーー甲斐さん:
自分自身の軸に気がついたんですね。
ーーゆうこすさん:
文字にするとわかりやすくなるので、日記もおすすめです。私は以前から日記をつけていて、「今日は美術館に行きました。○○がいいと思いました」という文に対して、なぜいいと思ったのかを考えてバーッと書くんです。このようにして、「なんで?」と深掘りする癖がつくと自分を深掘りできるのではないかなと思います。
ーー甲斐さん:
深掘りすることで、本当に自分が好きなこと、やりたいことが客観的に見えてくるということですね。
3-2.giveの精神で
ーーゆうこすさん:
新規フォロワーを得るためには、とにかく与えて与えて与えて!くらいに「giveの精神」じゃないと厳しいと思います。私も、とにかく与え続けることを意識しています。ただ、やみくもに与えても相手の欲しいものでなければ意味がないと思うので、常に自分がやりたいことや、届けたい人をイメージしています。
ーー甲斐さん:
ここで、先ほど深掘りしたことが出てくるわけですね。
ーーゆうこすさん:
そうですね。私の場合は届けたい人である10代~20代の女の子たちのプライベートアカウントを50~100ほど見て調査をしています。そうして、「いまこの子たちはどんな情報が欲しいんだろう」と考えてたくさんたくさんgiveするように心がけています。
ーー甲斐さん:
なるほど。「いつかgiveしたものが返ってくるかも」という気持ちはありますか?
ーーゆうこすさん:
はじめは与えることでまず新規ファンになってもらって、それから少しずつ好きになってもらって、最終的にはコアなファンになってもらえると嬉しいです。もはやコアなファンにまでなってくると、自分のやりたいことを応援してくれる仲間じゃないですか。だから仲間が増えることが一番のリターンですね。
ーー甲斐さん:
なるほど……、本当にとても考えてらっしゃいますよね。
3-3.丸く尖る
ーーゆうこすさん:
SNSの世界で目立とうとして人を傷つけるような発信をする人もいたりしますが、人のことをディスればディスるほどアンチが増えてきてしまうのでやめた方がいいと思います。アンチが増えてしまうと、企業さんとお仕事をするときにも困ると思うので。
ーー甲斐さん:
そうなんですね。
ーーゆうこすさん:
やっぱり、企業の方からするとアンチは必ず気になるところです。お仕事を抜きにしても、私は絶対に人を傷つけないと決めています。暴言を出さないなどはもちろんですが、意図なく人を傷つけてしまわないように「この発信を見たときに誰も傷つかないかな」とさまざまな立場から考えて確認してから発信するように心がけています。
ーー甲斐さん:
先ほどの「giveの精神」にも通じることだと思いますが、ポジティブなこともネガティブなことも、発信したことは全て自分に返ってきますよね。
3-4.巻き込み発信で愛されよう
ーーゆうこすさん:
インフルエンサーって、応援の仕方がわかりにくいと思いませんか?
