ハンドメイド作品をインスタグラム上で紹介しようと考えている方、また販売促進をしたいクリエイターの方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
インスタグラムはビジュアル重視のSNSであるため、ハンドメイド作品との相性は非常に良く、すでにインスタグラムを活用することでファンを多く抱えているハンドメイド作家の方も現れています。
そこで、今回はインスタグラムを活用されているハンドメイド作家の方々に実際に伺ったお話をご紹介します。
目次
1.クリエイターの先輩方紹介
今回取材協力してくださったクリエイターの方々はこちらの3名です。
gomesu(@gomesu0902)さん
gomesuさんのインスタグラムは一言でいうと「大人かわいい!」ではないでしょうか。
作品の一つ一つが「かわいい」を前提として、しかしどこか垢抜けた大人っぽさも兼ね備えており、女性の乙女心をくすぐります。
gomesuさんがハンドメイドを始めたきっかけを尋ねてみたところ、小さい頃からビーズを触ったり、編み物をしたりと、手芸全般がもともと好きだったそうです。
その後、印刷会社でデザイナーとして働きながら趣味でアクセサリー作りをしており、結婚を機に退職してハンドメイド作家として活動し始めたとのことです。
ハンドメイドが自分の趣味であり好きなことであることが、現在のgomesuさんの作品の世界観をより素敵なものにしているのではないでしょうか。
KAEDE(@kaedestall)さん
KAEDEさんのインスタグラムの世界観は「ほっこり」系で、すべての作品に木漏れ日のような温かさが宿っています。
KAEDEさんのハンドメイド作品作りのきっかけについて伺ったところ、もともとハンドメイドが好きで、子どもの頃からいろいろなものを作っていたそうです。
今の活動をはじめたのは、「独自の表現方法で自分の世界観を届けたい」「自分が好きな世界を他の人にも共感してもらえたらいいな、きゅんとする気持ちを届けられたらいいな」と思ったためとのことです。
KAEDEさんは、作品だけではなく作品紹介の文章でも私たちをきゅんとさせてくれます。
m(@_made_by_m)さん
mさんの世界観はとても爽やかで、凛とした大人っぽさがあります。それでいてカラフルな可愛らしさも持ち合わせているという二刀流の世界観です。
また、それぞれの作品が世界に一つしかないので特別感もありますね。
mさんにハンドメイドを始めたきっかけを伺ったところ、某美術大学芸術祭での出展がきっかけだったとのことです。
そこでは、個人にスペースが与えられて自由に古着や制作物などを売ることができ、この時に作ったアクセサリーが今の水彩アクセサリーになったそうです。
学生ながらにかなり試行錯誤し、たくさんの方に手にとってもらえたことが嬉しく、その経験から芸術祭終了後も継続的に作品を作ることを決めたそうです。
2.インスタでの作品紹介に関するQ&A
今回3名のクリエイターの方々に取材させていただいた内容はこちらです。
Ⅰ.インスタグラムの写真投稿における写真の工夫やご自分なりの決まりはありますか?
Ⅱ.インスタグラムの写真投稿における文章、ハッシュタグはどのように考えていらっしゃいますか?
Ⅲ.インスタグラムのストーリーズ機能はどのようにご利用なさっていますか?
Ⅳ.インスタグラムが売り上げに繋がっていると実感されていますか?
それでは、それぞれのクリエイターの回答を紹介します。
2-1.gomesu0902さん
Ⅰ.インスタグラムの写真投稿における写真の工夫やご自分なりの決まりはありますか?
gomesuの世界観を統一することは大前提にありますが、自分の感性や好きなものが伝わるような投稿を心がけています。加工についてはその時々の気分で変わるので、あえて統一しようという事は特に決めていません。
投稿する写真については、基本的には新作のラインナップや発送前、納品前、様々なパターンで作品をたくさん並べたボリュームのあるものを使うよう心がけています。作品は多いほど世界観がより分かりやすく伝えられると思っているので、なるべく一気に配置して撮影しています。
おすすめのもの、1点ものなどは単体で撮影する場合もありますが、ギャラリー全体で見た時に見劣りしないよう演出で空間と色合いを補うように工夫したりしています。
ギャラリー全体を見返した時に、自分の当時の考え方を思い出すいい機会になっています。
Ⅱ.インスタグラムの写真投稿における文章、ハッシュタグはどのように考えていらっしゃいますか?
私は文章があまり得意ではないので、インスタグラムを活用しているということもあり、伝えたい事はなるべく写真で表現するようにしています。その分、文章は簡潔にしています。
ハッシュタグは多くの人に見てもらう為のものと認識しているので、「ハンドメイド」や「ピアス」などカテゴリーに近いもの、または作品のテイストに近い「レトロ」「大人可愛い」などのワード、他にも共感を得られそうなタグを使用して多くの人に検索されるようにしています。
Ⅲ.インスタグラムのストーリーズ機能はどのようにご利用なさっていますか?
あまりストーリーズ機能は使いません。作品の質感が写真だけでは表現できない時などに使用したりはします。
もし使うとするならば、作家目線としては、カジュアルが売りのストーリーズとしてではなく、逆に時間制限を利用した限定セールや、プレゼント企画の告知など出来たら特別感があっておもしろいのではないかなと思いました。
Ⅳ.インスタグラムが売り上げに繋がっていると実感されていますか?
店頭展開した作品はすぐにインスタグラムで共有できるので、店舗の近くにいる人がすぐに見に行けるというメリットがあると思います。実際にダイレクトメッセージ(以下DM)を通じて購入しましたと連絡をいただけることもあります。
2-2.kaedestallさん
Ⅰ.インスタグラムの写真投稿における写真の工夫やご自分なりの決まりはありますか?
