国内、海外問わず様々なところに拠点を置き旅の提案、手配を行っている人気の旅行会社、H.I.S.さんに運用する2つのアカウントについて伺いました!
目次
1.ご紹介
1-1.企業ご紹介
『もっと身近に、もっと自由に、世界の旅を変えていく』をテーマに格安航空券やパッケージ旅行など様々な旅を提案するH.I.S.さん。国内294店舗、海外66か国237拠点と世界をまたぎ、旅行者のサポートを行っています。
1-2.インスタグラムアカウントご紹介
今回はHISさんが運用するインスタグラムアカウントの中から、公式アカウントと、旅する女子のためのアカウントである「タビジョ」アカウントをご紹介します!
HIS公式インスタグラムアカウント:@his_japan
フォロワー数:31800人
開始時期:2012年4月24日
タビジョインスタグラムアカウント:@tabi_jyo
フォロワー数:28200人
開始時期:2016年3月18日
SNS運用担当の丹下さんと三瓶さんにお話を伺ってきました!
2.投稿手法について
2-1.アクティブなインスタグラムユーザーに反応する運用へ
Haruka:
インスタグラムの運用についてお聞かせください。
H.I.S.さん:
私たち2名がインスタグラム含めSNSの担当をしています。
フェイスブックの記事を中心にツイッターやGoogle+の方に転用するという形で、インスタグラムだけ、コミュニティ構築やコンテンツを集めるという目的で独自の運用をしています。
インスタグラムのアカウントは2012年から開設はしていたのですが、現在のようなユーザー投稿を反映させる形態で始めたのは1年ほど前ですね。
その経緯として、今回ご紹介する旅する女子のための「タビジョ」というアカウントを立ち上げたことがあります。
それまではインスタグラムでもフェイスブックと同じ運用をしていました。しかし、それでは新しいお客様とのコミュニケーションが増えないと思い、せっかくSNSアカウントごとにユーザーの色があるのだから、インスタグラムだからこそできることをしようと考えました。
その先駆けとして、最先端の女子旅の写真を集める「タビジョ」アカウントを発足し、ユーザーコンテンツを活用させて頂いた展開が好評だったため、その後H.I.S.の公式アカウントも、現在の運用法に変えたという流れです。
Haruka:
投稿頻度は決めていらっしゃいますか?
H.I.S.さん:
平日は1日1~2投稿、お昼の12時前後の間と帰宅時間である18時半ごろと決めています。
お昼はこの1時間以内に投稿しなければ極端に反応が下がるように思います。
2-2.タビジョレポーター導入がフォロワー増加に貢献!
Haruka:
フォロワーの推移はどのようなものですか?
H.I.S.さん:
「タビジョ」アカウントは昨年3月に始め、1年少しでフォロワーはまもなく3万人となります。
今年の3月に、フォロワー数ではなく、アカウントへの貢献度などを考慮し、5名を「タビジョ公式インスタグラマー」として選定させて頂き、そのメンバーを中心に「タビジョレポーター」として旅行レポートをして頂く施策を実施してから、急激にフォロワー増加が見られました。
ヨーロッパ、オーストラリアなど様々な拠点のレポーターを決め、その地の魅力を伝えていただいています。
H.I.S.の公式アカウントは「タビジョ」とは違い、インスタグラムアカウントを持つ方が増えてきたことと比例して増加しました。
3.投稿コンテンツについて
3-1.タビジョアカウント、ハッシュタグからみたコンテンツ収集
Haruka:
「タビジョ」アカウントではハッシュタグはどんなものをつけていらっしゃいますか?
H.I.S.さん:
「タビジョ」アカウントは、基本的にカタカナ#タビジョ のハッシュタグをつけるようにしています。
そこから派生して、例えば火曜日は#tabijyo_movieとして旅の動画を集めて毎週投稿したり、木曜日は#tabijyo_sweetsや#tabijyo_cafe、金曜日は週の終わりなので#tabijyo_sunset をつけて投稿していただけたりするよう促しています。
派生したハッシュタグはすぐに反応いただけるものではないので、継続的に写真を募集していき、そのハッシュタグをつけて投稿してくださったコンテンツがある程度集まったところで曜日に固定化するようにしています。
今、#tabijyo_cafeは約7000件くらい投稿がありますね。
このような派生ハッシュタグを設けている目的の1つは、先ほども述べたように「タビジョ公式インスタグラマー」や「タビジョレポーター」などを選定する際に、アカウントへの関与度を確認させていただくということがあります。#タビジョだけですと、アカウントを知らずつけている方もいますが、このような派生ハッシュタグをつけて投稿してくださる方というのは、タビジョアカウントに関与度が高いと思います。
もう1つの大きな理由は、派生ハッシュタグごとにテーマ別に絞り、カテゴライズしていくことで、ウェブ媒体に掲載する記事へのコンテンツとしていくということです。オウンドメディア「Like the World」(https://like-world.his-j.com/)の中に、「タビジョマガジン」というカテゴリーがあり、最先端の女子旅に関する記事を製作しています。
そうしてできた記事をフェイスブックやツイッターアカウントなど他SNSにも掲載をしています。
このようにコンテンツをいかに作るかという意味でインスタグラムは大きな役割を担っています。多くの旅メディアがありますので、いかに差別化を図り、オンリーワンのメディアとなるためには、他とは違ったコンテンツにおけるフローを確立させる必要があると考えたのです。
Haruka:
ウェブ媒体の材料としてもインスタグラムを活用しているというのは今まで取材をさせていただいた中でも初めてお聞きしました!
