採用アカウントとしては異例の5,000人以上ものフォロワーを持つ株式会社トリート。ウエディングドレスショップとしての世界観を維持しつつ、就活生だけではなく内定者や社員の心に響く投稿の秘訣を伺いました!
目次
1.ご紹介
1-1.企業ご紹介
「女性ごころをくすぐる世界をお届けする」を経営理念に掲げ、ドレスショップの展開や、ジュエリービジネス等を行う株式会社トリート。
手に届きそうで届かないもの、どこかにありそうだけどどこにもない、誰もが憧れる世界を実現すべく、日本女性に素敵な想いを届け続けています。
(HP: http://www.treatdressing.jp/treat/)
1-2.公式インスタグラムアカウントご紹介
公式インスタグラムアカウント:@thetreatdressing
フォロワー数:約4.6万人(2017年12月時点)
開始時期:2014年3月1日
(参考;https://www.instagram.com/thetreatdressing/)
公式インスタグラムのアカウント運用を担当しているプレスの有米さんにお話を伺いました!
1-3.採用インスタグラムアカウントご紹介
採用インスタグラムアカウント:@treat_recruit
フォロワー数:約5,530人(2017年12月時点)
開始時期:2015年8月13日
(参考;https://www.instagram.com/treat_recruit/)
採用インスタグラムのアカウント運用を担当しているパーソナルデペロップメントの掛井さんにお話を伺いました!
2.公式インスタグラムアカウントについて
2-1.ブランド認知拡大のためにショップカードに施策を
Haruka:
ブランドの公式アカウントはどれくらい前から始められたのですか。
有米さん:
インスタグラムが日本に普及し始めた当初からですね。トリートとして「日本の花嫁様をより美しくしていきたい」という想いのもとで、インスタグラムを通じてブランドを広げていくという意識を持っています。
ブランド認知拡大のためには、ユーザー投稿を増やすことも必要ですので、#thetreatdressing で投稿していただくように書かれたショップカードを店舗でお渡ししています。その効果もあり、ハッシュタグも多くユーザーの方からつけていただいています。
(参考;https://www.instagram.com/explore/tags/thetreatdressing/)
また、結婚式後の写真をあげていて素敵だと思った写真にはいいねをこちらから押しています。こういった地道な取り組みもフォロワー数を増やすために必要だと認識しています。
2-2.ストーリーをタイムラインの投稿と連動させ好反応
Haruka:
コンテンツにはトリートさん独自の世界観が見られますが、どのように素材を収集しているのですか。
有米さん:
カタログに掲載している写真を使ったり、媒体撮影に立ち会ってインスタグラム用に写真の撮影を行ったりしています。また、店舗のスタッフの中で写真撮影の上手な人達をインスタグラムメンバーとして選出して、世界観を演出しながらもバリエーション溢れる投稿になるようにしています。
Haruka:
そのような写真の中でどのようなものがユーザーの反応が良いですか。
有米さん:
誰がパッと見てもかわいいと感じる写真よりか、ラインや素材などのディテールにこだわったことが伝わる写真がいいね数の伸びが大きいです。
ただ、いいね数と保存される写真数との関係は比例傾向にはなく、保存される写真はユーザー自身に置き換えることができるもの、活用できるものが多いと思います。
その中でも、いいね数と保存数がイコールになったのは、今年9月17日のイベントの様子を掲載した投稿です。
イベント時に、この写真に動きを加えストーリーに投稿しました。そういったストーリーとタイムラインでの投稿の連動をするといいね数やインプレッション数が増えるのではないかと考えています。
Haruka:
他にもストーリーの活用はされていますか。
有米さん:
店舗でイベントをした時にもストーリーを活用しました。その際には、「店内の様子が見えて店頭に行きたくなった」というお声を多くいただきました。そのため、今後は店頭誘導を目的の1つとして、ストーリー活用に踏み切っていこうと考えています。ストーリーはだいたい平均13,000ものインプレッション数ですので、効果は大きいと思います。
2-3.BtoBにおいてインスタグラムの効果を実感
Haruka:
インスタグラムを運用してきて3年半以上経ちますが、何か効果は実感していらっしゃいますか。
有米さん:
インスタグラム上では、特にBtoBの効果を感じています。
パートナーさんから弊社のインスタグラムを利用して新たに何か施策ができないかとお声がけをいただいたり、編集者さんやスタイリストさんから、弊社のドレスを使用したいとご要望をいただいたりしています。
弊社の場合、モデルさんの写真を多く使い、世界観を保っていますので、BtoCよりBtoB、つまり企業側からお声がけをいただくケースが多いのだと認識しています。
(参考;https://www.instagram.com/thetreatdressing/)
3.採用アカウントについて
3-1.学生の動きを捉えFacebookからインスタグラムへ
Haruka:
採用アカウントはどういったご経緯で始められたのですか。
掛井さん:
採用チームでは、Facebookをもともと利用していてホームページにブログとして投稿したものと連動して運用していました。
しかし、学生層が一番使う媒体はFacebookではなくインスタグラムだと考え、始めるタイミングは早い方がいいということで2015年にアカウントを開設しました。
Haruka:
確かに下記のデータから見ても若者のFacebook離れは浮き彫りになっています。
(参考:https://markezine.jp/article/detail/26519)
3-2.キャプションにおけるブランド公式アカウントとの差別化
Haruka:
フォロワーさんが多いことが特徴の1つですが、どのような方がフォロワーにはいらっしゃいますか。
掛井さん:
