インフルエンサーをキャスティングするときに気をつけたい8つのポイント

インスタレポート

松阪美歩さん
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インフルエンサーとして活躍した経験を持ち、現在では弊社でディレクター(SNSコンサルタント)としても活動している松阪美歩さん。
今回はインフルエンサーとディレクターという2つの視点を持つ松阪さんだからこそわかる「インフルエンサーをキャスティングするときに注意したいポイント」について伺うべく、テテマーチ取締役COOの松重と対談を行いました。

ーー前回対談記事:「インフルエンサーが選ぶ。仕事をしたい企業、したくない企業」
ーー松阪美保さんのInstagramアカウント:@miho_matsuzaka

目次

1.事務所所属の有無を確認する

ーーこれからお話していただくことは、「インフルエンサーをキャスティングするときには、こんなところに気をつけるといいよ」というポイントということでいいですか?

松阪さん:はい。「ここを注意しないと、あとでうまくディレクションできないよ」くらいに考えてくださってもいいかもしれません。学生をはじめ、社会経験が少ないインフルエンサーもいるので、企業側があとで困らないためにも気をつけてあげてほしいです。

ーーまず、「事務所所属の有無」についてお聞かせください。

松阪さん:インフルエンサーにはフリーで活動している人だけではなく、モデル事務所やインフルエンサー専属の事務所に入っている人もいます。事務所に所属しているインフルエンサーの場合でも、マネージャーがメインで交渉を進めるケースと、事務所に所属しているけれど個人で判断できるケースがあります。判断は誰がするのか、インフルエンサーがどこまで判断できるのかという部分でも大きな違いがあるんです。

ーーなるほど。

松阪さん:事務所に入っていると報酬がフリーの方に依頼するときの倍以上になってしまうこともあるので、その点でも事務所所属の有無はしっかりおさえた方がいいと思います。

ーーインフルエンサーが何らかの事務所やプロダクションに所属している場合、報酬の金額に幅があったり条件が厳しかったりするから誰でもキャスティングできると思うとよくないですよ、という話ですよね。例えばクライアントにインフルエンサーを指名されたとしても、報酬のぶんで金額が高くなってしまったり、そもそも指名したインフルエンサーに仕事を受けてもらえない可能性もありそうですね。

松阪さん:そうですね。事務所に所属しているけれどモデルの仕事がメインで、インフルエンサーとしてPRをした経験はないという場合もあります。事務所に入っていてもビジネス感覚を所属者全員が持っているわけではないため、仕事を自己判断で引き受けた後に事務所が出てきてNGになった、ということもあります。

ーーそれは、次の「PR実績の量」につながりますね。

2.PR実績の量を確認する

松阪さん:これは、つまり「PR実績のあるインフルエンサーの方が仕事がスムーズに進められますよね」という話です。

ーーちゃんと何がダメで何がオッケーなのか、というところがわかっているインフルエンサーが良いということですね。

松阪さん:やっぱりPR実績があるインフルエンサーは慣れていて、投稿を見てたくさんPRの案件をやっているとわかる人は大方きちんとした対応をしてくれます。PRに慣れていない人だと仕事という意識が薄く、連絡がとりにくいことがあるので、PRの仕事実績があるか確認をすると良いですね。

ーーインフルエンサーにPRの実績がないと、お仕事ということを理解していないケースもあるということですね。

松阪さん:これは実際に私や周囲のインフルエンサーが経験して感じた、キャスティングをするときに揉めやすいポイントなんです。PR実績のないインフルエンサーには丁寧に教えてあげるとよいと思います。

3.インフルエンサーの世界観を大事にする

ーーお次は、「世界観を大事にすること」について教えてください。

松阪さん:まず、インフルエンサーはとても自分の世界観を大事にしているのでその気持ちを尊重していただきたいです。

ーー「世界観を尊重する」ために、具体的にはどういった配慮があると良いですか?

ディレクションシートなど
↑松阪さんがこれまで企業からいただいたというディレクションシートや、モチベーション向上のためのツール

松阪さん:プロモーションの目的や商品のコンセプト、今回訴求したいポイントや投稿イメージをまとめたディレクションシートを、商品発送の前に送ってあげると良いと思います。商品を発送したあとから方針を指示されるケースがあって、そのときにインフルエンサーは「話が違います、自分の世界観に合わないからやりたくありません」となってしまうんです。細かい話になってしまいますが、インフルエンサーもこだわりを持ってやっている繊細な部分なので、尊重してあげてほしいです。

ーー企業ファーストではなくインフルエンサーファーストであることが大事なんですね。企業の世界観を押しつけるとインフルエンサーに敬遠されるケースがあるので、商品やサービスと、インフルエンサーの世界観がしっかりとマッチした依頼をかけたほうが良いってことですか?

