少し前までは、「インスタグラムはキラキラ女子のSNSであり、中高年には関係がないものだ」と思っていた人も多いのではないでしょうか。
インスタグラムが着々と成長するなかで、近年40~50代のユーザー数が急増しています。
今回は2015~2017年のインスタグラム利用者の世代推移と、中高年のインスタグラム事情をご紹介します。
目次
目次
- 1.インスタグラム利用者の世代推移
- 2.中高年はインスタグラムをどう使う?
- 3.若者がインスタグラムを利用する中高年層を見る態度
- 4.まとめ
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1.インスタグラム利用者の世代推移
インスタグラムがリリースされてから、「インスタグラムのユーザーは若い女性が中心である」とはよく言われています。しかし、実際どの年齢層のユーザーがどのくらい存在するのかについては、あいまいになっている人も多いのではないでしょうか。
ここでは、2015~2017年の世代別ユーザー数の推移を見ていきます。
1-1.2015~2016:中年層ユーザーの増加
これは、2015~2016年のTwitter・Instagram利用者の推移を示したグラフ(調査会社ニールセンデジタル)になります。下のグラフがインスタグラムです。このころの利用者は18~34歳女性が圧倒的で、「Instagramは若い女性のSNS」だと言われていたのも納得です。しかし、ここで前年度からの伸び率を見てみましょう。
- 35~49歳 女性 伸び率 +126%
- 50歳以上女性 伸び率 +288%
- 50歳以上男性 伸び率 +226%
このように、男女共に中年層の利用者が急増しています。また、男性の利用者数は以下のようになっています。
- 18~34歳男性 ユーザー数 143万人
- 35~49歳男性 ユーザー数 137万人
- 50歳以上男性 ユーザー数 150万人
2016年時点では、男性のインスタグラム利用者数は、各世代間で大差ないことが分かりますね。
ーー参考:「Instagram」アプリの利用者数が2016年4月に1,000万人を突破 ~ニールセン、スマートフォンアプリの利用動向を発表~1-2.2016~2017: 50代女性の急増
こちらは、2016~2017年のInstagram利用者の推移を示しています(調査会社ニールセンデジタル)。女性に関して言えば、40代と50代の利用者数は大差なく、今後30代に迫る勢いであることが分かります。- 30代女性 ユーザー数 244万人 伸び率 +22%
- 40代女性 ユーザー数 203万人 伸び率 +45%
- 50代~女性 ユーザー数 205万人 伸び率 +112%
またグラフを見ると、男性は30代の利用者数が明らかに少なく、ユーザーは若年層と高齢層に二極化しているようです。
ーー参考:Instagramアプリの利用者数は前年から43%増加し1700万人を突破~ニールセン SNSの最新利用状況を発表~1-3.女性ユーザー数は40~50代>29歳以下
こちらは、2017年1月1日時点での日本の男女別人口ピラミッド(総務省)です。このグラフを見ると、20代女性の人口は30~50代女性の人口の約25%程度にとどまることが分かります。確かに、インスタグラムは若い女性の利用「率」が高いSNSではありますが、すでに40~50代女性の利用者数が29歳以下を上回っていることは覚えておいてよいでしょう。
30~50代女性、また40~50代男性のユーザー数増加により、もはやインスタグラムは必ずしも「若い女性のSNS」ではないと言えるでしょう。
ーー参考:人口推計各月1日現在人口月次2017年1月2.中高年はインスタグラムをどう使う?
それでは、中高年層の人たちはインスタグラムをどのように使っているのでしょうか。今回は、次の4つの使い方をまとめました。
- お金も時間もある:リア充タイプ
- 情報収集し、新しい居場所を見つける:主婦タイプ
- 「好き」ベースの緩やかなコミュニティ:趣味タイプ
- 気楽にコミュニケーション:連絡用途タイプ
~お金も時間もある:リア充タイプ~
年齢だけを見ると中高年にあたりますが、基本的には若い世代と同じようにインスタグラムを利用するタイプです。旅行先やおしゃれなレストランの写真、ブランド品をアピールするような投稿も目立ちます。お金も時間がある中高年層はインスタ映えを作り出しやすく、俗にいう「美魔女」や「セレブ」が自らの生活をアピールする場にインスタグラムが適しているようです。
~情報収集し、新しい居場所を見つける:主婦タイプ~
主に、料理のレシピや日々の暮らしの情報収集、ちょっとした趣味にインスタグラムを使用しているタイプです。インスタグラムは、アカウントを実名で登録しなければ知人と関わる可能性も少ないので、気軽に参入しやすいのかもしれません。子供やお弁当の写真を投稿する人も多いです。
~「好き」ベースの緩やかなコミュニティ:趣味タイプ~
趣味情報の収集と、自分の趣味の発信に利用するタイプです。基本的にはゴルフや釣り、手芸など、インスタ映えするかどうかに関わらず、自分の趣味の写真を投稿します。やはりお金と時間に余裕があるぶん、趣味に投じる時間も長くなり、インスタグラムにハマりやすいタイプかもしれません。
~気楽にコミュニケーション:連絡用途タイプ~
家庭を持ち、連絡を取ることが少なくなった友人とのコミュニケーションに利用するタイプです。投稿ジャンルを問わず、プライベートな写真を投稿します。インスタグラムはあまり文章を必要とせず、フォロワーに対して一度に投稿を届けることが出来るので、手軽に近況報告することができます。
これまでその役割を担っていたFacebookの利用に疲れた人や、Facebookを仕事にも使うことが多い人が、気軽に利用できるInstagramへ流入しているようです。
3.若者がインスタグラムを利用する中高年層を見る態度
いまインスタグラムでは、飾りすぎない高齢女性の自撮りが「かわいい」と、若い女性に人気があります。
その一方で、中高年層がインスタグラムを始めることで、会社の上司など知り合いの中高年と繋がることをよく思わない若者も多いようです。若者の中には、「インスタグラムは自分たち若者が中心のプラットフォームだ」という意識があるのかもしれません。
4.まとめ
インスタグラムは今なお成長を続けています。たびたび新しい機能が実装され、ユーザー層の移り変わりも激しいです。
情報のアップデートを怠ると、すぐに置いて行かれてしまうかもしれません。どのような用途であっても、インスタグラムを活用する以上は、その特性とユーザーの実態には常にアンテナを張っておかなくてはなりませんね。
今回は2015~2017年のインスタグラム利用者の世代推移と、中高年のインスタグラム事情についてご紹介しました。