東京都庁からほど近く、東京の眺めを一望できるパーク ハイアット 東京。宿泊施設としてはトップクラスのフォロワー数を誇り様々な施策を行なっています。
目次
目次
1.ご紹介
1-1.企業ご紹介
東京都庁近くの高層ビル、新宿パークタワーの39階から52階に位置する、ハイアットグループのラグジュアリーホテル、パーク ハイアット 東京。360度に広がる東京の素晴らしい眺望を誇り、上質な宿泊をはじめとしたダイニングなどのサービスを提供しています。
(HP:https://tokyo.park.hyatt.com/ja/hotel/home.html)
1-2.インスタグラムアカウントご紹介
公式インスタグラムアカウント:@parkhyatttokyo
フォロワー数:約2.5万人 (2018年1月時点)
開始時期:2014年8月10日
(参考:https://www.instagram.com/parkhyatttokyo/)
今回はインスタグラムの運用を担当しているマーケティングコミュニケーションズの十鳥さんにお話を伺いました!
2.運用目的はブランディングや次世代への訴求!
Haruka:
インスタグラムを運用される目的についてはどのように考えられていますか。
十鳥さん:
ラグジュアリーホテルであるという特徴からインスタグラムからすぐに販促に繋げるというのは難しいと感じています。そのため、長い目でブランディングや認知拡大を目的として捉えています。
私たちのホテルをご利用いただいているお客様の8割が海外の方なのですが、インスタグラムでは国内と海外が半々ほどのフォロワー比です。さらにインスタグラムが現在流行っている世代は、私たちの顧客より若年層であると思いますので、将来のための投資活動の一環、またランチやディナー、ティータイムなどのご提案をする場としても考えています。ハードルが高いと感じている若年層の方が多いのではないかと思いますので、特別な日にホテルでの食事をすることをインスタグラムを通し拡散するという意味も持っています。
販促に繋げるという意味では、Facebookの方が活用できていると感じます。キャンペーンや新しいサービス、フェアなどの情報発信ができ、編集も行いやすいですし、Facebookの方が顧客層とフォロワー層が一致傾向にあると思います。
Haruka:
以前からユーザーの年齢層が幅広くなってきていますので、今後訴求できるユーザー層が顧客層にも近づいてくる可能性もありますね!
3.フォロワー数の変化と投稿素材への施策における関連性
3-1.【第1フェーズ】クリエイターシリーズやキャンペーンを行いフォロワー増加!
Haruka:
インスタグラムを開設されたのは2014年と早い段階ですが、どういった経緯で始められましたか。
十鳥さん:
インスタグラムの企業利用がまだまだされていない中で、FacebookやTwitterからの移り変わりを察知し、そこで手探り状態でアカウントを開設しました。
まだ参考例も多くない中、またあまりインスタグラムに時間を割けない中でも、どうやったらフォロワーを増加することができるのか、いいね数などのエンゲージメント率を伸ばすことができるかを日々模索していました。
Haruka:
なるほど。今や2万人のフォロワーを超えており、ホテル業界の中ではトップクラスのインスタグラムフォロワー数だと思いますが、どのようにフォロワーが増えていきましたか。
十鳥さん:
そうですね。投稿の素材をどう集めていくかというところを考え、施策を立てる中で、フォロワー数も伸びていきました。アカウント開設当初は、ホテル内のアート作品やインテリア、また眺望などを中心に私たちが撮影したものを投稿していましたが、なかなかフォロワー数の増加には至らないという状況でした。
その後、私たちホテルのことをクリエイターの方々が気に入ってくださっていることが多いということもあり、普段お付き合いのあるカメラマンさん数名にお声がけをし、クリエイターシリーズとして投稿を集めました。
(参考;https://www.instagram.com/parkhyatttokyo/)
私たち側が撮影のために様々なセッティングするわけではなく、サービスを提供する中でそのカメラマンさん自身が良いと思うものを撮っていただき、素材として使用させていただきました。
このように投稿の質を上げていくことで徐々にフォロワーが伸び始め1,000フォロワーを超えていきました。
施策の1つとして、インスタグラムキャンペーンも行いました。ウエディングをテーマにインスタグラムにおけるハッシュタグを利用したフォトコンテストを開催し、投稿を呼びかけ、その中から選ばせていただいた方に宿泊サービスをプレゼントしました。この段階で、約5,000〜6,000フォロワーを達成しました。
3-2.【第2フェーズ】海外ブロガーの方々に投稿素材を協力していただきフォロワー増加!