松阪さん:インフルエンサーの世界観に合う商品やサービスを依頼することはもちろん大事ですが、伝えたいのは「企業の方針があらかじめ決まっているのであれば、依頼の段階ですべてインフルエンサーに伝えましょう」ということです。そうしないと、キャスティングしたあとでお互いの方針にズレが生まれてしまいます。逆に、依頼の段階で細かいところまで方針を提示できないのなら、キャスティングしたインフルエンサーに任せるくらいの気持ちの方が良いです。

ーー企業はキャスティングの段階でインフルエンサーのコンセンサスを取ることが、その後のトラブルを未然に防ぐために重要なんですね。インフルエンサーは仕事よりも自分の世界観を重要視しているのでしょうか。

松阪さん:それは人によると思いますね。企業とインフルエンサーの両者が納得しやすい落としどころとして、投稿の1枚目はインフルエンサーの世界観になるべく寄せて、2枚目以降はPRの商品やサービスに寄せていくという方法はよくあります。企業が当たり前だと思っていることがインフルエンサーにとって当たり前ではないことも多いので、どんな表現をしてほしいのか共通認識をすることが必要です。

ーーインフルエンサーと企業で共通認識するために、具体的にはどのようにするとよいのでしょうか。

松阪さん:私の場合は誰が見てもわかるような資料つくりを心がけています。「ロゴは反転しないように」「バストアップはここからここまで」など図や写真を使用して、どうしたらわかりやすく指示出しをすることができるか、考えています。繰り返しになってしまいますが、企業が当たり前だと思っていることは、必ずしもインフルエンサーにとっても「当たり前」ではないということを意識していただきたいです。

4.スケジュールを事前に伝える

松阪美歩さん

ーーじゃあ次は「スケジュール」にいきましょうか。

松阪さん:商品到着などのスケジュールは事前に伝えた方が良いと思います。けっこう旅行に行っちゃうインフルエンサーも多いので、商品が届けられたときに家にいなかったということもあるんです。みんな旅行好きだから。

ーー確かに、旅行好きなインフルエンサーって多そうですね。スケジュールでいうと、余裕をもって依頼された方が嬉しいですか?

松阪さん:それはありますね。インフルエンサーは投稿日が1日ズレるだけでも困ってしまうことが多いです。アカウントにいつ、何を投稿するか長期的に考えてきっちりと予定を組んでいるので、急に投稿日を変えるとイチから考え直しになってしまいます。できれば投稿日のスケジュールも幅をとっていただけるとありがたいです。

ーー企業から依頼するときは「この日に投稿してください」よりも、「ここからここまでの期間で投稿してください」とする方がインフルエンサーにとって仕事がやりやすいんですね。

松阪さん:そうですね。加えて、イベント案件などは仕方ないと思うんですけれど、当日に投稿する仕事は少し大変に感じます。家に帰ってからパソコンで写真を編集している人も多いので、翌日までにすると親切かもしれません。スマホでちゃちゃっと加工して画像を投稿しているわけではなくて、みなさんこだわりを持ってやっていることも知ってほしいと思います。

5.追加依頼には追加報酬の意識

ーー次は「報酬」ですが、これは主に「当初の予定よりも仕事が増えたときの追加報酬」についてということでしょうか。

松阪さん:はい。再投稿になったときや追加でストーリーを投稿するときには、最初に提示した報酬に追加して報酬を出す認識を企業側に持ってほしいと思っています。インフルエンサーも交渉できる場合と、交渉できなくて音信不通になる場合があるんです。追加分の報酬を支払うという認識がなくて、なんでも頼んでくる会社もあります。

ーー仕事と報酬は等価交換であるべきですよね。自分の世界観が一番大事にしているからもともとオファーされた内容でうまく世界観があうように設計していたのに、急に追加されるともう一度設計しないといけないといけないわけですから。その手間はモチベーション低下に繋がりますよね。追加の業務が発生したときは報酬をあげて返してあげないと、最悪の場合に案件を降りられてしまう可能性があるのでしょうか?

松坂さん:あると思います。「追加オファーをする際は基本的に追加で報酬をお支払いしなければならないという意識を持ちましょう」という感じです。

6.二次利用について確実に伝える

ーー「二次利用」に関してはどうですか。

松阪さん:二次利用の使用期間と媒体についてしっかり伝えてあげてほしいです。

ーーそれはどういうリスクがあるからですか。

松阪さん:トラブルになったときに最も大変なのがここで、あとから「競合があって受けられませんでした」となることもあるんです。二次利用に関しては特に、曖昧に伝えてしまうと確認が漏れやすいので、きちんと伝えるようにしてほしいです。

