「洋服の青山」のInstagramアカウントと言われたら、
恐らく、スーツを着こなした俳優やモデルの写真が並ぶ様子をイメ
もちろん、そういったアカウントもあるのですが、今回ご紹介
スーツの写真が投稿されることはほとんどなく、アカウントの主役
いったいどんな戦略で運用されているのか、非常に気になりますよね。
UGCの積極的な活用や、コメント・DM・ストーリーなどを使い
目次
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1. 青山ガールズとは
1-1. 企業紹介
青山商事株式会社のブランドである「洋服の青山」は、47都道府
青山商事株式会社HP: http://www.aoyama-syouji.co.jp
洋服の青山HP: https://www.y-aoyama.jp
今回は、高校生向けに特化したInstagramアカウントである「洋服の青山【ガールズアカウント】」の運用を担当されている、青山商事株式会社の境野さんと、洋服の青山のレディースフレッシャーズの全体監修を担当している、フリュー株式会社の若月さんにお話をお聞きしました。
(青山商事株式会社:境野さん)
(フリュー株式会社:若月さん)
1-2. アカウント紹介
Instagramアカウント:@aoyama_girls
フォロワー数:8.7万人(2020年2月現在)
2. 親近感をもたらすアカウントづくり
2-1. 目的は親近感の醸成と来店への誘導
――Instagramアカウントの運用の目的について教えて
運用の目的は、Instagramでのコミュニケーションを通じ
全国各地に多くの店舗がある「洋服の青山」は、高校生にとっても
しかし、実際に店舗に足を運んでいただくためには、ブランドのこ
――確かに、Instagramは親近感を生みやすいメディアで
そうですね。高校生が中心ではありつつも、中学生の方にも多くフ
2-2. UGCの活用がきっかけでフォロワー数が急増
――以前とは運用方針を変えられたとお聞きしたのですが、具体
アカウント開設から3ヶ月後の2019年4月頃から、ユーザーと
それ以前は、スーツを着用したモデルの写真の投稿がメインでした
オリジナルのハッシュタグである「#青春スーツ」の投稿数を増や
そこで、フォロワーさんの学校生活や受験勉強などの普段の投稿に
こうした運用がフォロワーさんからの共感を生み、アカウント開設
――約10ヶ月で8万人ですか!UGCが共感を生む例は多くあり
2-3. 全国各地からアンバサダーを起用し、地方のフォロワーも獲得
――他にフォロワーを増やすための施策はありますか?
インフルエンサーの方を、アンバサダーとして起用しています。
「amebaTV」で放送されている、女子高生に人気の動画番組
今回のアンバサダーは、全国の異なる6都市から選出しています。 「洋服の青山」は全国に約800店舗あるのですが、Instag
――全国に店舗を構えるブランドならではの工夫ですね。アンバサ
もちろんフォロワー数も気にしますが、どれだけ熱量の高いファン
――UGC活用とアンバサダーの起用により高校生ユーザーの共感を集め、フォロワー数の高い増加率を生み出しているのですね。
3. エンゲージを高める様々な施策
3-1. 高校生の日常に役立つ情報を毎日発信
――他にアカウントの特徴はありますか。
エンゲージメントの高さですね。
UGCを通し、女子高生の生のトレンドをお届けすることで、毎日ユーザーの役立つ情報の発信ができていることがその秘訣です。
例えば、学校行事系や日々の勉強方法など、真似したいと思っていただけるコンテンツは、特にエンゲージメントが高くなる傾向にあります。
結果として、フォロワーの離脱率を低く抑えることができているので、フォロワーの増加率も高くなるのだと思います。
――毎日役立つ情報を発信していとのことですが、投稿頻度は1日1回ですか?
時期によって変動させています。
3-2. 真似してみたい!がコミュニケーションのきっかけに
――具体的にフォロワーからの反響が大きい投稿の傾向はありますか?
すぐに真似できそうなものや、友達と一緒にやってみたいと感じさせるコンテンツは人気です。
最近の投稿ですと、クリアバッグを用いた文化祭コーデの投稿が、10,000件を超えるいいね数、1,500件ほどの保存数を得ました。中身の見えるバッグが流行っていることもあり、真似をしたいと思う高校生が多かったのだと思います。
また、勉強系のコンテンツには多くのコメントが集まります。
ここ1~2年、Instagramにおいて勉強アカウント*が急増しており、高校生の間でInstagramを通じての情報収集や情報発信が流行っています。
私たちの投稿の中でも勉強系コンテンツは、「参考にします!」などのコメントが多く集まり、フォロワーと活発にコミュニケーションを取ることができます。
*勉強アカウント…勉強のモチベーションを保つことを目的として作成するSNSアカウントのこと。毎日の勉強記録を残したり、知識を共有したりする。
3-3. 旬なハッシュタグを常に研究
――どのようなハッシュタグを活用されていますか?
既に100万件ほどの投稿があるハッシュタグですと、私たちの投稿が埋もれてしまうので、2万件くらいの投稿数があるハッシュタグをつけています。
また、女子高生のハッシュタグの流行は日々変化しているので、トレンドは常に追うようにしています。
――現在はどんなハッシュタグが女子高生の間で流行っているのですか?
