【インスタミーティングVol.2】インスタUGC活用最前線

インスタレポート

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2017年6月6日に第2回インスタミーティングが開催されました。今回のテーマはUGC活用。UGCを実際に活用されている企業の担当者をお呼びし、ユーザー参加型のセッションを開催しました。

目次

1.登壇者のご紹介

UGCを活用している3名のゲスト登壇者をご紹介します。

GMOペパボ株式会社 杉山寛さん

『minne』のプロモーション施策やウェブ広告を担当されています。minneの語源は博多弁の「作ってみんね」「やってみんね」というところから来ているそうです!
minnne:https://minne.com/
Instagramアカウント:https://www.instagram.com/minne_official/

Tunnel株式会社 水上淳史さん

住まいと暮らしのSNS『RoomClip』のInstagram公式アカウントを運用されています。個人でもInstagramやRoomClipのアカウントをもち、フォロワー1万人以上、年間20冊以上のインテリア雑誌に部屋のインテリアを紹介されるなど、インテリア系インフルエンサーとしても活動されています。
RoomClip:http://roomclip.jp/
Instagramアカウント:https://www.instagram.com/roomclipjp/

vivit株式会社 杉山大悟さん

アウトドア情報webメディア『hinata』にて、企画、分析、SNS運用、商品のバイイングまでと幅広い業務を担当。hinataのファン化を推進していくべく、instagramの運用やオリジナルコンテンツの創出に従事されています。
hinata:https://hinata.me/
Instagramアカウント:https://www.instagram.com/hinata_outdoor/

2.第一部Instagram活用におけるUGCについて

第一部では、ゲストのお三方にInstagramにおけるUGCについて、3つの質問に答えていただきました。

2-1.なぜUGCなのか?

hinata 杉山大悟さん
「hinata」はキャンプを想起させるサービスで、メディアへの流入は自然検索がほとんどです。キャンパーの間でInstagramが流行りだしたタイミングで、私たちも活用に取り組みました。「#hinataoutdoor」のハッシュタグをつけて投稿した方を公式アカウントでリポストすることで、キャンパーのモチベーションアップにつなげています。また指定のハッシュタグ(自社ブランド名)で素材を募集するので、インスタグラム上に自社のブランドタグでの投稿が促進され認知の拡散にも繋がります。

minnne 杉山寛さん
「minne」は作家さんの作品がないと成り立たないサービスです。その作品を公式アカウントで紹介することで、自然とUGC活用になりました。時々自作のコンテンツを投稿しますが、作品の紹介に比べるとエンゲージメントで劣る傾向があります。自前のコンテンツは適宜間に挟むことで、アクセントとして使っています。

RoomClip 水上淳史さん
RoomClipもユーザー投稿によって成り立つサービスです。Instagarmの話に寄せると、インスタのUGCはある程度投稿に対していいねがどれくらい付いているかを見ることで、自社アカウントで活用した際にどの素材を使えば良いのかというのが想定しやすいです。自社で「どのような素材が良いか」を1から考えるよりも、ユーザー投稿を活かすことで、公式アカウントの運用が容易にできます。自前できれいな写真を撮って投稿したこともありましたが、いいね数・フォロワー数ともに反響は大きくありませんでした。

ユーザー投稿によってサービスが成り立つという側面もあったものの、以下のようなポイントが見えました。

  • 権威ある媒体で取り上げてもらうことで、ユーザーとのモチベーションになる
  • 自社ハッシュタグの認知を広げられる
  • ユーザーがインスタグラムに既に投稿し、エンゲージメントの結果が出ている素材を使うので、反応が想定しやすい
  • 投稿画像作成の工数を削減できる

2-2.UGCをどう使うか?

hinata 杉山大悟さん
主に自社メディアの記事でInstagramに投稿された写真を扱っています。厳選した写真をさらに加工してあるものが多く、クオリティが非常に高いです。

minnne 杉山寛さん
広告に活用しています。Instagram上の反応率が良いものを使っていたりします。リアルな商品画像を使用することで、イメージが伝わりやすく、効果も高くなっています。

RoomClip 水上淳史さん
公式アカウントの投稿や、アプリインストール広告のクリエイティブに活用しています。Instagramに使わずに、カタログ等の紙媒体やECサイトで使用するケースもあります。

モデレーター
UGCを利用する際は許可を得ていますか?

hinata 杉山大悟さん
公式アカウントでDMを送り、投稿者に承諾を得ています。

minnne 杉山寛さん
規約、プライバシーポリシーで記載しています。紹介する作家さんには前もって紹介する旨を伝えています。公式アカウントで紹介した際に、注文数が急増するケースもあるので、準備をしてもらってます。

