近年、インスタグラム上で様々な現代アート展、美術館が話題になっているのをご存知ですか?今回はそんな現代アートとインスタグラムの関係についてまとめました。
目次
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1.SNSで流行った現代アート事例
SNSが人の生活に欠かせないものとなった現代、「インスタ映えする」とSNS上で話題になることは、観光客数や美術館の来館者数に大きな影響を与えます。
まずは、実際にインスタグラム上で大人気となった現代アートの事例をご紹介します。
1-1.金沢21世紀美術館
こちらのプールや、ベンチの写真がインスタ映えすると、近年一躍有名になった金沢の21世紀美術館。
#21世紀美術館 のタグがつけられた投稿は21万件を超えています。(2019年5月現在)
こちらの美術館の来館者数は2014年度までは130~170万人ほどだったのですが、インスタグラムが流行し始めた2015年度に約230万人となり、その後も増加しています。 また、金沢市による調査によると、前年まで500万人台だった金沢市の19の主な観光施設の利用者数が2015年以降急激に増加し、900万人を超えています。
1-2.直島
こちらはドット柄が特徴的な草間彌生さんの作品「南瓜」が展示されていることで一躍有名になった香川県直島。
#直島 22.6万件(2019年5月現在)
直島は特に海外からの観光客が多く、#naoshimaのハッシュタグも16.5件投稿(2019年5月現在)となっています。
1-3.Museum of Ice Cream
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こちらはNYで大人気だった、アイスクリームをテーマにした美術展です。
非日常のフォトジェニックな空間が可愛いと大ヒット。セレブが訪れ、SNSにアップしていたことも話題になりました。
2.現代アートに関する調査結果
実際にどのくらいSNSと現代アートが関わり合っているのか、大学生25人にアンケートを行いました。
まずは、この2年以内にSNS上で流行った現代アート展や現代美術館を挙げ、知っているものを聞きました。ここで選択肢に挙げたのは、チームラボ、直島、金沢21世紀美術館、レアンドロ・エルリッヒ展、サンシャワー展、アートアクアリウム、FLOWERS BY NAKEDの7つです。
結果は以下の通りです。2018年の夏、大いに盛り上がったチームラボは全員が知っており、次いで金沢21世紀美術館、アートアクアリウムが上位に入りました。
実際に#チームラボのハッシュタグが付いた投稿は45.1万件(2019年5月現在)、#アートアクアリウム も26万(2019年5月現在)を超えています。
次に、知っているものがあると回答した人に、何経由でそれを知ったか聞きました。
結果、SNS経由で知ったという回答が群を抜いて多く、次いで人からの口コミがランクインしました。
TV・インターネット経由で知ったという回答が少ないことからも、大学生の主な情報収集ツールがSNSになっていることが読み取れます。
また1つ目の質問であげた7つの美術館・展示について、何か所に行ったことがあるかを尋ねてみました。
半数以上がいずれかの場所に行ったことがあると回答し、中には3つ、5つと回答した人もいました。多くの人がSNS経由で情報を得ているだけでなく、実際にその場所を訪れていることが分かります。
行ったことがあると回答した人にその理由を聞いてみると、結果は以下のようになりました。
回答はばらけましたが、写真を撮ることを目的に訪れる人も多くいることがわかります。また、アートを楽しむことに写真を撮ることも含まれているという意見もありました。
現代アートが流行っている理由について聞いてみると、以下のような回答が集まりました。
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- 現代アートはいつの時代も不可解なものなのではないか。よくわからないからこそ、興味をひくのでは。
- SNSに載せることで承認欲求を満たすため
- 芸術にメディア映えする技術が加わったから
- フォトジェニックという概念が普及したから
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ここでも、現代アートと写真、SNSが深く関わっているということが見られました。理解することができないからこそ面白い、発信したいという考え方も現代アートならではです。
3.まとめ
現代アートがSNS、主にインスタグラムと相性が良いことは間違いないでしょう。今回のアンケート結果でわかるように、大学生はSNS経由で現代アートに関する情報を得て、実際に多くの人がそこを訪れ、写真を撮ったりそれを発信したりしてアートを楽しんでいます。つまり、インスタグラムを活用して美術館などの集客をするには、若者が写真を撮ってシェアしたくなるような空間を作ることが必要です。
今後はアートな空間を作るだけではなく、アートで地方創生を目指したり、商品のPRに活用したりということもできるのではないでしょうか。