最近、旅先や宿泊先をインスタグラムなどのSNSで探すという人が増えてきました。旅行先として外国人にも人気な日本。これからホテルや旅館の需要はさらに高まっていくでしょう。ホテルや旅館などの宿泊施設が、今こそインスタグラムを活用するべき理由をナビゲートします。
目次
1.今、ホテルや旅館がインスタグラムを始めるべき理由
1-1.訪日客の増加で、旅館の需要が高まる!
JTBは、2017年に訪日外国人旅行者の数が、過去最高の2,700万人を突破すると予測する年間旅行動向見通しを発表しました。
国内旅行人数は2億9,800万人(前年比+0.4%)と微増しています。
観光客が増えるということは、それだけ宿泊施設を利用する人も増えるということ。
実際、外国人が日本でしていたいことランキングでは、6位に「旅館に宿泊する」がランクインしています。
【出典】http://airstair.jp/jtb-outlook-2017/
きれいな景色を見たり、おいしい食事を楽しんだりすることはもちろんですが、
日本の旅館の「おもてなし」を目的に来日する観光客が増えているのです。
ホテルや、旅館は、お客様に選んでいただく努力をしなければなりません。
1-2.インスタグラムで旅先を探すユーザーたち
インスタグラムの普及により、旅の目的地の写真が簡単に検索できるようになりました。
特に若いユーザーの特徴ですが、インスタグラムでたくさん「いいね」をもらうために、写真映えする「フォトジェニック」な旅をしたがります。旅の目的地は本よりもインスタグラムでサーチするケースが増えているのです。
(参考記事⇒イマドキ旅先はインスタで見つける!?女子大生の旅先の選び方)
ここで、ホテルや旅館が投稿した写真がユーザーの目に留まることによって、旅先の候補のひとつにされる可能性が高くなります。
1-3.文字よりもビジュアルで伝える
宿泊施設の部屋の特徴を伝えるときに、
「18畳でゆったりくつろげます」「窓からは夕焼けが見えます」「海辺のホテルです」
と文字で伝えるよりも、ひろびろとした和室の写真や、真っ赤な夕焼けの写真、海を眺めながらコーヒーを飲んでいる人の写真を見せるほうが、魅力が伝わりやすいと思いませんか?インスタグラムはユーザーの視覚に訴えることができるツールです。ホテルや旅館の魅力をたっぷりと伝えることができます。文字よりもビジュアルで伝えることによって、言語の壁を越え、外国人にもアピールできるのです。
2.写真を投稿するときに気を付けるポイント
実際にインスタグラムを活用している宿泊施設の例をいくつか紹介しながら、ポイントを説明します。
2-1.日本の四季をアピールする『季節感』
日本には、四季があります。これは海外の人にとっては珍しいことです。季節ごとにさまざまな植物や花が楽しめ、旬な食べ物があります。都会で生活していてはなかなか感じることのない、日本の美しい自然の四季は、人々の心をゆさぶります。インスタグラムで、四季折々の写真をアップすることで、「この旅館でゆっくりと季節を感じたい」と思わることができるのです。
2-2.色味に『統一感』をもたせる
これは、自然の中にあるホテルや旅館でなくても意識できること。写真の色味を統一することが重要です。
現在、東京、京都、に店舗を持つ「BOOK & BED TOKYO」は、泊まれる本屋さんとして話題になっている宿泊施設です。
どちらもの店舗も都会のビルの一つの階を利用してあり、周りに自然は全くというほどありません。しかし、こちらのインスタグラムアカウントは、「落ち着いた雰囲気」「いくらでも本を読める空間」をうまく伝えることができています。どの投稿も写真の色合いが薄暗く、統一感があります。自然の中にない宿泊施設でも、それをうまく活用することでフォロワー数が伸ばすことができています。
2-3.『コンセプト』に沿って投稿
星野リゾートリゾナーレ八ヶ岳は、「毎日仕事にプライベートに大忙しのよくばりオトナ女子」をターゲットにしたホテル。インスタグラムの投稿も、女子が大好きそうなきらびやかな写真が多いです。
インスタ利用者数の多い若い女性をターゲットにし、「指定されたハッシュタグをつけて写真を投稿すると宿泊券がもらえる」という宿泊キャンペーンも実施しており、インスタグラムをうまく活用しています。
2-4.その他の注目アカウント
「あしたホステル」
ひらがなを使った名前ですが、実はタイにあるホステルです。日本の「町屋」からインスピレーションを受けたオーナーが、自らの手で作ったホステル。和食、着物、日本らしい庭など、タイにいるのに、日本らしさを満喫できます。外国人観光客の好みを知る参考になるかも。
「神戸メリケンパークオリエンタルホテル」
神戸を象徴する、赤いポートタワーのすぐそばにあるホテル。波のような曲線が特徴的な形のホテルです。こちらのアカウントでは、内部よりも、『外から見たホテル』の写真がたくさん投稿されています。夕暮れ時、夜景、朝日が昇るとき、など、さまざまな方向から見るホテルはとても美しいです。料理などのサービスだけでなく、外観をユーザーにアピールするのも一つの手ですね。
3.宿泊客にインスタに投稿してもらうには?
3-1.共通のハッシュタグ#を活用
これは宿泊施設以外でも、多くの企業で行われていますが、共通のハッシュタグを使って、宿泊客に投稿してもらうという方法があります。共通のハッシュタグを使うことで、ホテル目線ではなくて、顧客目線の写真をみることができ、「口コミ」のような働きをします。ハッシュタグに英語を使うよう指定すると、外国人の目にも留まる可能性も高まります。
3-2.フォトスポットを用意する
インスタユーザーたちが写真を撮りたくなるような、フォトスポットを用意することが重要です。
“〇〇旅館”と書かれた大きな看板を設置したり、「ここから撮ると景色がきれいに撮れます」という案内を設置したり、ユーザーたちがいい写真が撮れるような手助けをしましょう。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか?訪日客が急増している今こそ、国内客にも宿泊施設の良さをアピールするチャンスになると思います。「民泊」「グランピング」などといった新たな宿泊の形態も出ている中、顧客をより取り込まなくてはなりません。
ただ、インスタ映えする写真よりも宿泊施設が大切にするべきなのは、なによりも「おもてなしの心」だと思います。宿泊客が気持ちよく泊まって、また来たいと思えるような施設を目指したいですね。