RoomClip 水上淳史さん
規約を公式サイトに記載しています。多くの方が公式アカウントをフォローしているので、連絡せず利用していますが喜んでいただいています。

2-3.UGCをどう集めるか?

hinata 杉山大悟さん
「#hinataoutdoor」のハッシュタグをつけてもらい、集めています。はじめはインフルエンサーにお願いしていましたが、そこからは口コミで広がっています。「hinataにとりあげられた」という風にユーザーさんが喜んでくれるので、その周りにもハッシュタグをつける文化が広がっているのを感じます。広告は使っていません。

minnne 杉山寛さん
私たちは「ハッシュタグキャンペーン」を開催して集めています。季節ごとのイベントに絡めて実施したりします。キャンペーンの告知はアプリやメール、SNSなどあらゆる自社媒体で告知しています。インスタ、Twitterのソーシャルからの集客が多い気がしますね。

RoomClip 水上淳史さん
そもそも弊社がCGMのサービスですので、自社媒体で集めています。部屋の写真を投稿するのはハードルが高いと思うのですが、すでに投稿したことのあるインスタグラマー・インフルエンサーさんたちには、気軽にあげていただけています。

モデレーター
みなさんすでにブランドが確立されており、ファンが集っている状態なので自社媒体での告知で集められているという状況のようです。
では、ファンがあまり多くない場合にはどのような告知が有効でしょうか?

minnne 杉山寛さん
流行しているハッシュタグに乗っかるというのも一つの手でしょうか。弊社では猫好きの人をターゲットにした猫と絡めたインスタキャンペーンを実施したりもしたのですが、minnneに興味がない人が「猫」という導線をきっかけに最終的に「minne」を知ってもらえれば良いなと思い、そのようなキャンペーンはよく実施しています。関連性の高いところで多くの人に見てもらえる可能性があるので、ハッシュタグのリサーチは重要です。

hinata 杉山大悟さん
アウトドア領域ですと、グランピングやDIY、おしゃピクといったライトなところでハッシュタグキャンペーンを開催してみますね。投稿ハードルを下げるのと、流行りそうなキャッチーなハッシュタグを用意して企画します。

モデレーター
投稿されたユーザーコンテンツが多数ある中で、どのように「いい投稿」を見つけていますか?ツールなど使っていますか?

hinata 杉山大悟さん
ツールは使わずに力技ですね(笑)ハッシュタグ検索をして、見た目のいいものをピックアップし、そこからさらにいいね数などエンゲージメントに注目して選びます。

RoomClip 水上淳史さん
同様に、100枚程度まではいいね数・エンゲージメントで絞り込み、そこからは目視で選出しています。

3.第二部ネットじゃ載ってないから聞きたい!インスタマーケティングのアレコレ

第二部では、ゲストのお三方に運営側も加わり、参加者から事前に頂いている質問をベースにパネルトークを行いました。

3-1.インスタ活用のゴールとは?


minnne 杉山寛さん
公式アカウントおよび作家さんの認知拡大を目標にしています。作家さんの認知が上がれば、自然とminnneの認知もあがります。定量的な指標で言うと、リポストで作家さんの投稿を紹介した後に、その作家さんの売上やフォロワーがどれくらい増えたかに注目しています。

RoomClip 水上淳史さん
新規ユーザー獲得が目標です。「部屋の実例写真といえば!」という認知を拡大し、その領域でのフォロワー数日本一を目指しています。デイリーKPIとして、フォロワー増加数・プロフィールのリンククリック数をチェックしています。両者はほぼ比例する傾向があり、インテリア市場が盛り上がる時期の影響を受けて数が変動するのも見受けられます。

hinata 杉山大悟さん
ヒナタでは「ファン化」を目指しているのでフォロワー数を強く意識していません。それよりもいいね率を指標としていて、ファンが喜ぶ写真ライブラリーを目標としています。エンゲージメント率をあげるための工夫としては、キャプションに力を入れています。絵文字を使ってポップにしたり、投稿に合わせて硬めの文章を用いたり。ハッシュタグもメジャーなものだけでなく、埋もれてないようにニッチなところも狙ってつけています。

PASTURE カイユリコさん
クライアントの目標もブランディング、コミュニケーション、購買促進の3パターンですね。それぞれで異なるKPIを設定しますが、ダイレクトに計測するのが難しいものもあります。

3-2.販促プロモーションに繋げる方法、インスタキャンペーンの拡散方法

hinata 杉山大悟さん
販促は行っていないのですが、キャンペーンの拡散はオフラインで行っています。アウトドアイベントに出典した際に、告知をしています。

minnne 杉山寛さん
キャンペーンの拡散がそのまま販促につながった事例があります。「#うちの子作ってにゃん」というキャンペーンを実施したのですが、ハンドメイドに関心の高くない層にも認知を広げることができました。猫好きの方にとって魅力的な景品だったので、企画自体が拡散され、今までminnneを知らなかった方にも認知を広げられました。
参考:過去開催好評の『うちの子作ってにゃん』とは?