ーー「この期間、この媒体で使いますよ」ということを明確にするべきということですね。

松阪さん:いまは問題がなくても、後々「会社員になって副業禁止になりました」「○○のモデルになったので競合のPRになってしまうため画像を消したい」となってしまう場合もあるので、二次利用についての説明はどのインフルエンサーに対してもしっかりと行うべきだと思います。

7.競合を確認する

ーー次は、「競合の確認」について。

松阪さん:これも二次利用と同様に、きちんと確認すると良いと思います。業種によっては競合が多い場合があって「何週間以内に他の脱毛の投稿をした人はNG」ということもあります。細かい部分なのでインフルエンサーが見逃してしまうこともあるため、企業側も念のため投稿をチェックしてあげると安心です。

ーー競合排除がある場合は、事前に伝えたうえでアカウントもチェックした方がいいですよ、ということですね。

松阪さん:あとから企業が慌ててインフルエンサーに「競合はやめてください!」と言うことがあって、インフルエンサーは初めて知って驚くことがあります。

ーー企業側は競合の考えが当たり前だと思ってるから、見落としてしまいがちなんですかね。

松阪さん:企業側にとっては当たり前でも、インフルエンサーはそこまで考える必要を感じていないことが多いです。

ーーインフルエンサーと企業の認識にブレがあるから、競合排除がある場合は必ず事前に伝えるべき、ということですね。

松阪さん:そうですね、インフルエンサーのなかにはビジネスの世界に触れたことがない人もいるので、「わかっているだろう」と考えてしまうことはトラブルにつながります。

8.ちょっとした心配りがモチベーションを上げる

ーー仕事に対するモチベーションの上げ方についてお聞かせください。

松阪さん:この間もインフルエンサーとお話したんですけど、やっぱりちょっとしたプラスアルファが嬉しくてやる気につながると思います。例えば商品発送のときに、手書きの手紙で入れてくださったり、かわいいノベルティを同封してくださった企業もありました。その心配りがとても嬉しかったです。「一緒にお仕事してくれてありがとうございます」という気持ちが感じられるとモチベーションが上がりますね。

ーーなるほど。

松阪さん:イベントで手土産をいただいたときなど、ちょっとしたプラスアルファをされるだけですごく嬉しいです。逆に何もない企業が目立ってきてしまうかも……。

ーー「一緒に仕事をする上で思いやりを持ちましょう」ということに尽きますね。インフルエンサーは記事媒体ではなくて人間だということを忘れてはいけません。配慮、思いやりを持って一緒に仕事する姿勢が企業側にみられると、インフルエンサーもハッピーですよね。

松阪さん:そうですね。仕事をしたときの対応次第で、ブランドそのものを嫌いになってしまうこともあると聞きます。今後の印象も良いものにするためには、ひとりのプロモーションパートナーとして思いやりのある対応をする必要があるかもしれませんね。

9.まとめ

インフルエンサーをキャスティングするときに気をつけたい8つのポイント

  1. 事務所所属の有無を確認する
  2. 事務所に所属している場合は報酬の金額や条件の厳しさが変わってきます。

  3. PR実績の量を確認する
  4. はじめてPRをおこなうインフルエンサーには丁寧な説明をする必要があります。
    PR実績の量を確認して、インフルエンサーへの対応を考えましょう。

  5. インフルエンサーの世界観を大事にする
  6. キャスティングの段階でインフルエンサーのコンセンサスを取ることが、
    トラブルを未然に防ぐコツです。

  7. スケジュールを事前に伝える
  8. インフルエンサーは長期的に投稿のタイミングを考えているため、
    投稿日が1日ズレるだけでも大変です。
    スケジュールには幅を持たせると良いでしょう。

  9. 追加依頼には追加報酬の意識
  10. 追加で依頼をする際には最初に提示した報酬に追加して報酬を出す認識を持ちましょう。

  11. 二次利用について確実に伝える
  12. トラブルを未然に防ぐために、すべてのインフルエンサーに対して二次利用について伝えましょう。

  13. 競合を確認する
  14. 企業の当たり前は、インフルエンサーにとっての当たり前とは限りません。
    インフルエンサーにはビジネスに不慣れな人も多いため、しっかりと確認しましょう。

  15. ちょっとした心配りがモチベーションを上げる
  16. インフルエンサーは記事媒体ではなく、プロモーションのパートナーであり一顧客でもあります。
    そのことを忘れずに、お互いを尊重しながらお仕事をする意識が大切なのではないでしょうか。

松阪美歩さん

松阪美歩(Miho Matsuzaka):
インフルエンサー活動を経て、株式会社HOTMILK設立。テテマーチ株式会社では、ディレクターを担当。過去の実績として、snapmart社×京王『SNSの撮り方講座』他、webディレクション番組MC、BSTV『チルテレ』出演、など
Instagram:@miho_matsuzaka
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