生きているミュージアムNIFREL(ニフレル)では、インスタグラムを通して生きものたちの魅力を伝えたり、来館客が楽しめるようなキャンペーンを実施したりと、ユーザーの“行ってみたい”を掻き立てられるようインスタグラムを活用しています。
今回は、ニフレルさんがインスタグラムから集客につなげるため、どのような工夫をしているのか伺いました!
目次
目次
- 1.ご紹介
- 2.アカウント運用について
- 3.投稿から集客チャンスに
- 4.春夏秋冬をテーマにしたキャンペーン
- 5.まとめ
- #loveにふれる
- #フチにふれる
- #アートにふれる
- #夜にふれる
1.ご紹介
大人から子供まで楽しめるニフレル。新しいジャンルの商業施設として、多くの注目を集めています。
まずはじめに、施設の概要、インスタアカウントのご紹介をしていきます!
1-1.生きているミュージアム ニフレル
“感性にふれる”をコンセプトとして、万博公園に2015年秋にオープンした 生きているミュージアムNIFREL(ニフレル)。地球が育む“多様ないのちと個性のつながり”を展示のテーマとした館内では、様々な水や陸の生きものたちを見ることができます。
「いろ」「わざ」「すがた」「WONDER MOMENTS」「みずべ」「うごき」「つながり」にふれられる7つのゾーンに分かれており、生きものたちの活き活きとした姿を“魅せる”よう、展示方法が工夫されています。水族館でもあり動物園でもある、新しいジャンルの施設として注目を集めています。
何と言ってもニフレルの魅力は、生きものとの距離が近いこと!間近で生きものを見ることができ、子供から大人まで楽しめ、また生きものの新しい発見もできそうです。
公式ホームページ:https://www.nifrel.jp/index.html
1-2.アカウントご紹介
公式インスタグラムアカウント:@nifrel_official
開始時期:2015年8月11日
フォロワー数:約12,000人(2018年4月現在)
オープン前から開設されているアカウント。
今回は、アカウント運用の担当をしている川林さんにお話を伺いました!
2.アカウント運用について
まずは、ニフレルさんが、インスタグラムをどのような目的で運用し、どのように運用されているのか探ってみました。
2-1.ニフレル×インスタは相性抜群!
投稿を遡って見ると、ユニークな初投稿を見ることができます。
ーーアカウント開設した当時のことをお聞かせください。
川林さん:
初投稿時はまだ開業前で館内工事中のため出来上がっておらず、生きものもいませんでした。そんな中で女性スタッフが館長の書いたこの絵をとても気に入っており、また初投稿にも向いている内容でしたので選びました。
ーー確かに開設当初は、ニフレルが出来上がっていく様子も投稿されています。
ーーニフレルさんにとってインスタグラムを運用する目的は何ですか?
川林さん:
インスタグラムに限らずSNSは当館の魅力、情報を発信する上でかかせません。当館は従来の水族館や動物園のような、いわゆる「環境再現型展示」ではなく、アートの要素を取り入れた「空間展示」で生きものたちをご覧いただいていますので、インスタグラムとの相性がよいと考えております。
ーー運用にあたってのターゲット層は意識されていますか?
川林さん:
幅広い年齢層の方にご覧いただいておりますが、10代~40代の女性がコアターゲットとなります。
ーー友人や恋人同士で来園する人だけでなく、子供を連れて来館するママさんたちも多いと考えられます。年代が幅広く楽しめるニフレルだからこそ、ターゲットも幅広く狙うことができるのかもしれませんね。
2-2.コメント返しにも工夫を!
ーーフォロワー数をあげる施策として何か工夫していることはありますか?
川林さん:
コメントには出来る限り早めに、必ず、お返しするよう心がけております。 また、ニフレルをタグ付けしてくださった方や、ハッシュタグ投稿してくださった方の投稿は出来る限り全てチェックし、いいねやコメントをさせて頂いております。可能な場合は、お返事の内容に、もうワンプラス、プチネタや豆知識を入れています。
3.投稿から集客チャンスに
ニフレルさんのアカウントでは、ユニークな生きものの写真や、館内のカフェのメニュー紹介など、様々な投稿を見ることができます。続いて、ニフレルさんが、実際に投稿する中で、集客のためにどのような心がけをしているかお聞きしました。
3-1.“ニフレルらしさ”
ーー投稿する動物たちの写真などのコンテンツで心がけていることは何ですか?