RoomClip 水上淳史さん
キャンペーンは特に行っていませんが、ユーザー投稿を促進させる仕組みはできつつあります。ユーザー投稿を元に記事コンテンツを作成し、アプリ内で投稿者にその旨を通知しています。すると、そのスクリーンショットをインスタグラムに投稿するユーザーが多く、記事に取り上げられるというモチベーションが周りのユーザーにも広がり、投稿を促進する流れができています。

テテマーチ 松重秀平さん
キャンペーンの相談を多く受けるのですが、設計が重要だと感じています。参加人数を増やしたい場合は参加ハードルを下げて、どこでも・誰でも参加できるものにするといいですね。既存ファンで良質のコンテンツを集めたい場合は、リアルの場や自社媒体で告知をしたり。インスタグラムで告知する際にフィードが崩れることを懸念される場合は、ストーリーを使うのも一つの手ですね。

PASTURE カイユリコさん
キャンペーンを始める際にインフルエンサーを使うのも有効です。告知ができる、モデル投稿になるという2つの効果が見込めます。キャンペーン開始時は、どんな投稿をあげればいいか分からないというハードルがあるので、初日にインスタグラマーに数パターンあげてもらうと加速しやすいです。

ONPAJAPAN 濱野和城さん
キャンペーンを販促につなげるために、マストバイにするのはいかがでしょうか?インフルエンサーにはサンプルとして配布してしまい、基本的には購入者をターゲットにするキャンペーンです。

テテマーチ 松重秀平さん
購入者を対象にキャンペーンを行うと、商品に対してポジティブな方が多く投稿してくれるので、コンテンツのクオリティが高くなりますね。投稿がリアルな繋がりのある方とのコミュニケーションのきっかけにもなるので、投稿数よりもエンゲージメントに着目するといいですね。

3-3.新機能の使い方

新しい機能が続々登場していますが、どのように運用に生かされているでしょうか?

minnne 杉山寛さん
LIVE配信は使ってみました。ひたすらスタッフがものづくりをする様子を配信したのですが、作家さんとリアルなコミュニケーションが生まれたり、メーカーさんに対して質問が上がったり、非常に盛り上がりました。

RoomClip 水上淳史さん
ストーリーは活用したいのですが、縦長だし動画がメインなので本格的な活用はまだできていません。ハッシュタグをつけられるようになったので、今後取り組んでいきたいところですね。

PASTURE カイユリコさん
一般ユーザーだけでなく、ビジネス運営者に使い勝手の良い機能も追加されていますね。アーカイブ機能により、投稿を一旦取り下げて元に戻すこともできます。設定は必要ですが、デスクトップブラウザから写真をアップロードできるようになったのも最近ですね。

テテマーチ 松重秀平さん
保存してコレクションできる機能も面白いですよね。ビジネス活用の道は模索中ですが、スナップチャットだけでなくピンタレストに近い機能も増えていくのかなと感じました。

ONPAJAPAN 濱野和城さん
個人のアカウントで試験的に調査しているのが、ストーリーと本投稿のリアクションの違いです。それぞれ、いいね!をつけるがストーリーは見ていなかったり、ストーリーを見ているが本投稿に反応がなかったり、ユーザー行動の違いに可能性を感じています。

4.まとめ

多くの質問が出ておりましたが、時間切れとなってしまいました。二回目となるインスタミーティングでしたが、懇親会でも議論が活発にかわされており、インスタグラムのビジネス活用の盛り上がりを感じるイベントでした。
UGCを活用されている企業の皆さんが感じられている共通点として以下3点がありました。

  • UGCの方が自前で用意したコンテンツよりもユーザーの反応が良い
  • UGCとしてユーザーのコンテンツを企業が利用することでユーザーが喜んでくれる
  • UGCは広告、記事など様々な用途での利用ができる

インスタグラムの盛り上がりと共に注目を集めるUGCですが、ユーザーとのコミュニケーションやサービスの認知拡大に欠かせない存在となりそうです。

Pocket

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