これまでアパレルブランドのインスタ活用術について様々なノウハウを取材の中で伺ってきました。ブランディング・販促・コラボ商品の3つに分けて、活用のポイントを紹介していきます。
目次
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1.目的①プロフィール画面の世界観を整え、ブランディング
世界観を統一する工夫は、アパレルブランドがインスタグラムを運用する上で必須です。取材先の企業では全ての企業がPR用とは別に、インスタグラム用に撮影した素材を投稿していました。インスタグラム素材は片手間では収集できないほど、今や重視するポイントです。
1-1.スタッフチームの編成やインフルエンサー投稿を生かし多様なコンテンツを収集
まず、1つ目にご紹介するのは、靴下屋Tabioにおける多様なコンテンツを集めるための工夫です。
アパレルブランドにおいて必要なことは、投稿写真を通してその服に対するイメージをアップさせる工夫。そのためには、同様のスタイリングや角度やロケーションなどばかりで撮られたものでは、魅力的に映りません。
(参考;https://www.instagram.com/tabio.jp/)
そこで、Tabioでは、11人の撮影スタッフにより1つのインスタグラムにおけるチームを組み、それぞれのスタッフが提供する素材の中からトップの方の判断により、投稿に使用する写真を選んでいます。そうすることで、スタッフごとに異なるスタイリングをユーザーに提供し、インスタグラムオリジナルの素材作りができています。その上で、トップの方の判断を介することで全体の統一感が崩されないように工夫もされています。
また、インフルエンサーの投稿を使うことで様々なスタイリング投稿を実現させているケースもあります。
1-2.小物づかいや自然光を取り入れ一般ユーザーと差別化
一般ユーザーやインスタグラマーがアパレルの投稿をする中で、企業が同様に自社ブランド商品の紹介をするとき、そういった人たちの投稿との差別化が必要になります。企業が投稿する際の求められる写真のクオリティがどんどん高くなる中、どのような工夫ができるでしょうか。
1つ目に自然光を取り入れた撮影を行うことです。
先程もご紹介したTabio はじめ、30万以上のフォロワーを誇る有数のアパレルブランド、BEAMSや子供服のブランドをいくつか持つFO.internationalでも自然光を取り入れた撮影を心がけていました。
20代の女子に人気のle reve vanillerは、オフィスの一番光の当たる場所を撮影スペースの一角として常に確保しており、新作の撮影などがすぐに行える状態に置いています。
2つ目に小物づかいを取り入れた撮影を行うことです。
アンダーウェアのブランドAMPHIでは、商品を魅力的に見せるために、その商品コンセプトに合致するイメージを小物を使い訴求しています。
2.目的②インスタグラムから販促に繋げる!
ブランディングや認知拡大ももちろんだけれど、販促に繋げていきたいと考える企業も多いと思います。インスタグラムでエンゲージメントの高い投稿に対する購買率が伸びることは実際によくあることだそうです。
2-1.新投稿の際のURLの書き換えとストーリーの活用
インスタグラムの普段の投稿ではURLを記しリンク付けを行うことはできません。そのため、投稿された商品に対してもっと見てみたいと購買意欲が高まったユーザーに対し、アプローチする方法としては、プロフィール欄のURLを投稿に合わせて書き換える必要があります。
BEAMSなどでもそのような細やかな努力が見られました。
(参考;https://www.instagram.com/beams_official/)
また、ストーリーではURLが飛ばせるという特徴を持つため、ストーリーを積極的に活用しているブランドも多いです。現在ハイライト機能やアーカイブ機能が追加され、24時間という限定なく保存できるようになったストーリー。ここを活用することでさらなる購買アップに導けそうです。
今後SHOP NOWのボタンが実装される可能性が高いため、そこにも期待が寄せられます。
2-2.置き画投稿でエンゲージメントをアップし購買に繋ぐ!
取材の中でインスタグラム上でいいね数やコメント数などのエンゲージメントの高い投稿を伺うと、必ずといっていいほど、「置き画」という返答をいただきます。
例えば、fifthでは、置き画はECサイトでは掲載していないため、インスタグラムで新鮮味を味わえ、エンゲージメントも高く実際の購買にも導けているようです。投稿する前にはランキング外であった商品が唐突に投稿後にランキング内に浮上することも多く、そういった導線をたどっていくと、置き画であることが高いと言います。
BEAMSにおいても、スニーカーなどの人気商品はインスタグラム上で新作情報をキャッチしようとするユーザーが多く、実店舗においても人気で在庫がなくなるケースも生じているそうです。
2-3.ECサイトにインスタグラムの画像を利用
また、先進的な取り組みをされていたfifthでは、ECサイトにおいてインスタグラムからの画像を利用していました。
ハッシュタグ#fifthtlでユーザー投稿を収集し、その画像をECサイト上でも埋め込む工夫がされています。
ランキングの欄にも、このハッシュタグで集められた多様なユーザーのスタイリング画像が見られるため、商品イメージがつきやすく購買に繋がります。
(参考;http://5-fifth.com/special/instagram)
それぞれの商品ページにおいてもインスタグラマーのスタイリングを掲載しています。
(参考;http://5-fifth.com/special/instagram)
オリジナルのブランドハッシュタグ投稿を集めることで様々な一般ユーザーやインフルエンサーにおけるスタイリングを楽しむことができ、さらにそれをECサイトに掲載することで購買への流れを作ることができます。
また、ハッシュタグをフォローする機能が設けられたため、ブランドハッシュタグのついたユーザー投稿を増やすことで、日常的にそのブランドの商品を使ったスタイリングをチェックすることができそうです。
3.目的③インスタグラマーとのコラボで話題性あるプロダクトを生む
アパレルブランドの中でもインスタグラマーとのコラボをしている企業は少なくありません。
インスタグラマーとのコラボと一口に言っても2種類存在し、1つはコーディネートのタイアップ企画、もう1つは商品作成自体のコラボアイテム企画です。
このような工夫で、インスタグラム経由で話題性ある商品を生んでいます。
また、インスタグラマーさんのアカウントのプロフィールの欄にコラボしたブランドのインスタグラムアカウントのURLを貼ってもらうなどの協力を依頼することで、人気インスタグラマーのフォロワーがブランドアカウントへと流入し、フォロワー増加に繋がる傾向もあるようです。
4.まとめ
このようにアパレルブランドにおけるインスタグラムの活用法について目的に合わせた施策をご紹介してきました。
1つ目として、ブランディングや認知拡大を目的とすればプロフィール画面における世界観を統一する必要があります。そのためには
- スタッフやインフルエンサーにより投稿素材を集めることで多様なスタイリングのコンテンツを実現すること
- 自然光を使ったり、商品コンセプトに合わせた小物づかいをし投稿の質をあげること
2つ目の理由として、販促に繋げる場合には
- 新投稿に合わせてプロフィールのURLを書き換えたり、リンクを飛ばせるストーリーを活用すること
- インスタグラムにおいて置き画を投稿しECサイトやカタログ上のコンテンツと差異を設けることでエンゲージメントを高くすること
- ECサイトに、インスタグラムにおけるハッシュタグで収集したコーディネート例やインスタグラマーのコーディネートを掲載すること
があります。
最後にインスタグラマーとのコーディネートコラボや商品開発におけるコラボをすることで、話題性ある商品を手がけることもできるでしょう。
インスタグラムと非常に相性の良いアパレルにおいて、様々な活用法を考えてみてはいかがでしょうか。