私たちのアカウントでは、求職者だけでなく、ブランドが好きなお客様もフォローしてくださっています。
その理由の1つとして、キャプションにおける公式アカウントとの差別化があると考えています。トリートのブランドアカウントは世界観を重視しているためキャプションを短めにしているのですが、採用アカウントではメッセージの部分を大切にしています。そのため、どちらもフォローして下さっている方がいらっしゃるのだと思います。
キャプションに拘ることで、実際に、中途採用などで自分のお仕事に悩みを抱いている方が、インスタグラムを見て応募を決意したというケースもありました。
Haruka:
フォロワーはこれまでどのようにして増加してきましたか。
掛井さん:
説明会をするとフォロワーは増える傾向にあります。選考にあたって面接に生かしていけるヒントや、ドレスコーディネートのやりがいなども載せていますので、有益な情報を掴むためにフォローしてくださる方が多いのだと思います。
3-3.世界観をキープしながらトリートを伝える投稿工夫
Haruka:
どんな投稿をされていますか。
掛井さん:
トリートの持つ世界観と、これからトリートで働きたいと思う方々に刺さる投稿のちょうど中間を目指しています。
実際に仕事をしている様子やドレスの撮影の様子を主に載せています。
また、採用アカウントにおいてピンクをテーマカラーにしているので、時々ピンクの投稿をするようにして、ユーザーがプロフィール一覧を見て楽しめるようにしています。
(参考;https://www.instagram.com/treat_recruit/)
Haruka:
ストーリーは活用されていますか。
掛井さん:
ストーリーはインターンシップの際には動画を撮ってあげていることもあるのですが、あまり頻度は多くはないのでもっと強化したい部分です。
ストーリーではリアルを伝えやすいと思うので、投稿ではブランドのイメージを維持する一方で、別の角度からトリートをお伝えできればと思います。
3-4.インターン生にハッシュタグ投稿を促進する目的と工夫
Haruka:
採用アカウント独自のハッシュタグは設けていますか。
掛井さん:
インターンのハッシュタグ#intern2017treatがございます。
私たちが投稿するだけでなく、学生がインターンシップに来た際に、そのインターンの様子を規定のハッシュタグをつけて投稿していただくように促しています。現在380件ほどの投稿があります。
(参考;https://www.instagram.com/explore/tags/intern2017treat/)
インターン生たちの投稿を見ると、インターンを通して感じていることを書いてくださっている場合が多いので、直接ではなくとも想いを汲むことができ、嬉しくなります。投稿には必ずコメントを残しています。
また、このようなハッシュタグを設けている理由として、企業から発信するよりも、自分たちのコミュニティの中で拡散された投稿の方が影響力が大きいことがあります。インターンに参加してくれた人たちが投稿をしてくれることで他のユーザーにもトリートの存在を意識していただけると思います。
実際、インターン生の投稿を見ると、他のフォロワーさんから「どういう企業なの?」といった疑問がコメントに残っていることもあり、少なからず効果はあるのではないでしょうか。
Haruka:
どのように投稿を促しているのですか。
掛井さん:
具体的には、インターンシップ後に「今日ご参加いただいたインターン生の思いが共有できると思うので是非投稿してみてください」とお伝えすることで、投稿を促進しています。
1回のインターンでは40名くらいなのですが、多い時だと20枚もの投稿が集まることもありました。帰り際に投稿してくれているインターン生がいると、そこから会話が弾み他の方も投稿してくださり、多く投稿が集まることがあります。年間2,000人くらいインターン生を受け入れていますので、段々と投稿が増えていくのではないかと考えています。
他にも説明会のタグとして#overthetreatというハッシュタグを設けています。会社説明会でモデルさんによるドレスショーもあり、インスタ映えする写真が撮れるため、投稿してくださる方もかなり多いです。写真の撮りやすいシチュエーションを設ける工夫をしています。
(参考;https://www.instagram.com/explore/tags/overthetreat/)
3-5.母集団形成のみならず内定者や社員のモチベーションアップにも!
Haruka:
インスタグラムにおいて意識していることはありますか。
掛井さん:
インスタグラムは様々なフェーズで必要な媒体だと思うんです。
採用において、母集団を増やすためにも相性の良いツールですし、トリートに興味を抱いている就活生の志望度を上げ、素敵な企業だと思っていただけるようにするのも大切です。また、内定が出た子達にも「こんな理念を持つ会社で働けるんだ!」という気持ちになっていただければと思います。
他にも、求職者だけではなく社内スタッフの中にもフォローしてくださっている方たちも多いです。仕事の様子も投稿の中で紹介していますので、紹介されたスタッフだけでなく、同期がインスタグラムに投稿されているのを見てモチベーションアップに繋がっています。必死に毎日頑張っているスタッフを目にしているので、インスタグラムを通じて紹介してあげることも大切にしています。
インスタグラムは無条件に色々な方に発信できるので片手間にやるものではないと考えています。また、その効果だけを考えすぎるのではなく、長い目で捉えて行く必要があると思います。
4.まとめ
採用アカウントにおいて、ブランドの公式アカウントと同様に世界観に拘りを見せながら、求職者の求める情報やメッセージを届ける工夫が施されていました。
ユーザーのハッシュタグ投稿を促進することで、トリートという企業に興味を持つ母集団を形成しています。説明会でドレスアップの様子を撮影できるチャンスを設けたり、インターン生同士の想いの共有を促したり、投稿をしてもらえるような施策も見られました。
そして、求職者だけでなく、内定者や社員にまでモチベーションアップをする媒体となっています。これこそ、インスタグラムにおける採用活動の理想形なのではないでしょうか。