インスタグラムには、ファッションを扱う企業にとってさまざまな便利機能が備わっています。
たとえば2018年6月にリリースされた「Shop now(ショッピング機能)」は、インスタグラム上の投稿から商品情報を確認し、そのままオンラインストアに移動してショッピングすることができます。
2018年8月には、ストーリーズにもショッピング機能が導入されました。ストーリーズのショッピング機能では、投稿に表示されるショッピングバッグのマークをタップすると商品の詳細情報が表示され、そのままWebサイトにアクセスすることが出来ます。フィード投稿よりも気軽に流し見することが出来るストーリーズにおいても、ショッピング機能を活用することによって、購買に繋げられる可能性が高まります。
多くのアパレル企業が、ショッピング機能をフィード投稿で活用していますが、ストーリーズでも活用している企業のアカウントは、まだそれほど多くないようです。
この記事では、他のファッションEC企業に先駆けてストーリーズでもショッピング機能を活用していて、尚且つ2018年にリリースされた様々な最新機能を有効活用しているファッションECサイトを3つ紹介し、その活用術を紹介します。
目次
1.はじめに
この記事で紹介する3つのファッションECサイトには、
- ストーリーズでもショッピング機能を活用している
- 工夫しながら最新機能を活用している
- ユーザー目線のアカウント運用をしている
という3つの共通点があります。
では、具体的にどのような活用術なのかご紹介させていただきます。
2.Re:EDIT
まず、最初にご紹介させていただくのは、大人の女性のハイセンスなリアルクローズをコンセプトにしているファッション通販サイト、Re:EDITのインスタグラムアカウントです。
Re:EDITは、フィード投稿だけでなくストーリーズでもショッピング機能を活用しています。
フィードからのアプローチだけでなく、フォロワーが気軽に流し見することができるストーリーズからもアプローチすることによって、より多くの商品情報をユーザーに届けることができます。
また、ブランドのイメージモデルがRe:EDITの洋服を使って、インスタライブでコーディネート紹介を行なっています。
モデル自身がブランドに関する情報を発信することによって、そのモデルのフォロワーがブランドのことを知るきっかけとなり、新たなファンを獲得できる可能性が高まります。
このように、インスタグラムを上手に活用しているモデルを起用することで、ブランドがより多くのユーザーに知られるきっかけを作ることができます。
更に、ストーリーズハイライトでは商品情報などを発信するだけでなく、オンラインストアの使用方法も投稿しています。
これは、初めてRe:EDITで買い物をするユーザーにとって、とても有り難いですね。
こういった細かな気遣いをすることによって、Re:EDITのオンラインストアにアクセスしたユーザーも買い物を楽しむことができます。
Re:EDITはユーザーの目線で考えているだけでなく、購買に繋がる可能性が高まるアカウント運用をしていると言えます。
3.fifth
次にご紹介させていただくのは、ファストファッション通販サイトのfifthです。
フェミニン且つシンプルで、日常に取り入れやすいアイテムを多く取り扱っており、実店舗はありませんが、会員数は100万人を突破しているなど、人気のファッション通販サイトです。
そんなfifthは、インスタグラム上でのプロモーション活動に注力しており、ストーリーズハイライトやShop nowといった最新機能を活用しています。
その他にも、IGTVでモデルを起用し、自社商品を使ったコーディネート紹介を行なっています。
fifthは、ストーリーズやハイライトでは新商品の情報やセールのお知らせといった実用的な情報を配信し、再生時間が長いIGTVではモデルとのコラボといった見て楽しむことができる投稿をしています。
目的別に機能を使い分けることによって、ユーザーに届けたい情報を届けることができます。
また、インスタグラム上でfifthの服を着用したユーザーの投稿をfifthの公式サイトに掲載しています。この投稿写真をクリックすると、商品情報の詳細が表示されるという、ショッピング機能の活用術を公式サイトでも実践しています。
こういった工夫は、fifthで服を購入したいと考えているユーザーにとって参考になるだけでなく、「fifthの洋服を着た写真をタグ付けで投稿すれば、自分の投稿が公式サイト上にアップしてもらえるから、投稿しよう!」とユーザーにワクワク感を届けることができます。
この点から、fifthはユーザーを巻き込んだアカウント運用に成功しているのではないかと考えられます。
4.RUNWAY channel
最後にご紹介させていただくのは、ハイセンスな国内アパレルブランドを多く取り扱っているファッション通販サイト、RUNWAY channelのインスタグラムアカウントです。
RUNWAY channelも上記2つのアカウントと同じく、ストーリーズでもショッピング機能を活用しています。それだけでなく、ストーリーズハイライトの使い方も工夫しています。
RUNWAY channelでは数々の国内女性向けアパレルブランドを取り扱っており、ブランドごとにストーリーズハイライトを分類しています。
ブランドごとにハイライトを分けることで、知りたいブランドの情報をすぐに見つけることができます。これは、ユーザーにとって便利な工夫です。
この点から、RUNWAY channelはユーザー目線でストーリーズハイライトを活用できているのではないかと考えられます。
また、ストーリーズハイライトに採用情報や他のSNSのアカウントも投稿しており、オフィシャルサイトと同等の有益な情報をインスタグラムアカウントから発信しています。
5.おわりに
この記事でご紹介させていただいた、3つのアカウントの活用術には、「ターゲットに合わせたユーザー目線」が原点にあるのではないでしょうか。
IGTVとストーリーズの投稿内容を目的別に変えることも、ストーリーズハイライトをカテゴリー別に分類することも、ユーザーが本当に得たい情報や見たいものについて考えた上での工夫であることが考えられます。
顔が見えないオンライン上のビジネスだからこそ、より深くユーザーが求めるものを考えることが大切になるのではないでしょうか。