目次
目次
- 1. ホームページ vs ソーシャルメディア
- 2. スクロールでドラマのストーリーを予想させるアカウントで口コミが爆発。「The OA」
- 3. ハロウィンのキャンペーン用にインスタアカウントを22個開設!「TARGET」
- 4. 小規模ビジネスにおけるインスタグラム初期運用例
- 5. ホームページをインスタグラムで代用するメリット
- 6. まとめ
1. ホームページ vs ソーシャルメディア
こんにちは。NY情報局のYUKAKOです。
皆さんはインターネット上で新しい情報をどのように得ますか?Googleで検索したり、SNSで発見したりと様々な情報収集手段があります。
情報収集のツールとしてソーシャルメディアの存在感が強まる昨今、ホームページの存在意義が見直されています。これをWebsite vs Social Media論争と海外では呼んだりもするほどです。
ホームページを作る主なメリットは、商品や会社に対する安心感をお客様に与えられることです。お客様はホームページが見れることを期待していることが多く、ホームページのない会社や商品は少し不安に感じてしまいます。
しかし、ホームページの大きなデメリットとして、制作に時間とお金のコストがかかることです。
そのため、特に小規模なビジネスにおいて、「ローンチ時にはホームページではなくインスタグラムのアカウントを開設」することがトレンドになりつつあります。その場合、ある程度のファンと余裕が生まれてきたら満を持してホームページを開設します。
また、キャンペーン時に特設サイトを設けず、ランディングページ代わりのインスタグラムアカウントを新規開設する事例もあります。
今回は、海外のアカウント事例と、サイトをインスタグラムで代用するメリットをご紹介します。
2. スクロールでドラマのストーリーを予想させるアカウントで口コミが爆発。「The OA」
2016年に公開されたNETFLIXオリジナルドラマの「The OA」が、ドラマ公開前にリリースしたインスタグラムのアカウントが話題になりました。
ドラマの予告動画がYouTubeに公開されると同時にリリースされたこのインスタグラムアカウントでは、グリッド分割された投稿をスクロールダウンしていくと物語の大きな流れがわかり、また各投稿にはドラマの謎を解くヒントが隠されているというものです。
このドラマ公開時にはドラマのホームページはなく、YouTubeのトレーラー動画の公開、トレーラー動画を告知するツイッターアカウント、またドラマのヒントを得られるインスタグラムアカウントのみでプロモーションを行いました。
にも関わらずドラマ公開前から大きな口コミと話題を生みました。
このアカウントがローンチされてたった一ヶ月でインスタグラムのインプレッション数は2億4千万回以上まで伸び、他のSNS(フェイスブックとツイッター)も合わせると合計22億ものインプレッションを達成しました。インスタグラムのUIだからこそ実現できたローンチキャンペーンでした。
ちなみに、このアカウントはスクロールすることで物語の大枠を捉えられるように設計されたアカウントのため、更新を前提としていませんでした。シーズン2が公開された現在、当アカウントからはシーズン1のローンチキャンペーンの投稿は消されて、シーズン2のみに関する投稿になっております。当キャンペーンの全容はこちらでご覧いただけます。
3. ハロウィンのキャンペーン用にインスタアカウントを22個開設!「TARGET」
以前の記事でも紹介しましたが、米大型スーパーの「TARGET(ターゲット)」はランディングページは設けずインスタグラム上のみで完結させる、ハロウィンキャンペーンを実施しました。当キャンペーンは、TARGETで入手可能な材料を用いたハロウィン装飾の作り方や、お菓子のレシピなどを紹介しています。
作り方やレシピを紹介する専用のインスタグラムアカウントを個々に開設することで、ユーザーがインスタグラムを離脱することなくシームレスに情報を得ることができます。
当キャンペーンで「TARGET」が開設した新規インスタグラムアカウントは22個。1つアカウントで1つのレシピ・作り方を紹介しています。こちらのアカウントは現在でもご覧いただけます。
(例:https://www.instagram.com/_treat_11/)
また、このキャンペーンの面白い点は、一切ウェブサイトへの誘導をしていない点です。