川林さん:
ニフレルらしさやニフレルの特徴が分かるものを撮るようにしています。たとえば、生きものとの距離の近さが分かりやすい角度や構図を狙う、生きものの特徴が分かりやすくなるようにするなどを心がけています。
生きものは日々、うごきや行動も変わるので(例えばお気に入りスポットや新しい生きものの展示など)そういった旬な写真も、飼育担当者に日ごろから話を聞き、常に狙っています。
投稿作業などは基本1名で行っておりますが、飼育担当から生きものの良い写真をもらった場合はそれを使って投稿しています。
ーー投稿するキャプションで意識されていることはありますか?
川林さん:
投稿内容に関しては、ネタばれしすぎない程度に、ご来館時に見逃しがちなプチネタや生きものの豆知識、ご来館時に注目して頂くと面白い、生きもののポイントなども意識して投稿しています。その他にも開館前、閉館後のご来館時に見られない生きものの様子もたまに投稿します。
通常の投稿時には、ニフレルのコンセプトなどになっているフレーズをタグにしています。(#生きているミュージアム #ニフレル #nifrel #感性にふれる など)
また、キャンペーン中はキャンペーン内容に沿った独自タグを使用しています。
ーーミュージアム内のカフェ「EAT EAT EAT」の投稿も含め、生きものだけでなく様々な投稿もありますが、何か意識していることはございますか?
川林さん:「食にふれる」がコンセプトのピクニックカフェでは食材にこだわったメニューを季節ごとや毎月ごとに販売しており、新メニュー情報を知りたいお客さまも多いように感じますので、ホームページやSNSでイチ早く情報をお伝えしております。
ーー様々な“〜にふれる”を大事にされていることがわかりました。
3-2.行きたい!を掻き立てる
ーーインスタグラムを運用する上での目標は何ですか?
川林さん:
ニフレルのインスタグラムを見ているだけで「ニフレルにどんどん興味がわいてきた!行ってみたい!」と思っていただけるように、また、すでにご来館いただいたお客さまにもさらに楽しんでいただけるような内容や記事を目指しています。
ーー実際にフォロワーが増加している成果は見られますか?
川林さん:
開業時に多数のマスコミ取材をいただいたおかげで一気に認知度があがったこともあり、同時にフォロワーも増加しました。その後は季節ごとに写真投稿キャンペーンを開催したのもフォロワー増加に繋がっています。アカウント分析は、インスタグラム公式のインサイトをはじめ、分析は定期的に行っております。
ーー本投稿がメインのように見えますが、ストーリーズ機能は活用されていますか?
川林さん:
毎日ではありませんが、イベントやワークショップなどの詳細告知(開催日時や時間など)に主に使用しています。
普段の投稿はビジュアルも重視し、生きものを中心とした投稿を多めにしております。
よって、情報量が多いもの(イベント情報など写真の情報以外に、加えたい文字情報が多いもの)は、写真上に時間や日時やお得情報を書いて、時間が経つと消えるストーリーズで発信しております。
また、生きものの誕生日イベントのエサやり(お肉ケーキやお野菜ケーキのプレゼント)なども楽しみにしていらっしゃるお客様が多いので、投稿に時差がうまれがちな通常の投稿ではなく、投稿しやすいストーリーズでのほぼリアルタイムの投稿を心がけています。
ーーニフレルさんは、とにかく生きものたちとの距離が近いことが一番の特徴です。生きものの様子をビジュアル重視のインスタグラムを活用して、その魅力を伝えることができます。
“近い!面白い!かわいい!”と思ってもらえるような投稿をすることで、足を運んでくれるユーザーを増やすきっかけになるのではないでしょうか。
4.春夏秋冬をテーマにしたキャンペーン
ニフレルさんでは、2017年に様々なインスタグラムキャンペーンを行っており、多くの人が参加していました。大反響だったインスタキャンペーンについて伺いました!
