インフルエンサーが選ぶ。一緒に仕事をしたい企業、したくない企業

インスタレポート

松阪美歩さん
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社会に出たこともない学生のインフルエンサーも多くいるなか、社会人を経験してからインフルエンサーになった松阪美歩さん。ご自身の経験も活かしながら現在はインフルエンサーマーケティングに携わり、弊社ではディレクターとしても活動しています。

今回はインフルエンサーとディレクターという2つの視点を持つ松阪さんに「いまインフルエンサーが一緒に仕事をしたい企業、したくない企業」について伺うべく、テテマーチ取締役COOの松重と対談を行いました。

ーー松阪美歩さんのInstagramアカウント:@miho_matsuzaka

目次

1.松阪さんについて

ーー松阪さんは社会人として働いていた経験もあるんですよね。社会人からインフルエンサーになった経緯も含めて、自己紹介をお願いしてもいいですか?

松阪さん:大学を卒業した後、営業職の正社員として働いていました。会社を辞めてから、独立して自分がやりたいことを探しているときになんとなくInstagramを始めたんです。

ーーなるほど。営業職って何年くらいやってらっしゃったんですか。

松阪さん:トータル3年くらいですかね。

ーー当時は営業もやりつつ、インフルエンサーとしても活動されていたんですか?

松阪さん:いえ、勤め先が副業禁止だったので報酬をいただいてお仕事することはありませんでした。勤めている間は、自分の手持ちの服を使ってコーディネイトを投稿していただけです。

ーー会社を辞められてから、企業のオファーもくるようになってインフルエンサーとしてのお仕事も始められたんですね。

松阪さん:そうですね。なんとなく始めたことだったので当時はよくわからないままやっていて、トラブルもありました。好奇心でライブ配信などもしたのですが、やってみて、インフルエンサーとして自分が人前に出るよりは裏方でサポートをする仕事の方が興味があると思うようになりました。なので、いまはファッションのライターもやりつつ、インフルエンサーのマーケティングに携わっています。

ーー発信をしていくなかで、自分は発信者よりも発信者を手助けする方が向いていると感じられたんですね。

2.インフルエンサーキャスティング会社の傾向とは

ーー近年、インフルエンサーキャスティングを扱う会社が増えてきた印象があります。テテマーチでいうところの「P-conne」のような、テーマ特化型でやっている会社などもありますが会社によって系統やジャンルの違いはありますか?

※参考:「P-conne」…テテマーチが提供している全国200大学700サークル30,000人の大学生と連動した、インフルエンサーを活用しない新しいSNSビジュアル拡散サービス

松阪さん:いろいろな分け方があると思うんですけど、もともとモデル事務所系でブログやツイッター、Instagramに展開していったような会社と、Instagramの流行と同時に新規参入してきた会社の2パターンがあると思います。

ーーその2パターンの会社によって仕事の傾向って違ったりしますか?

松阪さん:違いますね。一概には言えませんが、前者の方が、面接してから案件を紹介してくださったり、対応に安心感がありました。

ーー他にも系統の違いを感じるところはありますか?

松阪さん:これも一概には言えないのですが、品質重視型と価格重視型という分け方もできると思います。フォロワー属性やエンゲージメント率をみっちり分析し、支払うギャランティが高い会社と、分析はあまり行わないためギャラは少額ですが、楽しい案件をたくさん提供している会社があるように感じます。もちろん、分け方はいろいろあると思いますが。

ーー「質を重視していない会社には対応したくない」、「質を求められるのは嫌だから単価が安くても良い」など、スタンスの違いはインフルエンサーのなかでもあるんですか?

松阪さん:あると思います。

ーーなるほど。どちらについているインフルエンサーかというので属性が違うんですね。

松阪さん:そうですね。これは私の勝手なイメージなんですけど、フォロワー属性やリーチ数の分析を自分でするような質重視の人は、実績が多い会社や、新規のなかでも対応が丁寧な会社と単価の高い仕事をしている印象があります。

ーーインフルエンサーのキャスティング会社が品質重視型か価格重視型かというのは、クライアントの求めるものにもよってくるかなと僕は思っています。やっぱり予算をかけているところほど「しっかりとインサイトまで見てやってほしい」「ちゃんと文脈があっている人と一緒にやりたい」という気持ちがある印象です。まずクライアントのオファーがあり、キャスティング会社の特性の違いがあって、インフルエンサーの属性も変わってきていると感じます。

3.インフルエンサーにとっての「やりたい仕事」とは

松阪美歩さん

ーー以前はニコパチのような、「商品と一緒に写真を撮って終了」というスポットや短期的な案件がすごく多かった印象ですが、最近はもっと長期的なアンバサダーなどのお仕事も増えてきていると思います。そもそも、過去のニコパチみたいな案件とアンバサダー的な案件に対して、それぞれどういう印象を持っていらっしゃいますか?

