Panasonicが提案するコンセプト「ふだんプレミアム」のインスタグラム活用術

インスタレポート

Pocket

Panasonicといえば、洗濯機や冷蔵庫などの家電を製造販売している家電メーカーのイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。しかし、同社が運用するインスタグラムアカウント「ふだんプレミアム」には、衣食住に関する暮らしの写真が並ぶものの、家電製品の広告要素はほとんどありません。

ではなぜ、Panasonicはそのようなインスタグラム運用を行っているのでしょうか。今回は、ふだんプレミアムのインスタグラム運用ご担当者様のお話を交えながら、その理由について探っていきます。

目次

1.「ふだんプレミアム」とは

「ふだんプレミアム」とは、Panasonicが2015年の秋に打ち出した「時代とともに変わり続ける暮らしに、つねに寄り添う家電をつくる」という想いを表したコンセプトです。
Panasonicは時代に合わせて「毎日をちょっとクリエイティブにする家電」を提案することで、人々の生活を豊かにするための挑戦を続けています。

そのインスタグラムアカウントでは、家電でふだんの生活をプレミアムにするための暮らしの知恵が紹介されています。

ふだんプレミアム

インスタグラムアカウント@fudanpremium
フォロワー数:4.6万人(2018年8月現在)
アカウント開設日:2015年9月29日

2.家電製品とインスタグラムアカウント

「ふだんプレミアム」のインスタグラムアカウントはなぜ作られたのか、そしてどのような運用を行っているのかについて、Panasonicコミュニケーション部メディアプランニング課の木村さんにお話を伺いました。

――さっそくですが、ふだんプレミアムのインスタグラム運用の目的を教えていただけますか?

木村さん:
家電製品の特徴として、「買い替えよう」と思ってから購入するまでの情報収集期間が長いというのがあります。情報収集期間中にお客様は、どのメーカーの商品を買おうかと、各社の商品をじっくりと⽐較検討されます。
そこで、インスタグラムを通して家電製品を検討されているお客様に、Panasonic製品のある暮らしは素敵だなと魅力的に印象に残るようにしたいと考えました。
また、一般的に家電製品は「壊れたら買い替えよう」となることが多いかと思いますが、「今の生活がより快適に便利になるんだったら買い替えたい」と思っていただける空気づくりを「ふだんプレミアム」というコンセプトを通じて行っていければと考えています。インスタグラムは、その空気づくりに適しているのではないでしょうか。

――なぜインスタグラムが適していると思われましたか?

木村さん:「ふだんプレミアム」のターゲットはDINKSとDEWK(共働きの夫婦)です。その世代にPanasonicのブランドイメージをより刷り込むには、Facebookやツイッターよりインスタグラムだろうと考えました。
インスタグラムは写真や動画などのビジュアルが主役のSNSなので、『ふだんのくらしを少しだけ丁寧に積み重ねてみませんか?』というメッセージを最も表現しやすい場なのではないかと思ったのです。

3.実際のインスタグラム運用で心がけていること

――投稿頻度は決めていらっしゃいますか?

木村さん:インスタグラムへの投稿は週に2回で、曜日と時間を固定しています。
インスタグラムアカウントをビジネスプロフィールに設定しているので、私たちの投稿になんらかのアクションをしていただいたユーザーのインサイトを分析できるのですが、その結果、昼間に活動しているユーザーが多いことが分かったので投稿時間は昼間に設定しています。
おそらく主婦の方や、働いている方がお昼休憩に見ているのでしょうね。

――なるほど、ターゲットに合わせた時間に投稿しているのですね。ちなみに「#ふだんプレミアム」のタグが付いた他のユーザーの投稿はチェックしていますか?

木村さん:できるかぎりチェックしています。洗濯空間を上手に演出してくれたユーザーの投稿を、販促物に利用させていただいたこともあります。

4.インスタグラム投稿コンテンツについて

――ふだんプレミアムのアカウントでは、投稿する素材をどのように決めていますか?

