デジタル化が進む中、多くの出版社が紙媒体だけではなく、WebメディアやSNSの運用にも注力しています。現にインスタグラムには、雑誌の公式インスタグラムが多く存在していて、それらの運用方法も多種多様です。この記事では、インスタグラムを有効活用している4つの雑誌アカウントと各アカウントのインスタグラム活用術について紹介することで、インスタグラムの活用方法について悩んでいる企業の方や出版社のSNS担当者に役立つ情報をお届け致します。
目次
1.はじめに
この記事では、以下の3つの観点に基づいて、インスタグラムを有効活用している雑誌アカウントを4つ選出し、紹介します。
- フィードで雑誌の世界観が表現されている
- 2018年にリリースされた最新機能を活用している
- 読者とユーザーに対して有益な情報発信をしている
では、実際にそれぞれの雑誌のインスタグラムアカウント運用について紹介します。
2.FUDGE
最初にご紹介するのは、上品さの中にも遊び心があるファッション雑誌、FUDGEの公式インスタグラムアカウント(@fudge_magazine)です。
2-1.トラッドでカジュアルな世界観のフィード
まずは、雑誌の世界観についてご紹介致します。
FUDGEでは、トラッド(=トラディショナル・伝統的)でカジュアルなファッションスタイルを取り扱っていて、雑誌に登場するのは、10代の白人モデルのみです。
インスタグラムのフィード投稿も、洗練されていて、尚且つ遊び心があるファッションに身を包んだ白人モデルの写真で構築されていて、お洒落なムードが漂う雑誌の世界観をそのまま再現しています。
雑誌の世界観に合う写真を投稿することは、ファンを引き寄せるだけでなく、アカウントのブランディングにも繋がります。従って、雑誌の世界観を崩さない投稿をすることは、とても大事です。
逆に、雑誌のイメージに合わない投稿ばかりしてしまうと、ファンの期待を裏切ってしまい、フォロワーが離れてしまう可能性があります。
FUDGEの公式インスタグラムは、雑誌の世界観に合わせた投稿をしています。その点からアカウントのブランディングがしっかり行われていて、尚且つ読者やファンの需要に応えていることがわかります。
2-2.ストーリーズハイライトを有効活用
次に、最新機能活用方法についてご紹介致します。
FUDGEは、ストーリーズハイライトを活用しています。
ストーリーズハイライトにて、最新号発売やイベント、キャンペーンの告知、サブアカウントである FUDGE SNAP(@fudge_snap)とFUDGE BEAUTY(@fudge_beauty)などの宣伝を行っています。
これらのような情報をストーリーズハイライトにまとめることによって、雑誌の読者であるユーザーがいつでも情報を知ることができます。また、プロフィールにアクセスしたユーザーに、FUDGEのことを知ってもらうきっかけにもなり、読者やファンが増える可能性も高まります。
2-3.丁寧な商品情報説明
FUDGEの投稿写真はほとんど雑誌で使われているコーディネート写真で、尚且つコーディネートで使われた洋服の詳細を全てキャプションで丁寧に説明しています。
これは、FUDGEの読者であるユーザーにとって有益な情報を届けていると言えます。
3.ELLE Japan
次にご紹介させていだくのは、ファッション・ビューティー・カルチャーの最新情報を提供しているフランス発祥の国際派ファッション誌、ELLE Japanの公式インスタグラムアカウント(@ellejapan) です。
3-1.お洒落でラグジュアリーな世界観のフィード
ELLE Japanは、モードでラグジュアリー、インターナショナルな世界観を持つ雑誌です。
雑誌に登場するのは、海外セレブや世界的に有名なモデルなどで、誌面で扱うファッションアイテムやコスメティックも高級なものばかり。ターゲット層は国際的でラグジュアリーなライフスタイルを好む女性です。
インスタグラムでも雑誌と同様に、海外セレブのスナップ写真やファッションショーの様子、国内外の最新トレンドに関する投稿をしていて、ELLE Japanの「モードでラグジュアリー、インターナショナル」な世界観に憧れる読者の需要に応えていると言えます。
3-2.ビジュアルにこだわった最新機能活用
ELLE Japanは、ストーリーズハイライトやIGTVといった最新機能を活用しています。
ファッション、ビューティー、ライフスタイルの情報を分類してストーリーズハイライトにまとめているので、ユーザーにとっては探したい情報をすぐに見つけることができて、とても便利です。
ストーリーズでは、縦にスワイプすると、ELLE JapanのWebサイトにアクセスできる投稿もしています。
こうすることによって、ユーザーはストーリーズ投稿で気になったものを、すぐにWebサイトにアクセスして見つけることができます。また、新たなWebマガジンの読者を獲得する可能性が高まります。
再生時間が長いIGTVでは、インタビュー映像、タレントやモデルが質問に応える映像など、誌面では届けることができないようなコンテンツを配信しています。
このようにWebサイトとの連動や、動画の強みを活かしたコンテンツを配信していることから、ELLE Japanは紙媒体からWeb媒体にシフトチェンジしつつある現代の需要に見合ったアカウント運用をしているといえます。