例えば、面白系のハッシュタグが流行しています。
「#隠しきれないヲタク」という、自分の趣味やこだわりを軽く自虐するようなハッシュタグがあり、そちらをストーリーズ投稿で利用したのですが、そのハッシュタグをタップして検索してくださる方が600近くに上り、私たちも驚きました。
(参考:https://www.instagram.com/explore/tags/隠しきれないヲタク/)
3-4. すべてのコメントやDMに返信し、距離感を狭める
――ユーザーとコミュニケーションを取るにあたって、他に工夫されていることはありますか?
ブランドに親近感を持ってもらうために、すべてのコメントとDMに返信をしています。
また、10月からストーリーズの本格運用を始めました。お悩み相談や、アンケートなどを実施し、一方通行ではなく、相互コミュニケーションがとれるよう努めています。
ストーリーズ上でアドバイスなどをさせていただくと、「ありがとうございます。」「頑張ります!」といった内容のDMをいただけることも多いので、密なコミュニケーションが取れていると実感しています。
(参考:https://www.instagram.com/aoyama_girls/)
実際に、お悩み相談室で「メイクを始めたいのでメイク方法を教えてほしい」とのご相談をいただいた時は、テキストでご返信するだけでなく、高校生のお小遣いの範囲内で買えるプチプラコスメを使ったメイク法を撮影し、オリジナルコンテンツとして投稿して、お悩み解決に繋げました。
そうしたところ、相談をしてくれたご本人の方からも反応があっただけではなく、保存数も伸びました。
こういったメイクのハウツーコンテンツはInstagramでよく見かけるものですが、普段メイクをしている大学生や20代に向けられたものであることが多いです。
それに対して、メイクの初歩を知りたいという高校生のニーズに応えたコンテンツを提供できたことで、リアルな悩みに寄り添うことができたと思います。
コメントやDMで届く、高校生のリアルな悩みは、社会人の私たちにとっては意外だったり新鮮だったりすることも多く、その気づきが次のコンテンツ案に繋がることがあります。
3-5. ストーリーズを利用しフィード投稿のリーチを伸ばす
――お悩み相談室以外のストーリーズの活用方法を教えてください。
フィード投稿をあまり見ず、ストーリーズのみを見る方が多いので、新しいフィード投稿があった際や、特定のフィード投稿を見てほしい時には、ストーリーズでその投稿の紹介をしています。
そうすることでフィード投稿のリーチ数を伸ばすことができます。
4. Instagramを利用した更なる施策
4-1. プレゼントキャンペーンで、離脱を防ぎ、新規獲得を増やす
――高い頻度でプレゼントキャンぺーンなどの企画をされていますが、その目的について教えてください。
プレゼントキャンペーンの多くが、他の企業とコラボをして相互送客を目指したもので、ユーザーに喜んでもらうために行っています。
また、キャンペーンの応募条件としてアカウントのフォローを必須にもしていますので、フォロー離脱を防ぐとともに新しいファン獲得にも繋がります。
――プレゼントキャンペーンは応募数はどのくらい集まりますか?
企画ごとに幅はありますが、2,000から8,000件ほどです。
1週間の応募期間で何千件もの応募数をいただくことができています。
4-2. Instagramの世界観を実店舗でも実現
――Instagramの日々の投稿で高校生に親近感を抱いてもらい店舗誘導に繋ぐほかに、実店舗においてInstagramユーザーに楽しんでもらう施策はありますか?
昨年、インフルエンサーを起用した、「洋服の青山」店頭イベントを行いました。池袋で実施した高校生限定のイベントで、インフルエンサーが「洋服の青山」のスーツを着て、1日店長を務めるというものです。
Instagram上で告知を行ったり、インフルエンサーの方が宣伝をしてくださったりした結果、遠方からお母様とご一緒にイベントに足を運んでくれた方もたくさんいました。
インフルエンサーが着用していたスーツ一式を買われた方も多かったです。
今年の新しい試みとして、フレッシャーズのカタログのイメージを刷新しました。Instagramでの世界観をそのままに、「青春スーツ」のコンセプトを前面に出したビジュアルを採用しています。
――カタログを一新されたのですね。そこにはどのような背景があったのでしょうか。
私たちの思いとして、親御さんよりも本人が手に取ってくださるようなカタログにしたいというものがありました。
(参考:https://www.y-aoyama.jp/campaign/freshers/ladies.html?lc=masthead)
実際の店舗でも青山ガールズの世界観を壊さない工夫をしたいと考えています。
5. インスタライブやコミュニティ形成にも挑戦
――今後Instagramで挑戦をしてみたいことはございますか?
2つあります。1つ目がインスタライブです。熱量の高いフォロワーが数多くいるので、リアルタイムのコミュニケーションが取れるインスタライブを活用することで、アカウントをもっと盛り上げていけるはずです。
2つ目が卒業生向けのコミュニティづくりです。高校を修了し、大学生になるタイミングで離脱するフォロワー向けになにかできることがないかと考え、「青山ガールズ」を卒業する方を対象にしたコミュニティづくりに挑戦したいと思っています。
――より多面的なアカウント運用をされていくのですね。今後も目が離せません!本日は貴重なお話、ありがとうございました。
6. まとめ
高校生にターゲットを絞った運用を徹底している「青山ガールズ」。親近感を持ってもらうためのUGC活用をはじめ、コメントやDM、ストーリーズなどを上手く織り交ぜ、多角的なコミュニケーションを実現しています。
特に、ストーリーズで受け付けたお悩みや要望を、ストーリーズ上での回答に留めず、フィード投稿にも反映していくというファン目線の運用は、コミュニティ形成の重要な要素になっていると思いました。
皆さんも参考にしてみてはいかがでしょうか?