4-1.“〜にふれる”がコンセプト
ーー過去に行われていたキャンペーンはどのようなものがありますか?
川林さん:
季節ごとにキャンペーンを行いました。
2017年3月17日〜2017年5月30日
ミニカバの女の子を迎えるにあたって、館内リーフレット「春にふれる」のメインテーマに沿ったキャンペーン
2017年6月16日〜2017年9月3日
コップのフチ子さんとのコラボ企画の開催にあたって、館内リーフレット「夏にふれる」のメインテーマに沿ったキャンペーン
2017年9月14日〜2017年11月30日
生きものとアートにふれる展の開催にあたって、館内リーフレット「秋にふれる」のメインテーマに沿ったキャンペーン
2017年12月8日〜2018年2月25日
館内リーフレット「冬にふれる」のメインテーマが“生きものの夜”で、夕方から活発になる生きものを見れることにもスポットをあてたキャンペーン
このように、ニフレルの「~にふれる」にちなんだテーマで、各テーマ3ヶ月間ほど行いました。
ーー季節をテーマにしたキャンペーンでしたが、なぜ季節キャンペーンを行ったのですか?
川林さん:
季節をテーマとすることで 、ご来館いただいた方に当館の季節性や、いつ行っても何かやっていて楽しめる、という期待感をもっていただきたいと考えました。
ーーキャンペーン実施にあたってターゲット層はありましたか?
川林さん:
ご来館いただいた方に館内で撮影していただいた写真の投稿ですので、来館者皆様です。ただインスタそのものが女性のご利用が多いので、自然と女性がターゲットとなります。
4-2.ユーザーの投稿が運用側の刺激に!
ーーキャンペーンの反響はいかがでしたか?
川林さん:
好反応でした。キャンペーン終了後には、ただ単にいいね!の多い写真だけでなく、当館のコンセプトである「感性にふれる」写真を選ばせていただき、ニフレル賞など各賞を選ばせていただきました。 応募作品や入賞作品はキャンペーン専用のウェブページにて公開させて頂いております。
また、フォロワー増につながるのはもちろんですが、我々「中の人」とはまったく違う感性で写真を撮っている方が多いので、刺激になります。
ーー実際に「#夜にふれる」キャンペーンでは、約1,000件投稿が見られます。その中でも同じユーザーが複数投稿をしていたり、オリジナリティのある思い思いの写真を投稿していたりと、反響がよかったことが見受けられます。
ただ人集めのためのキャンペーンではなく、“いつ行っても楽しめる”という印象を与えることで、リピーターを増やせるチャンスにもつながりそうです!
4-3.今後の取り組みについて
ーー今後取り組みたいことなど何かございますか?
川林さん:
ライブ機能を使ったイベントなどの生中継ができたらいいですね!
また、インスタグラムを利用したキャンペーンは、2018年度の予定には入っていませんが、開催予定の各種イベントと連動できればと考えております。
ーーフォロワー数を増やすだけでなく、その後フォロワーがリアルタイムで楽しめるような取り組みも注目したいところです!
5.まとめ
“〜にふれる”というテーマのニフレルらしい生きものたちとの距離の近さがわかる投稿やキャンペーン実施など、どれも新鮮に感じられます。
ニフレルはインスタグラムとの相性◎
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集客につなげるため、インスタグラムを活用
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生きものの写真の工夫・興味を持ってもらうコメント返し・いつ行っても楽しめる季節キャンペーン実施
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ユーザーからの注目を集め、フォロワー増加に
↓
フォローしたその後も、また実際に来館したお客さんのその後も、ずっと楽しめるようなコンテンツをやっていく
というように、集客が必要な商業施設でのインスタグラム運用では、ユーザーに”行ってみたい!”と思わせるようなPDCAが重要なポイントではないでしょうか。
商業施設では、インスタグラムからその場に行ってみよう!と思わせるきっかけづくりに活用できそうです。