ーー甲斐さん:
そうですね、なかなかわかりにくいと思います。
ーーゆうこすさん:
インフルエンサーには応援になる手段を明確に提示してほしいと思います。私の場合は「巻き込み発信」をしていて、ゆうこすが紹介した商品を購入してくれた人には「これからたくさんお仕事をしていきたいから、発信した情報から買ってくれたら#ゆうこす現象をつけて教えてほしい」とお願いしていました。この「#ゆうこす現象」がいまだに伸びています。
ーー甲斐さん:
応援の仕方が明確だと応援しやすいですね。
ーーゆうこすさん:
そうですね、巻き込み発信をしたことでファンもどうやって応援すればいいのかわかってくれました。これは私が元アイドルだからこそ思うのかもしれませんが、「私がゆうこすをインフルエンサーにしている」と感じてもらえる応援しがいのある子にならないといけないのかなと考えて取り組んでいます。
ーー甲斐さん:
確かに、「応援しがい」はアイドルの経験があるゆうこすさんならではの着眼点かもしれませんね。
ーーゆうこすさん:
そうですね。また、「こういう仕事をしようと思っているんだけど、みんなはどう思う?」「いまこういうバナーを作っているんだけど、誰か作ってくれる人いませんか?」など、フォロワーを巻き込むツイートをしていると、ファンとのコミュニティが盛り上がると思います。
ーー甲斐さん:
ゆうこすさんのSNSを見ていると、投稿の問いかけに対しての回答が毎回増えていて本当に凄いなと感じていました。
ーーゆうこすさん:
ありがとうございます。私は「youange」というコスメブランドもやっているのですが、「youange」もファンと一緒に作っていました。「睡眠不足による肌荒れをケアするブランドを立ち上げたいんです!」と訴えて、まず共感者を集めて、ブランドのツイッターも発売前から2万人ほどからフォローしていただきました。その後で「デザイン案なんだけど、どっちがいい?」ときいてみて、254件のリプライを参考にしながら決めていきました。フォロワーのみんなに「自分の意見が反映されている」と感じてもらえることをしていきたいと思います。
youangeデザインのラフ案が3パターン決まりました!
好き嫌い問わないシンプルなデザイン、、だけどピンクで可愛らしく
みんなはどれが良いと思う? pic.twitter.com/x9K8bI1OaU
— youange (@youange_beauty) 2018年2月3日
ーーゆうこすさん:
ここまで、発信する上で私が気をつけている4つのポイントについてお話してきました。まずは、顔のかわいさや映え、フォロワー数の多さを考える前に熱量のあるファンを数人つくる意識をしてほしいです。自分のことをおすすめしたいと思ってくれる熱狂的なファンを作れたら、きっとそのファンは他の人にも勧めてくれると思います。熱量のあるファンを作るためには、外見よりも内面、信用度を大事にしてほしいです。
ーー甲斐さん:
信用度を上げるために必要なだと感じるものはありますか?
ーーゆうこすさん:
信用されるために必要なものは何かというと、それは発信者側の狂ったくらいの熱量です。狂ったくらいの熱量を示す物は、量とスピードしかないと思います。どんなに熱量があっても、伝わらなかったらもったいないですよね。だから私は、狂ったくらいの量とスピード感でやると決めています。
ーー甲斐さん:
その量やスピードを実現するために、何か方法はあるのでしょうか?
ーーゆうこすさん:
自分ごと化して考えることだと思います。今日起きた全てのことについて、自分の軸に合せたらどう発信できるか考えてみると良いのではないでしょうか。例えば、私の場合は「モテ」という軸でコットンや天気からでも発信ができます。「モテるためのコットンの使い方を教えるね!」「今日は雨だから、雨の日でも可愛いモテヘアアレンジを紹介するよ!」などですね。私は、インフルエンサーに一番向いているのは全部を自分ごと化して考えられる人だと思います。
4.発信するときの具体的なテクニック
4-1.ゆうこすさんの考えるSNSの使い分け方
ーー甲斐さん:
ここからはゆうこすさんに「発信するときの具体的なテクニック」について教えていただきます。まずは「SNSの使い分け方」についてお願いします。
ーーゆうこすさん:
SNSは、ファンの熱量によって使い分けています。まず、ファンのみなさんの熱量を段階分けするとこのようになります。
- 時間とお金を使ってくれる(コアな層)
- ブログやライブ配信を見てくれる
- 毎回SNSの投稿にコメント
- フォローしている(新規ファン)
そして、見てくれそうなファン層の熱量がどの段階かを考えて私はSNSの使い分けをしています。
-
<新規流入ポイント順>
- YouTube (情報発信)【新規向け】
- ツイッター
- ブログ・生配信【コアなファン向け】