3-3.国内外のトレンド情報を発信している
ELLE Japanはフィード投稿やその他の最新機能活用を通して、ファッション、ビューティー、ライフスタイルの最新情報を発信しています。取り扱う情報はどれも、最先端なものばかりなので、ユーザーはインスタグラムを通して世界の最新トレンドをいち早くキャッチすることができます。
また、フィード投稿では雑誌の内容に関連づけた情報を、ストーリーズではWebマガジンに関連づけた情報を投稿していることが多いです。こうすることによって、雑誌の購買やWebマガジンの購読に繋がる可能性が高まります。
4.Vogue Japan
次に紹介させていただくのは、ハイファッションの最先端を行く、アメリカ発祥の世界的な女性ファッション誌、Vogue Japanのインスタグラムアカウント(@voguejapan)です。
4-1.モードな雰囲気漂うフィード
Vogue Japanは、モードでハイファッションな世界観を持つ雑誌で、最先端のファッションを中心に世界中のビューティー、ライフスタイルなどの幅広い最新情報を発信しています。
インスタグラムでもモードファッションの写真やファッションを中心としたトレンド情報を発信し、Vogue Japanのモードな世界観が好きな読者の需要に応えていると言えます。
4-2.最新機能をフル活用
次に、Vogue Japanの最新機能活用方法についてご紹介致します。
Vogue Japanは、ストーリーズハイライトやIGTVを活用しています。ストーリーズハイライトにはファッション、美容、カルチャー、注目スポット、占いなどを分類してまとめていて、IGTVでは雑誌で扱う商品やイベントなどのプロモーション映像や、インタビュー映像を配信しています。
ストーリーズハイライトにまとめられている投稿は、縦にスワイプするとVOGUEのWebサイトにアクセスできるようになっているものが多く、新たな読者獲得に繋がるような最新機能活用をしていると言えます。また、ハイライトのカバーを全て赤に統一することで、デザイン性を高めて世界観を演出しています。
更に、ハイライトにまとめられている投稿やIGTVの映像が全てスタイリッシュなことから、VOGUE Japanのモードな世界観に徹底したブランディングをしているとも言えます。
4-3.最先端のトレンド情報を発信している
Vogue Japanは、フィード投稿はもちろんのことですが、最新機能も活用して、ファッション、ビューティー、ライフスタイルに関する情報を投稿しています。
特にファッションに関する投稿、誌面に関する投稿では、洋服のブランド名、撮影に携わったカメラマン、スタイリスト、メイクアップアーティスト、モデルの詳細もキャプションで説明していて、ファッションへの関心度が高いVogue Japanの読者に有益な情報を届けていると言えます。
5.Hanako
最後にご紹介するのは、国内外の最新グルメ情報を発信している女性向けライフスタイル誌、Hanakoの公式インスタグラム(@hanako_magazine)です。
5-1.グルメに特化したフィード
Hanakoは、国内外のあらゆるグルメや、旅行などといったライフスタイルのトレンド情報を発信していて、シンプル且つ女性向け雑誌ならではの小洒落た世界観が魅力的です。
インスタグラムでも、綺麗に撮れた食べ物や観光地の写真だけを投稿し、雑誌が持つ世界観を徹底的に再現しています。
5-2.ユーザーを巻き込んだ最新機能活用
Hanakoは、ストーリーズとストーリーズハイライトの活用に注力しています。
ストーリーズでは、Hanako編集部が読者からの質問に応えていて、それらを特集のような形でストーリーズハイライトにまとめています。
その他にも、観光地やグルメ情報をストーリーズハイライトで特集しています。投稿のビジュアルも、Hanakoの世界観に合ったシンプルで可愛らしいものばかりなので、見ているだけでも楽しむことができます。
このように、Hanakoは最新機能をユーザーとのコミュニケーションのために活用したり、ユーザーが喜びそうな特集を組むなど、ユーザーに寄り添った活用をしていると言えます。
5-3.国内外のグルメ情報を日々発信している
Hanakoは、フィード投稿でお洒落なグルメや観光地の写真だけでなく、それらの詳細情報なども丁寧にわかりやすくキャプションで説明していて、グルメ、観光地、ライフスタイルに関係ない投稿は一切していません。また、ハッシュタグも投稿内容に関連するものを使用しています。1投稿につき30個(限度数)のハッシュタグを付けています。
雑誌がメインで取り扱っているジャンルだけに絞って投稿することによって、読者の需要に応えることが出来ます。また、ハッシュタグを有効活用することは、より多くのユーザーに投稿を見てもらうきっかけとなり、新たなファンを獲得することにも繋がります。
6.おわりに
いかがでしたか?
4つの雑誌のアカウント運用から、「世界観のブランディング」と「ユーザー目線のコンテンツ作り」が大切だということがわかります。
インスタグラムの運用に悩む出版社のSNS担当の方々は、本記事で紹介した4つの雑誌アカウントを参考にしてみてはいかがでしょうか。