作品の画像はスマートフォンで、なるべく自然光を用いて明るく撮るようにしています。
自分の世界観や作風を一枚に表現できるように、メインの作品以外の装飾・小物などもなるべく作品と同じ技法でつくったものや自作のものを使用しています。
作品のサイズがとても小さいので、サイズ感がわかるように、手など体の一部を一緒に写したりすることもあります。
Ⅱ.インスタグラムの写真投稿における文章、ハッシュタグはどのように考えていらっしゃいますか?
文章は投稿した作品の説明や作品に込めた想いなどを書いています。また、あまり長くならないように気を付けています。
ハッシュタグは投稿した作品のモチーフに関わるものを日本語と英語で付けています。海外の方も作風を気に入ってくださって見てくださる方が多いので、英語でもなるべく付けるようにしています。
作品を投稿するときはブランド名をハッシュタグに入れるようにしています。シリーズ化している作品の投稿には、見るときにそのシリーズの作品の投稿だけを見つけやすいようなハッシュタグを付けることもあります。
Ⅲ.インスタグラムのストーリーズ機能はどのようにご利用なさっていますか?
現在までストーリーズ機能を使用したことはありません。今後使うとすれば、アンケート機能や、リアルタイムで気軽に投稿したいときなどに使ってみたいです。
Ⅳ.インスタグラムが売り上げに繋がっていると実感されていますか?
作品紹介や納品のお知らせなどの投稿を見て、委託先のお店に足を運んでくださったり、対面販売のイベントに来てくださる方が多いです。また、ネット販売をするときも、投稿を見て、サイトにアクセスしてくださいます。イベントのときは、紹介した作品の画像を見せ、これはありますか?と聞いてくださる方もいます。
2-3._made_by_mさん
Ⅰ.インスタグラムの写真投稿における写真の工夫やご自分なりの決まりはありますか?
アクセサリーがカラフルなので、その色を引き立てるために背景は白に近くなるよう明るさを調整しています。
また統一感を出すために少し青みを加えていて、台紙も特徴があるので一緒に写すように心がけています。
撮影はミラーレス一眼で行っているのですが、ミラーレスは小さく、催事や納品時も持ち運びが便利なのでいつでもきれいな写真が撮れてオススメです。
Ⅱ.インスタグラムの写真投稿における文章、ハッシュタグはどのように考えていらっしゃいますか?
写真投稿をする際、内容は簡潔に書いて、定期的にその時売り出したいアイテムを載せるようにしています。
ハッシュタグは納品先やアイテムの専用タグを使い、種類別で見られるようにしています。具体的に書くと、全てのポストに以下のようなハッシュタグをつけています。
- #ゆめのかけら__m
- #ヘアゴム__m
- #mアクセサリー
- #水彩アクセサリー
「#ゆめのかけら」というのは作品のシリーズ名で、そこに私の作品であることを訴求する「_m」をつけています。
また、同じように「ヘアゴム」など作品のタイプ別にも専用のタグを作っています。
これらはわたし以外に投稿がないハッシュタグになっていて、専用タグと呼ばせていただいています。
アクセサリーに興味を持った方が、シリーズ別、ピアスやネックレスなどのタイプ別に一覧で見られるような仕組みになっています。
Ⅲ.インスタグラムのストーリーズ機能はどのようにご利用なさっていますか?
新作ができたとき、委託店舗へ納品が完了したときなどに使用しています。
Ⅳ.インスタグラムが売り上げに繋がっていると実感されていますか?
インスタグラムを見て来られたお客様が多いと委託先の店頭のスタッフさんから言われます。
インスタグラムアカウントではあまりコメントやDMはいただかないのですが、しっかり情報を見てお店へ来てくださるお客様がいることに感動します。正しい情報をこまめに発信することが大切だと実感しています。
3.ハンドメイド作家への取材から見えたこと
今回3名のクリエイターの方々にご協力いただき、インスタグラムでのハンドメイド作品販売のメリットとコツを紹介させていただきました。
それぞれを総括すると以下のようになります。
インスタグラム投稿コンテンツの工夫や自分ルールがある
やはり重要なものは「視聴者との距離の近さ」だといえるでしょう。kaedestallさんのように、作品の大きさがわかりやすいように身近にあるものと対比できるような写真を掲載するのも一つの方法だといえます。
受け手目線の文章とハッシュタグ
文章を書く際に大切になってくるのは、ずばり「簡潔であること」でしょう。視聴者さんが見ていて飽きないような内容であったり、読んで一瞬にして伝えたいことが伝わるようにもしたほうがよいようです。
ストーリーズの活用
ストーリーズ活用については今後さらに盛り上がってくることが考えられますが、_made_by_mさんのように、店舗への納品完了時や新作の完成時に、フォロワーにすぐに届けたい情報があるときはストーリーズを活用してみてはいかがでしょうか。
また、キャンペーンの宣伝などに用いるのも効果的だと思われます。
インスタグラムは売り上げ増加に結びついている
三名とも異口同音に「はい」というお返事をいただきました。やはりインスタグラムの影響というのは大きいようです。
インスタグラムユーザーがファッション雑誌を読む感覚でインスタグラムを利用し始めているというのも一つの要因かもしれません。
4.最後に
いかがだったでしょうか。
これからインスタグラムを用いてハンドメイド作品を紹介しようと思っていらっしゃる方、現在フォロワーが増えなくて困っていらっしゃる方、ぜひ先輩ハンドメイド作家の方々のインスタグラム活用方法を参考になさってみてはいかがでしょうか。