※ニコパチ……「ニコッ」と笑って「パチッ」と撮った写真。ここでは「商品と一緒に笑顔でうつっている写真」を投稿するInstagramのPRを指す。

松阪さん:ニコパチのような単発の案件はPR感が強く出てしまうので、フォロワーさんの反応があまり良くないイメージがあります。あまりやりすぎると、特に女性ファンが減ってしまうという話を聞いたことがあります。インフルエンサーで集まってランチ会をしたときに話を聞いていても、単発の案件にはネガティブな印象の人が多かったです。

ーー単発の案件でいうと、成果報酬型も最近は増えていますよね。

松阪さん:多いですね。先ほど言ったランチ会での話なのですが、フォロワーが3.5万人ほどいる有名な主婦の方も最近は成果報酬の案件ばかり依頼が来ると話していました。成果報酬型は案件を受けても商品が売れないことも多く、報酬が入ってこないらしいです。あと、成果報酬型のお仕事はサプリなどダイエット系の商品が多くて、どうやってもイメージを下げてしまうという面もあります。

ーー傾向として、成果報酬型の方が企業は安心でキャスティング会社も仕事をやりやすいので推進されていますが、個人にファンがついているインフルエンサーからすると世界観が崩れる成果報酬型の案件はあまりやりたくないお仕事になりつつあるんですね。やっぱりアンバサダーのような、長期的に文脈を合わせてできる方がインフルエンサーとしてはモチベーションが上がりやすいのでしょうか?

松阪さん:そうですね。単発の案件ばかりだと「PRをしている人」というイメージにしかならないのですが、アンバサダーだと「○○を頑張っている人」など自分自身のキャラ作りができるのでモチベーションも上がりやすいと思います。インフルエンサーには自分のキャラを探っている子がすごく多いので、“アンバサダー”というプロフィール欄に書ける肩書きが増えることはひとつのメリットです。

ーーアンバサダーなどの中長期的な仕事は、インフルエンサーにとってポジティブな印象の案件になりやすいんですね。

松阪さん:そうですね。有名なブランドさんであればあるほど、肩書きとしてとても魅力的だなと思っています。一昔前の雑誌の読者モデルみたいなものですね。一時期、みんなが「○○の読モやってます」と言っていた現象のインフルエンサーバージョンだと思います。「アンバサダーやってます」と言ったら箔がつく、という考えですね。だから、それがビジネスライクなものではなく、インフルエンサーの世界観にあったものであると歓迎されると思います。

ーー自分たちの世界観を理解して、一緒にその世界観をつくってくれる中長期的な案件の方がインフルエンサーにとってポジティブなんですね。

4.インフルエンサーが一緒に仕事をしたい企業、したくない企業

ーーインフルエンサーはタレントのようにどこかに所属している人は少なくて、フリーが多いですよね。フリーで活動していると様々な会社から仕事依頼があると思うのですが、「一緒に仕事をしたい企業」や「一緒に仕事をしたくない企業」はありますか?

松阪さん:「一緒に仕事をしたい企業」というのは、一番の悩みどころですね。これは実際にインフルエンサーのなかでも一番出る話題なんですけど、みなさん「対応が迅速かつ丁寧」で「押しつけずにインフルエンサーの話を聞いてくれる企業」がやりやすいと言っています。

ーーインフルエンサーから、企業は対応力を求められているんですね。逆に「一緒に仕事をしたくない企業」はありますか?

松阪さん:やりにくいのは、クライアントファーストな会社という声が多いですね。インフルエンサー側から「こういう風にしたいんですけど」「こんなカットはどうですか」と提案しても「いや、これはこう決まっているので」と押しつけられてしまうと、やりにくさを感じてしまうと思います。

ーーご自身が投稿していた経験もあると思いますが、ディレクターとしてキャスティングする立場からみても、押しつけはインフルエンサーのモチベーション低下に繋がっていると思いますか?

松阪さん:はい、最終的に返信がなくなっちゃったりするリスクもあるので、あんまり押しつけると企業にとってもよくないと思います。

ーーやっぱりインフルエンサーを媒体としてみるのではなく、ひとりのプロモーションパートナーとして見た方がいいということですよね。

松阪さん:インフルエンサーはシビアに企業選びをしています。周りの声を聞いていると、一度でも対応を無視されたらその会社とはもう仕事をしない、という人もいます。

ーーなかなかシビアですね。

松阪さん:私の知り合いのインフルエンサーにも、誰もが知っているような有名企業から案件を受けたけれど、その会社とはもう仕事をしないと言っていた人がいます。その案件は単価もすごく良かったらしいのですが、真剣に下書きをして、確認のやりとりも三回くらいしていたけれど結局は返信がこなくなってしまったそうなんです。返信がない理由もよくわからないまま案件がなかったことになると、次の案件を依頼されたときにそれがどんなに良い条件であったとしてもインフルエンサーは「もうその会社の案件は受けない」となってしまいます。

ーーそれはエンドクライアントの問題というよりは、キャスティング会社の信用が大事ということですね。

松阪さん:信用は大事です。こういった対応の話は本当によく聞きますし、インフルエンサー同士の愚痴もほとんどは「あの会社にこういうことされたから、もう二度と受けない」「じゃあ私も気をつけよう」といった内容です。

ーーやっぱり、対応には気を配っていかないといけませんね。

5.まとめ

インフルエンサーが一緒に仕事をしたい企業のポイントとは?

  • 迅速かつ丁寧な対応であること
  • インフルエンサーの世界を共創してくれること
  • インフルエンサーは媒体ではなく、ひとりのプロモーションパートナーとしてみること

松阪美歩さん

松阪美歩(Miho Matsuzaka):
インフルエンサー活動を経て、株式会社HOTMILK設立。テテマーチ株式会社では、ディレクターを担当。過去の実績として、snapmart社×京王『SNSの撮り方講座』他、webディレクション番組MC、BSTV『チルテレ』出演、などInstagram:@miho_matsuzaka
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