YouTubeは私が届けたい10~20代の女の子がよく見るSNSですし、関連動画などでも動画がまわるので新規流入が多かったです。YouTubeは他のSNSと比べて新規参入が難しいぶん、まだまだライバルは少ないと思います。YouTubeが一番、新規の方に気づいてもらいやすいのではないでしょうか。
ーー甲斐さん:
YouTuberもどんどん増えてきていますが、他のSNSと比べたらブルーオーシャンなんですね。
ーーゆうこすさん:
YouTubeの次に新規ファンに見てもらいやすいSNSが、ツイッター、Instagramだと考えています。ツイッターはRT文化が浸透していて、拡散力が高いため発見もしてもらいやすいです。Instagramにはリポストする文化はありませんが、タグ検索から見てもらいやすいのでこのような順番にしました。ブログに関してはなかなか拡散は難しいと思いますが、長文で感情を伝えることができます。生配信も大勢の方に見てもらうことは難しいかもしれませんが、同じ時間を共有することができますよね。生配信を見てくれるファンはコアなファンでしょうし、逆に生配信を見てくれたファンはコアなファンになってくれると思います。
ーー甲斐さん:
生配信はコメントなどのコミュニケーションで距離もとても近くなりますよね。
ーーゆうこすさん:
そうですね!YouTubeなど新規参入が多いSNSでは「情報」を、ブログや生配信ではコアな「マニア向け」の発信をするというようにSNSを使い分けています。
4-2.ハッシュタグをつける
ーー甲斐さん:
次に、発信するときのテクニック「タグ付け」について教えていただきます。
ーーゆうこすさん:
Instagramを活用するときに重要なポイントは、届けたい人に見てもらえるようにハッシュタグをつけることだと思います。私がInstagramで投稿するときの過程を以下にまとめました。
- フォローしてもらいたい人(ターゲット)を決める
- ターゲットがどんなタグを検索するのか考える
- そのタグを付けられる写真を撮る
この過程を見てわかるように、Instagramの投稿はタグ先行で考えています。まずは、自分のターゲットである10~20代の女の子たちのリアルアカウントを見て、どのようなハッシュタグが流行しているのか徹底的に調べます。ハッシュタグ検索も調査の際に頻繁に使っているのですが、実は投稿が一番多いタグよりも、少し下に表示される投稿数が少ないタグの方が投稿の熱量が高いことが多いです。
ーー甲斐さん:
それは驚きですね。
ーーゆうこすさん:
例えばネイルのハッシュタグについて調べているとき、「#ネイル」だと投稿数は多いのですが「なんとなくオシャレだから付けているだけ」の投稿も多くなってしまいます。ただ「#ネイル」だけつけるよりも、投稿数は少なくても熱量の高いタグを併せてつけた方が発見してもらいやすい投稿になるのではないでしょうか。
ーー甲斐さん:
ゆうこすさんはタグも使い分けをしているのでしょうか。
ーーゆうこすさん:
そうですね、投稿する目的によって、タグの数を変えています。新規ファンに見てもらいたいときは、ハッシュタグの数を商品名や色番号まで検索を予想して細かくタグづけをします。
以下の投稿は、タグを「#菅本裕子」「#ゆうこす」の2つしかつけていません。こちらは既存ファンとの交流を目的とした投稿のため、タグは最小限にして既存ファンの空間を作りました。先ほどの新規ファンをターゲットにしてタグを多くつけた投稿と比べると1万ほど「いいね数」に差がありますが、たくさんのコメントが寄せられました。
それぞれのインサイトデータを見させていただきました。リーチやインプレッションは新規向けの投稿が伸びていますが、コメント数は既存向けの投稿の方が多いですね。熱量が高いフォロワーに向けた投稿を戦略的におこなっていたことがわかります。
ーーゆうこすさん:
いいね数も大事ですが、コメント数や保存数で熱量が判断できると思います。私もコメント数や保存数について重視していますね。
5.PRで気をつけているポイント
(質感が伝わりやすい外カメラで投稿のために自撮りしている様子を再現しているゆうこすさん)
最後に、最近はインフルエンサーの活用が多くなっているPRの投稿について、ゆうこすさんに気をつけているポイントを教えていただきます。
まず、自分の軸が定まっていない状態ではPRの仕事を受けないことがファンを失わないために重要だと思います。私もはじめたばかりで、「モテ」という軸がない状態のときはPRの仕事を受けていませんでした。軸が無い状態で取り組むと、ファンに「なんだ、PRか」とがっかりされてしまうんですよね。「報酬を抜きにしてもメリットはあるか?」を考えて仕事を受ける判断をすると良いと思います。
ーー甲斐さん:
なるほど。そのようにして精査した案件を実際に受けたときには、どのようなことに気をつけて投稿をしていましたか?
