目次
目次
- 1.企業ご紹介
- 2.運用開始の経緯
- 3.運用体制の変化について
- 4.外国語対応の複数アカウントについて
- 5.フィード投稿の世界観構築には複数の目線が必要!
- 6.〝依存しないインスタグラム〟運用とは
- 7.まとめ
1.企業ご紹介
「京都着物レンタルくるん。」様はベテランの着物ディレクター、婚礼や時代衣装など多く手がけた着付け師、数々の賞を受賞してきた美容師、そしてプロのメイクアップアーティストが集まり、本格的で可愛い着物を着付けしてくれると京都で大人気の着物レンタル店です。
インスタグラムアカウントはこちらになります。
@kimono.curun
フォロワー数 12.5千人(2019年1月現在)
アカウント開設日 2015年
今回は代表の東條さんにお話しを伺いました!
2.運用開始の経緯
ーーーアカウントを運用し始めたきっかけはなんですか ?
東條さん:
公式のHPを作るもお店自体の情報がメインで、レンタル着物についての細かい情報が載せることができませんでした。
またレンタル着物ということもあり、着物の入れ替わりも激しく商品の鮮度が重要なため、毎回新しい投稿で更新していくインスタグラムが運用に最適だと思い始めたのがきっかけでした。
3.運用体制の変化について
ーーーインスタグラムアカウントの開設日と開設時から現在までの運用工夫を教えてください
東條さん:
インスタグラムのアカウントを開設したのは3年前で、デザイン面ではユーザーが見やすいように、サイトのURLや電話番号を記載するようになりました。
また、投稿コンテンツ面ではキャンペーンを多く企画しました。
学生が多く訪れる季節では学生をターゲットにした「学割」や恋人がいない男女をターゲットとした「恋活」などのキャンペーンを行いました。
弊社はなるべく社員の意見を多く取り入れ、何事にも挑戦してみようという意識が強いので、費用がかからないインスタグラムは広告・キャンペーン媒体として取り組みやすいのです。
ーーーキャンペーン投稿を拝見した際、「宣伝」を重視し投稿しているように見えたのですが、キャンペーン投稿をするときに意識していることはありますか?
東條さん:
よくキャンペーンの投稿で「このキャンペーンに参加し#◯◯をつけて画像投稿してくれた人に〜」という形の投稿をよく見るのですが、もしその投稿で多くエンゲージが発生しても一過性のものにすぎないと思います。
実際に弊社のように、お客様に実際に来て頂いて成立する仕事では、一瞬の盛り上がりでは意味がありません。
ですから、インスタグラムはお客様が興味を持ってもらうための「入り口」であって、全てインスタグラム上で完結しないように意識して投稿しています。
ユーザーから一過性のキャンペーンだと見透かされないためにも、ユーザーに全て委ねない「余白を残した」投稿が大切だと思います。
4.外国語対応の複数アカウントについて
ーーー外国語対応の公式複数アカウント(韓国:@kimono.curun.k)(中国:@kimono.curun.t)を拝見させて頂いたのですが、運用し始めたきっかけを教えてください。
東條さん:
公式インスタグラムアカウントの方を見て来てくださった方や、たまたま来てくださった海外の方々がリピーターになることが多く、外国人からのレンタル着物の需要は高まっているのかもしれないと感じ、外国語対応のアカウントを開設しました。
ーーー実際に運用し始めてからアカウントや店舗に対し効果はありましたか?
東條さん:
外国語対応のアカウントの方によくDMがきます。弊社には台湾出身の社員もいますので、何か不明点や疑問点がある際はDMで対応しております。
安心して実際の店舗にもいらっしゃって頂くことができるので、開設して良かったと思います。
5.フィード投稿の世界観構築には複数の目線が必要!
ーーー投稿手法について意識していることはありますか?
東條さん:
飽きさせないように、毎日投稿することを意識しています。
投稿時間に関してはイイネがつきやすい時間を狙っていますが、もちろん、インスタグラムユーザー自体が1番多く利用する時間帯も考慮しながらアカウント運用を行なっています。
自らユーザーを分析する姿勢、意識が大切なのではないのでしょうか。
ーーーかなり世界観が統一されていますが、投稿画像で作成する上で意識していることはありますか?
東條さん:
インスタグラムを多く見る現代の女の子達が、どのような雰囲気や世界観を求めているのか常にニーズを分析しています。
女性社員も多いので実際に意見を聞きながら画像の雰囲気・世界観の構成を決めていますが、女性だけの目線では偏ってしまう可能性もあるので、男性目線も忘れずに考えています。
例えば、女の子の「可愛い」雰囲気・世界観を考える際は男性目線からの「可愛い」も取り入れリアリティを出すなど、日々試行錯誤をしています。
6.〝依存しないインスタグラム〟運用とは
ーーー多くのキャンペーンや複数アカウントを運用したり、かなりインスタグラムの運用に力を入れていると感じました。インスタグラム以外で広告などは出したりはしていないのですか?
東條さん:
広告は一切出していません。
開業と同時にインスタグラムアカウントも開設したので、(昔からのリピーターやご紹介で来られるお客様もいらっしゃいますが)集客は100%インスタグラムからです。
広告は出せば必ず人は集まりますが、だからといって出しすぎてしまい集客が落ち込んだ時、どの広告で「集客が落ちたか」が分かりづらいのです。
分析がしにくいので改善ができない、しかし今後の集客のために広告を出すのは止められない、でも集客は上がらない・・・という悪循環が起きるんですよ。
ーーー確かに、多くの広告を出してしまうと分析ができず、「広告を出すだけ、出したまま」の状態になってしまいますよね。
東條さん:
ですがインスタグラムの場合、イイネ数やインサイト機能などを見れば、明確に数値が分かるので分析がしやすいのです。
また広告と違ってインスタグラムは費用が全くかからないので費用対効果が大きいです。
ですから闇雲に広告を出すのではなく、インスタグラムのような費用がかからないSNSで宣伝するのも手だなと感じています。
ただインスタグラムは依存しすぎないようにしなくてはいけませんよね。
ーーー依存しないインスタグラム運用について教えて頂いてもよろしいですか?
東條さん:
インスタグラムはあくまで入り口や窓口という意識でなければいけないと思っています。
やはり実際に足を運んで頂き、着付けサービスに満足してもらいコアファンになって頂くことが目的なので、数だけを追い新規顧客を狙っても良いことは無いです。
着付けのサービスや対応を疎かにし、インスタグラムに力を入れたとしても必ずお客様は減少します。
あくまでインスタグラムは興味を持ってもらうための入り口や窓口として依存しない運用をし、インスタグラム経由で来てくださった方に最高のサービスをする。
そしてコアファンやリピーターになって頂き、感想をインスタグラムやSNS等でシェアして頂く。
この流れが大切なのではないのでしょうか。
インスタグラム運用ばかりに気を取られ、目的を見失ってはいけないですよね。
ーーー今後の展望について教えてください!
東條さん:
既に韓国では弊社のファンサイトも出来ているようなので、外国語対応の複数アカウントの充実化を目指し、海外展開もしていけたら良いなと思っています。
7.まとめ
今回お話を聞いて大切だと感じたことは、インスタグラムに依存しすぎないことです。
インスタグラムマーケティングも普及し始め、様々な方法でユーザーにアプローチをする企業も増えましたが、根底にあるのはお客様であり、目に見えるユーザーの数だけを追うのは危険だといえます。
ぜひこの機会に、インスタグラムを運用する目的を見失わないよう運用設計を見直してみてはいかがでしょうか。