最近、国内の大学のインスタグラム運用が盛んに行われるようになってきました。
なぜTwitterはしないのにInstagramを使うのか?
その違いを軸に、SNS運用の背景を探ります。
目次
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1.大学のインスタグラム運用事例
ではさっそく、現在インスタグラムのアカウント運用をしている大学の例を見て行きましょう。
1-1.津田塾大学
最初にあげる事例は、津田塾大学です。
インスタグラムアカウント:insta_tsudacollege
「津田塾大学の小平キャンパスの四季」を中心に発信している現アカウントは、初投稿は2015年の2月。
はじめはいいねが40件ほどでしたが、最近の投稿では400件を超えるいいねがつくこともあります。
中でも反響が大きいのは、ハーツホンホールと呼ばれるクラシカルな建築物のライトアップした写真。
映画ハリーポッターに出てくるホグワーツを彷彿とさせる風貌ですね。
1-2.立教大学
次にあげるのは、立教大学です。
インスタグラムアカウント:@rikkyouniv
初投稿は、2014年7月。
わずかいいねが24件ほどでしたが、最近では400件近いいいねを獲得するほどにまで発展しました。
このアカウントで何度も取り上げられているのが、立教大学のシンボル、モリス館です。
美しくてクラシカルなこの建物、受験生なら知らない人はいないのでは。
さらに立教大学は、あのEXILEミュージックビデオのロケ地になっていたってご存知でしたか?
参考:EXILE / 道
これらのことから、立教大学はクラシカルでオシャレなイメージが強いです。
イメージ作りは大切ですね。
2.大学がインスタグラムを運用する3つの理由
アカウント運用の秘訣は、ただアカウントを作って写真を投稿するのではなく、アカウント運用の目的をはっきりさせること。
では、大学のアカウント運用の目的とはなんなのかを探って行きましょう。
2-1.大学のブランディングのため
まず第一にあげられるのは、ブランディングです。大学のイメージというのは非常に大切です。
東京六大学野球のポスターは毎回、大学の特色を反映したユニークなポスターが話題です。
こちらは慶應のポスターです。
おぼっちゃまなイメージがある慶應ですが、一方の早稲田は体育会系のイメージが強いです。そんな両者のやりとりもユニークでおもしろいんです。
そのポスターがこちら。
「ハンカチ以来パッとしないわね、早稲田さん」
ハンカチ王子以来、あまり話題がないねと早稲田をの罵っているのに対し、
「ビリギャルって言葉がお似合いよ、慶應さん」
ビリギャルという言葉が似合っているねと反論しています。
また、優勝をいまだ経験したことない東京大学野球部に関してはこんなポスターも。
東京六大学野球のインスタグラムアカウントでは、ユニークな宣伝ポスターをたくさん公開しています。
東京六大学野球連盟公式アカウント:@tokyo.big6_official
このような宣伝からも、大学のイメージが変わってきますね。
志望校を決める上でも大学のイメージが大きく関わってくるので、ブランディングはとても重要です。
2-2.受験者数増加を図るため
良いイメージや、人気上昇中という情報があると、志望校に選んでもらえる可能性が高まります。
2017年の大学志願者数のトップは近畿大学。
参考:http://president.jp/articles/-/13845
いろいろな要因があげられますが、近畿大学水産研究所が1970年から研究を開始し、2002年6月にマグロの完全養殖に成功したことが大きいと考えられます。
そしてこのマグロの研究に関して、現在に至るまで、絶えず外部に発信し続けたことが、功を奏したとも言えます。
また、近畿大学では、楽しそうなキャンパスライフを定期的に発信しています。
近畿大インスタグラムアカウント:@kinkidaigakupr
大学の現状を外部に絶えず発信することで、高校生への興味関心を引き立てる効果があると思います。
結果として、志願者数の増加に繋がるのです。
2-3.在校生たちへ情報発信するため
在校生たちへの情報発信ツールとしてもSNSは機能します。
情報コンテンツはさまざまですが、ここでは大学生らしいものを例にあげます。
インスタグラムではなくTwitterでの宣伝例ですが、慶應大学の生協では、ポッキーの日11月11日を盛大にお祝いしています。
慶應義塾大学生協日吉店ツイッターアカウント:@keiocoop_hb
他にもテスト期間には、単位パン(食べると単位が取れると言われている)を宣伝、販売していますね。
慶應義塾大学生協藤沢店ツイッターアカウント:@keiocoop_sfc