木村さん:ふだんプレミアムのコンセプトである、『ふだんのくらしを、少しだけ丁寧に積み重ねたら、自分にとって、家族にとって、プレミアムになると思いませんか?』というユーザーへの提案に沿ったものを投稿するようにしています。
特に料理動画は圧倒的にいいねが多くつくので、料理系の投稿はインスタグラムの特性に対応できる料理家の方に相談しています。

――他に工夫されていること、意識されていることはありますか?

木村さん:フォロワーがすでに知っている情報よりは、あまり知られていない新しい情報を発信するようにしています。
例えば、Panasonicが発売しているホームベーカリーは、実はうどんも作れるんです。そこで、料理家の方から「トマトうどん」を作ってみようと提案をいただいたので、そのレシピを紹介してみることにしました。

うどん

――これから買おうとしている人にも、すでに商品を持っている人にもうれしい情報ですね!ちなみに家電以外の投稿もありますが、それはなぜですか?

木村さん:ふだんプレミアムのコンセプトに合うもので、衣食住をテーマに季節感やモーメントを大事にして投稿していれば、家電にこだわらなくてもいいかなと思っています。

猫

――コンセプトを第一に考えているんですね!運⽤開始時から現在まで、投稿するコンテンツに変化はありますか?

木村さん:インスタグラムアカウントを開設した2015年当初は、起用タレントの写真をそのまま載せていました。
しかし、インスタグラムユーザーからは広告色の強い投稿にあまり興味を持っていただけず、期待に反していいねがそんなにつかなかったんです。そこで、ふだんプレミアムのインスタグラムをどう運用していくべきかをもう一度考え直したところ、単にCMや広告の転載をしただけではインスタグラムユーザーには響きにくいことが分かったんです。
インスタグラムユーザーが求めている情報は、CM素材の2次活用ではなく、「そういうこともできるんだ!なるほど!」という鮮度があって、役に立つ情報なんです。それからコンテンツの見直しを行い、いいねの数やフォロワー数も急激に伸びました。
ちなみに、&Puremiumさんの投稿はよく見ています。世界観も似ていて、目標にしている存在です。

アンドプレミアム

5.狙っている効果を高めるために

――インスタグラムでキャンペーンの実施はしていますか?

木村さん:プレゼント企画などのキャンペーンの告知はしませんし、インスタグラマーもほとんど使いません。
それらをしてしまうと、商品販促っぽさが出てしまうんです。
ふだんプレミアムのアカウントは、広告らしさや販促らしさを出すのではなく、”素敵な生活情報をお届けするアカウント”でありたいと思っています。

――インスタグラムを活用することで、どのような成果が得られましたか?

木村さん:Panasonicは、商品を直接販売する商流を持っていないので、「インスタグラムを見て、どれぐらいの人が購入したのか」というコンバージョン率を確認するのが難しいのですが、インスタグラムを始めてから、冷蔵庫や洗濯機などのサニタリー空間、キッチン空間をおしゃれにコーディネートした、インスタ映えする写真をアップしてくれるユーザーがたくさん増えました。
白物家電がインスタグラムにアップされるということは今までなかったと思うので、ふだんプレミアムのインスタグラムアカウントが周囲になにかしらの影響を与えられたのだと思うと、とても嬉しいです。

――今後の目標はありますか?

木村さん:もっとフォロワーを増やしたいと思っています。目標は10万人です。まだまだですが頑張っていきたいです。

――とても参考になるお話、ありがとうございました!

6.まとめ

「ふだんプレミアム」のインスタグラムアカウントは

  • ターゲット層の活動時間に合わせて投稿
  • 広告や販促要素をできるだけ減らし、世界観を第一に考えた投稿
  • ユーザーにとって新鮮で、役に立つ情報を発信

などを意識して運用され、着実にファンを獲得することができているのではないでしょうか。
ぜひ、アカウント運用の参考にしてみてください!

Pocket

Instagramを上手に活用するための資料を無料公開!

国内月間アクティブアカウント数が3,300万を突破し、多くの企業が取り組み初めるインスタグラム。インスタグラムの「今」、魅力、活用事例までまとめた「2019年版 インスタグラム活用術」。 インスタグラムにご興味のあるご担当者様必見の資料です!


資料ダウンロードはこちら!

関連記事