インスタグラムを積極的に活用し、現在10ものアカウントを運用している和歌山県。その先鋭的な取り組みについてお話を伺ってきました!
目次
1.ご紹介
1-1.和歌山県ご紹介
(HP:http://www.pref.wakayama.lg.jp/)
海や山などの自然に恵まれ、温泉や観光スポットも多く、美味しいグルメあふれる和歌山県。全国的に有名な高野山をはじめとし、それぞれの季節に合わせた楽しみ方が多く存在しています。
1-2.インスタグラムアカウントご紹介
インスタグラム公式アカウント:@insta_wakayama
フォロワー数:5,321人(2017年8月時点)
開始時期:2015年8月27日
今回は上記のアカウント、和歌山県オフィシャルを中心にお話を伺いましたが、下記アカウントも運用されています。
@nagomi_wakayama_tourism | 和みわかやま |
@wakayamapref_pr | 和歌山県広報課&きいちゃん |
@oishii_delicious_wakayama | 「おいしい!健康わかやま」和歌山県食品流通課 |
@nagomigurashi_wakayama | わかやま和み暮らし推進協議会 |
@eco_no_wa | エコの和(和歌山県環境生活総務課) |
@kainankaisou_kouikikankou | 海南海草広域観光 |
@visitwakayama | Visit Wakayama |
@hidakasanpo | 日高広域観光振興協議会 |
@premier_wakayama | プレミア和歌山 |
今回はインスタグラムの運用を担当されている和歌山県企画部企画政策局情報政策課の林さんにお話を伺いました!
2.投稿手法について
2-1.若者や女性はじめヘビー・インスタグラマーをターゲットに
Haruka:
アカウントは何名で運用されていますか?
林さん:
@insta_wakayamaは情報政策課において、2人体制で運用しています。フィーチャー・アカウントですので、毎日のフィーチャー写真は2人で協議の上で選定し、1人がキャンプションを作成し投稿を行っているという形です。
Haruka:
アカウントを開始されたきっかけについてお聞かせください。
林さん:
和歌山県では、2011年からブログやFacebookを使ったSNSにおける情報発信を行っていました。
そして、若者や女性等のリーチしていないターゲットへの情報発信のために、インスタグラムを利用することを知事に提案し、2015年5月から、観光・食・移住・国体の4つの分野におけるアカウントをそれぞれ開設しました。
その後、ジャンルをまたぎ情報を発信するべき必要性、インスタグラムユーザーとのコミュニケーションの必要性から、同年10月にこの総合アカウントを開設しました。
Haruka:
では、ターゲット層においては女性や若年世代ということですね。
林さん:
そうですね。さらに、当アカウントでは、少しでも魅力ある和歌山県の写真をご紹介するべく、写真スキルが高く、和歌山県が大好きなヘビー・インスタグラマーと呼ばれる人々も大きなターゲットとして認識しています。
2-2.コメントバックやインスタミートでフォロワー増加
Haruka:
インスタグラムを運用する目的はどんなものでしょうか。
林さん:
ずばり、「和歌山県の魅力を発信すること!」です。
特に@insta_wakayamaでは、「みんなの力で和歌山県の素敵を発信しよう!」をコンセプトとしておいており、和歌山県が大好きなインスタグラマーの力を集積して、和歌山県自慢を発信し、多くの人々に伝えようとしています。
Haruka:
実際にフォロワーの伸びはいかがですか。
林さん:
アカウント開設時に大きくフォロワーが伸び、その後は一定のペースで増加しています。
開設当初、「アカウント開設」と「Insta_Wakayamaイメージガール」の委嘱についての知事記者会見を行い、新聞やテレビ等のメディアで報道がされました
そのようなマスコミの影響もあり、アカウント開設時の伸びは著しかったのだと思います。
フォロワーを増やすための施策として、インスタグラム開設後には魅力ある写真を投稿するインスタグラマーを積極的にフォローし、フィーチャーしてきました。
さらにコメントバックを積極的に行いインスタグラムユーザーとの繋がりを保ち、県内で行われるインスタミートへの積極的な参加により、インスタグラマーとの交流を深めています。
3.投稿コンテンツについて
3-1.今日の1枚の選定基準は?