3-2.H.I.S.公式アカウントの○○のセカイ
Haruka:
コンテンツについてお伺いしたいのですが、H.I.S.の公式アカウントの方でもユーザーから投稿を集めているのでしょうか?
H.I.S.さん:
そうですね。「タビジョ」アカウントの運用の経験から、H.I.S.らしいインスタグラムを提案すべく、「○○のセカイ」として定期的にテーマを定め、ハッシュタグをつけて投稿していただき、そこからお写真を使わせていただいています。
「タビジョ」は女子旅らしい、自分たちと風景とを溶け込ませた写真が多いのですが、H.I.S.公式アカウントの方では、美しい景観のお写真が多いです。
インスタグラムが9枚でファーストビューを構成するので、9人の方を選ばせていただき、アカウントでご紹介すると同時に、「Like the World」で記事にさせていただいています。
お写真は、フォロワー数などに捉われず選ばせていただいています。「Like the World」の中でも、人気シリーズとなっています。
3-3.初見と自己投影が秘訣
Haruka:
いいねの伸びる投稿とはどういったものですか?
H.I.S.さん:
まだまだ計り知れないところはあるのですが、見たことのないスポットやアングルの写真の反応が良いと思います。
ですので、『ここで初めて見た!』と思ってもらえるコンテンツを探し出すことに注力しています。
また、「タビジョ」アカウントの方では、自己投影しやすいものが反応がいいですね。
女子旅のアカウントなので自分たちを全面に押し出した投稿をしてくださる方も多いのですが、それよりは、後ろ姿や手だけなど自分がそこにいることを想像できるもののウケがいいと思います。
4.独自の施策と展望
4-1.新しいコミュニティの発現
Haruka:
何かH.I.S.さんならではの独自の取り組みはございますか?
H.I.S.さん:
「タビジョ会」という派生コミュニティが成立してきているのが特徴だと思います。
各地の「タビジョ」が自発的に繋がり、「タビジョ会」というものを作っていて、インスタグラムで新たなアカウントを発足させているんです。リアルの場でコミュニケーションをとり、その様子をインスタグラム上で掲載しています。
私たちも発足してくださったアカウントの様子を「タビジョ会」アカウントでご紹介させていただいており、現在、神戸、石川、静岡、名古屋など各地で8か所の「タビジョ会」ができています。
先日は「沖縄タビジョ会」がオフ会を開催し、そこでは彼女たちの思う沖縄のフォトジェニックなカフェや景観などの情報共有を行っていました。
我々もその情報をキャッチして記事にしていっています。
今後も各地とコラボしていくことにより、色々と展開ができると、面白いのではないかと感じます。
4-2.現実へのフィードバックが目標
Haruka:
今後取り組んでみたいことはございますか?
H.I.S.さん:
今、「タビジョ」では「#タビジョ」のお写真や「タビジョレポーター」に発掘いただいたスポットなどを参考にし、インスタグラムで話題になったフォトジェニックスポットを巡るツアーを造成し販売しています。
こちらの精度を高め、新たな女子旅のカテゴリーを確立していきたいと思います。
また、タビジョのコンテンツを使った写真展や、ガイドブック、またH.I.S.の旅行カウンターにタビジョサロンのようなものを作れると、目的意識の強いタビジョたちがそこで繋がり合い、新たな旅のきっかけに寄り添えることになるのではないかと考えます。
5.まとめ
インスタグラムからコンテンツを作成し、それを記事にしたり、パッケージツアーにしたりとビジネス活用していらっしゃるH.I.S.さんの手法は、とても斬新でした。旅行という人気の分野だからこそ、他との差別化を図るためのコンテンツ確保への工夫は他業界においても参考にできるのではないでしょうか。