特設サイトを設けていないことはもちろんですが、TARGETのホームページへの誘導もしていません。
「アカウントに登場する材料は全てTARGETで購入可能であることが伝わることで来店可能性が高まる」とTARGET担当者は述べています。(Business Insider)
4. 小規模ビジネスにおけるインスタグラム初期運用例
次に、ウェブサイトを作らず、インスタグラムをホームページがわりとして自社ブランディングをしファンを増やしたアカウントを紹介します。小規模ビジネスにおいては、コストのかかるホームページを開設するよりインスタグラムの運用を通してブランドを成長させることがあります。
4-1. フレキシブルなコンテンツでファンを獲得した、プレミアムスニーカーブランド「GREATS」
GREATSというスニーカーメーカーは当時インスタグラムでのみプロモーション・販売を行い、今ではフォロワー数を約16万人まで伸ばしました。
GREATSの投稿のユニークな点は、スニーカーに関わらず、インスタグラムのトレンドに合わせてコンテンツを変えていったことです。インスタグラムで人気のコンテンツといえば、グルメやファッション、また著名人の名言などもよく登場します。
そこでGREATSのアカウントでは、スタッフが好きなハンバーガーやドーナツの写真を投稿したり、ブランド名でもある「GREAT」という言葉が用いられている有名なスピーチなど、スニーカーに関係のない投稿もすることで「#Greatbrand」への共感・親しみやすさとファンを増やしていきました。
(↑GREATSスタッフオススメのドーナツについての投稿)
(↑「GREAT」という言葉が登場するマーチンルーサーキングジュニア氏の名言)
4-2. UGC型コンテンツで認知度をあげた時計ブランド「CLUSE」
時計ブランドの「CLUSE」は UGC戦略でフォロワー数を増やしました。
UGCとは、「User Generated Contents(ユーザー生成コンテンツ)」の略称です。
CLUSEのアカウントでは、ユーザーが投稿した写真の再利用を中心に自社のインスタグラムを伸ばし、今では約90万人のフォロワーがいます。
CLUSEの時計に関する投稿を常にウォッチし、発見すると投稿者にコンタクトを取り、直接コンテンツ利用の許可を取っていたそうです。またリポストされたユーザーはロイヤルカスタマーになる可能性が高く、口コミが広がりやすくなります。これを毎日行うことで、徐々に、CLUSEのハッシュタグの認知度は上がりました。
結果、CLUSEは19,000件のUGCコンテンツ(写真や動画)が集まり、購入CVは19%増加しました。
(出典:https://hi.photoslurp.com/case-studies/cluse/)
5. ホームページをインスタグラムで代用するメリット
インスタグラムのアカウントは「無料」で作成できるということはもちろんですが、インスタグラムでローンチさせるメリットはたくさんあります。
5-1. すでに多くのユーザーがプラットフォームに存在している
世界で月間10億人以上もの人が使う巨大プラットフォームのインスタグラムだからこそ、ホームページよりも早く、多くの方の目にしてもらうチャンスがあります。
5-2. 技術者いらずでコスト削減
インスタグラムのアカウント開設には専門的な技術者は必要ありません。新しく人を採用する必要なくページを作ることができます。
5-3. ソーシャルカスタマーサポートでロイヤリティ向上
ある調査によると、SNS上の問い合わせの約80%が未回答のまま放置されているそうです。また、SNS上で返答がない場合、88%の人が購入をあきらめ、30%の人が競合の製品へ移ってしまうそうです。
その逆で、約65%の人がSNS上で運営から返答をもらえるとその商品や会社に対する愛着が増す、という結果も出ています。
また別の調査では、SNS上で返答を得られた方は20%~40%も高い金額の買い物をする傾向にあるそうです。
そのためビジネスにおいて、SNS上でのカスタマーサポート(コメントへの返信やダイレクトメッセージへの返答)が重要視されています。
6. まとめ
このように、インスタグラムだからこそ生まれる話題性やユーザーとの距離感の近いコミュニケーションなど、ウェブサイトにはないメリットがあります。
またインスタグラム上でショッピングが完結するようになれば、ますますインスタグラムで代用されるケースが増えるかもしれませんね。