ーーゆうこすさん:
私は企業さんに求められる2倍以上の投稿をするように気をつけています。ファンが投稿を見て一番気になるポイントは「本当に好きな商品なのか?」だと思うので、熱量のある本気のレビューをとても長文で投稿しています。
ーー甲斐さん:
信用度が大事になってくるのですね。
ーーゆうこすさん:
はい。もともとその商品が好きということもありますが、信用度を高めるために一度PR案件を受けた商品はPRの投稿だけではなく、普段の使用コスメ紹介などでも意識的に投稿するようにしています。本当にその商品が好きならば、何度でも紹介してしまうと思うので。
ーー甲斐さん:
そうですね。
ーーゆうこすさん:
まずはインフルエンサーがPR商品のマニアになるべき!と思って取り組むことが大事だと思います。
ーー甲斐さん:
PR商品の魅力をより伝えるために投稿画像で意識していることはありますか?
ーーゆうこすさん:
とにかく「見やすく」「わかりやすく」が大事です。相手に買いたいと思ってもらいたいのに、自分の顔の方が目立ってしまっていたらアウトですよね。例えばグロスだったら唇のアップをメインにするなど、「この商品は何を伝えたいのか?」をしっかり把握しておくことが重要です。この点は、企業さんと打ち合わせのときに「なんで?」と繰りかえし聞いています。
ーー甲斐さん:
ゆうこすさんは代理店ではなく企業の方と直接打ち合わせをしているのですね。
ーーゆうこすさん:
はい。PRの商品について「どこをどう発信したらいいですか?」「なぜここをこうしたんですか?」などたくさん質問をして理解をした上で、「使用感が伝わりやすいように動画で投稿できないか」など発信方法を提案します。もちろんNGになる部分もありますが、打ち合わせでお互いの意見をすりあわせることで双方にとって良い発信になると思います。常に届けたい人をイメージしながら打ち合わせをすると良いPRになるのではないでしょうか。
6.まとめ
- 「人を動かす」「影響を与える」ことができて、はじめてインフルエンサーになる
- 「なんで?」を深掘りすることで自分の軸を見つける
- 新規フォロワー獲得のためには、届けたい人をイメージしながらとにかく情報を与える
- さまざまな視点から確認することで、誰も傷つかない投稿をするように心がける
- ハッシュタグや問いかけでユーザーを巻きこんだ投稿をすることで応援されるインフルエンサーになる
- フォロワー数の多さを考える前に熱量のあるファンを数人つくる
- 熱量のあるファンを作るためには、外見よりも内面、信用度を大事にする
- SNSはファンの熱量で使い分ける
- Instagramの投稿は「タグ先行」で考える
- PRの仕事を受けるときには、まずはインフルエンサーがPR商品のファンになる
今回の講座でゆうこすさんが教えてくださったことをまとめました。ゆうこすさんが、「自分は何がやりたいのか」「届けたい人は誰か」を常に意識しながらインフルエンサー活動をしていることがわかります。プロフェッショナルなインフルエンサーとして活躍するためには、徹底した目的意識と相手目線が重要になってくるのではないでしょうか。