慶應義塾大学のインスタグラムは、比較的海外向けに情報発信をしています。
慶應義塾大学インスタグラムアカウント:@keio_university
これは、定期試験の最終日をまもなくむかえる慶應義塾大学の日吉キャンパスの様子です。
このように何かの節目となるタイミングでの投稿も注目を集められそうです。
3.なぜツイッターではなくインスタグラムなのか
さて、ここまで大学のSNS運用の背景について見てきました。次はなぜ、そのツールにインスタグラムが選ばれるのか、その真相に迫ります。
3-1.ターゲットがインスタユーザー層
まず1番にあげられるのは、大学が情報発信したいターゲットである高校生〜大学生と、インスタグラムのユーザー層がマッチしているからです。
インスタグラムのユーザーは10~30代が中心。やはり、このあたりの年齢層をターゲットにしている事業に関しては、インスタグラムを宣伝ツールとして活用すると絶大な効果を得られると思います。
現在、高校生のインスタグラム利用率というのが他のSNSツールに比べてかなりの勢いでのびています。
参考:https://eczine.jp/news/detail/4690
このようなことからも、インスタグラムを使った大学情報の発信は、10代のユーザー、高校生への効率的なリーチが可能だと思います。
3-2.マイナス要素のないSNS
次にあげられるのは、インスタグラムというSNSには、マイナス要素がないからです。
【Twitterの場合】
文章メインで、それを補足する形の写真です。
投稿の内容はプラスのものもありますが、マイナスなものも少なくなくありません。
公に文章のやりとりがしやすく、リツイート等の拡散力のあるツールのため、”意見を言う場”としても機能しているTwitter。
近年は、Twitterで拡散されたニュースが報道されることも日常的に目にするようになりましたね。
このような意見のやり取りは
- 良い面も悪い面も即時に広まってしまう
- 信憑性に欠ける情報も混在してる可能性
- 時には炎上してしまうこともある
という側面をもっています。
良くも悪くも、拡散力があるTwitterの使い方にはリスクがあるので注意が必要です。
【instagramの場合】
写真メインで、それを補足する形の文章
文章はメインではなく、あくまでメインなのは写真です。
このツールの特徴としては
- 写真がメインなので印象に残りやすい
- 文字数制限2200字、ハッシュタグ制限30と多いので伝えたいことを述べやすい
- 過激なコンテンツを扱うツールではないので炎上はほぼしない
という側面があります。
信憑性も高く、比較的肯定的なコンテンツを扱うツールであるため、大勢に対して情報発信をする大学の宣伝にも適したツールといえます。
3-3.即効性より印象重視
インスタグラムがツイッターに劣る側面としては、拡散力および即効性に欠けるということです。
リツイート機能がないため、ツイッターに比べると拡散力には欠けています。
しかし自分が必要だと思う情報をハッシュタグで検索することができるので、自分が必要としている情報を収集するという意味では、ツイッターよりインスタグラムのほうが可能です。
また、ツイッターのようにリアルタイムでリアクションがあるSNSという印象はありません。即効性を要するというよりは、ブランディングが重要な大学のアカウント運用については、インスタグラムで十分です。
4. 反響の多いコンテンツ
ここまでインスタグラムのメリットについて、説明してきました。
では、ここからは、大学のアカウント運用においてどんな投稿がユーザーの注目を集めるのか、分析してみました。
4-1.大学らしさをアピール
まず大切なのは、その大学らしさをアピールすることです。
近畿大学のインスタグラムの投稿を見てみましょう。
近畿大学インスタグラムアカウント:@kinkidaigakupr
近畿大学内にある24時間自習室に関する投稿です。
明かりがとても映えていて、きれいですよね。
さらに #近大は眠らない というハッシュタグにも心を惹かれます。
4-2.学生たちの活躍を発信
次に大切なのは、学校外での学生の活躍をインスタグラムを使って発信することです。
立教大学のアカウントを見てみましょう。
立教大学インスタグラムアカウント:@rikkyouniv
今年の東京六大学野球春季リーグ戦で優勝を果たした、立教大学野球部の写真です。
18年ぶりの優勝で注目されていたこともあって、かなりの反響がありました。
このような投稿がきっかけで、立教大学の関係者だけでなく、野球ファンも取り込むことができるのです。
5. まとめ
今回、ツイッターと比較しながら、大学のSNS運用術にについて解説しました。
大学はブランディングが非常に大切なので、そのSNS運用も見直してみてはいかがでしょうか。