Haruka:
では、2万人を超えるほどになったのは最近なのでしょうか。
十鳥さん:
はい。海外ブロガーの方々との出会いが、フォロワー数の増加に関しては大きなターニングポイントとなっています。
海外ブロガーとして世界中を回っている方たちに投稿素材を依頼するようになってから、フォロワー数の伸び幅が大きくなりました。投稿に関して全面的に海外ブロガーの方々にお願いしているわけではなく、どういった写真を撮って欲しいのか、また、どのような順番で撮って欲しいのか、月にどのくらいの数の写真をあげてほしいのかなどの要望を加えながら、一緒に日々の対応を行なっています。
私たちが持つブランドイメージと海外ブロガーの方々の考えるインスタ映えする写真とのギャップは少なからず生じる場面もあるので、スクリーニングをしっかりしています。海外ブロガーの方々は、ハッシュタグの付け方に関しても慣れていらっしゃるので、そういった部分でも助かっています。
Haruka:
どのくらいのスパンで海外ブロガーの方々には依頼をしていらっしゃいますか。
十鳥さん:
だいたい3ヶ月を基本としています。
3ヶ月を超える1年単位などでお願いをしてしまうと、投稿素材が似通ってしまう可能性もございますので、ある程度短めにすることが適切であると思います。
このようにして、フォロワーは模索しながらも伸ばすことができたものの、そこからまた新しくどのように成果に繋げていくかということに関しても日々悩んでいます。
アカウント1つを運用することにも時間と手間がかかりますし、難しい部分ですね。
4.自然と集まるユーザー投稿が強み!
Haruka:
ハッシュタグ#parkhyatttokyo をつけて投稿していただくようインスタグラムユーザーに拡散していらっしゃいますが、ユーザー投稿は実際どのくらい集まっていらっしゃいますか。
十鳥さん:
そうですね。自然にだんだんとハッシュタグのついた投稿も集まり、現在は2万件を超えるハッシュタグ投稿が集まっています。
その要因の1つとして、10年以上前に上映された海外映画、「Lost in Translation」の影響があると思います。この映画は私たちホテルが全面協力して撮影されたものなので、コンテンツツーリズムと同様にそのシーンの疑似体験を求めて訪れるお客様も多くいらっしゃいます。3つほど象徴的なシーンがありまして、そこで映画に出てきた俳優の真似をして写真撮影を楽しむお客様が多いです。
(参考;https://www.instagram.com/explore/tags/parkhyatttokyo/)
その結果、ハッシュタグ#parkhyatttokyo や映画のタイトル#lostintranslation をつけて投稿していただいた写真が自然と多様に集まっています。
SNSはあくまで企業主体ではなく、一般ユーザー主体のプラットフォームですので、ユーザーが発信したいと思う体験作りの1つの鍵になると思います。私たちはもともと、その体験となるきっかけを持っていたため、ユーザー投稿が収集できるポイントとなっていました。
5.まとめ
宿泊施設の中ではフォロワー数トップクラスを誇るパーク ハイアット 東京。フォロワー増加の施策として、クリエイターシリーズとしてカメラマンの方々に依頼をしたり、キャンペーンを実施したり、海外ブロガーの方々と協力し投稿素材を作ったりと、様々な工夫が見られました。
また、1つの強みとしてユーザー体験ができるバックグラウンドが整っていたことも成功の秘訣だと感じます。ユーザー体験を提供するコンテンツ作りもインスタグラム運用の上での成功における1つの鍵ではないでしょうか。