Haruka:
フィーチャーアカウントとのことですが、どのように写真を選定しているのですか。
林さん:
基本的に1日1投稿と決めていますので、ハッシュタグ#insta_wakayama を付けて投稿していただいた写真の中から「今日の1枚」を選んで掲載しています。
このハッシュタグは毎日100枚を超える投稿がありますので、コメントも含めてチェックをさせていただいています。
主な選定基準としては3つあります。1つ目に写真自体にインパクトがあること、次に和歌山県の良さを伝えられていること、最後に時節や季節の感じられる写真であることです。
さらに特定の場所に偏らず、同じ投稿者が続かないように気をつけています。
その中でもインスタグラムで反応の良い写真は、写真自体のクオリティが高いものや、被写体や構図のインパクトの高さが影響していると思います。
3-2.アカウント測定の方法
Haruka:
写真におけるいいね数やフォロワー数等のアカウント測定は行われていますか?
林さん:
フォロワー数、投稿数、いいね数の推移は、インスタグラムのインサイトやINK361等の無料分析ツールを活用して集計をし、かつ分析をしています。
その結果は、県庁内でインスタグラムアカウントを運用している担当者を集めて毎月開催している「運営会議」というものがあるのですが、そこで公表し情報を共有しています。
目的は先ほども申し上げましたように「和歌山の魅力を発信すること!」ですが、その達成のために継続的なフォロワー数やいいね数、コメント数の増加を目標にしています。
3-3.他運用アカウントとの差別化
Haruka:
10ものアカウントを運用されていますが、その中でどのように差異を設けているのですか。
林さん:
@insta_wakayama は類似アカウントとして、県庁内の観光アカウントの@nagomi_wakayama_tourism や海外向け観光アカウントの@visitwakayama があります。
県庁内の観光アカウントでは、主に県が推進する観光施策やキャンぺーン情報を発信し、海外向けのアカウントでは、キャプションは英語にし、主に外国人のインスタグラムユーザーが投稿してくださった写真にフィーチャーしています。
@insta_wakayama では、観光向けの写真はもちろんですが、それだけではなく素敵な写真を紹介するという観点で、観光以外の写真も多く取り上げていますので、そこが違いとなります。
4.和歌山県独自の取り組み
4-1.インスタグラムユーザーグループとの連携
Haruka:
何か独自の取り組みはございますか。
林さん:
県内のインスタグラムユーザーグループとの連携に力を入れています。
これまで@instameet_wakayama @wakayamagram @yamahidaka の3つのアカウントが主催するインスタミート等のイベントの共催や参加などを実現させてきました。
他グループとの連携を重ねています。
4-2.口コミツールとしてのSNSマーケティング
Haruka:
地方創生とSNSについての関わりにおいて何か考えていることがあれば教えてください。
林さん:
SNSは究極の「口コミ」ツールだと認識しています。地方創生の観点では、SNSマーケティングは、初期投資が少なく、とっつきやすい手段ではあります。
しかし、成果を上げるためには継続的な投稿と、フォロワーとのコミュニケ―ションが欠かせません。
さらに情報発信という意味では、マスメディアを使った大々的なキャンペーンと、SNSによる情報発信をうまく組み合わせることが必要だと考えています。
4-3.和歌山県主催インスタグラムキャンペーンの概要
Haruka:
これまで開催されたインスタグラムキャンペーンについて伺いたいです。
林さん:
これまで和歌山県では、以下の通りのインスタグラムキャンペーンを行いました。
アカウント・名称・期間 | 目的 | 投稿数 | 二次利用 |
@nagomi_wakayama_tourism
「たま駅長の思い出」と「ニタマちゃん頑張れ!」 2015/7/3~8/2 |
2015年6月に死んだ和歌山電鐵「たま駅長」への感謝と、後を継ぎ盛り上げる部下の「ニタマちゃん」の応援のため | 144 | |
@kiichan2015
「きいちゃんカウントダウン」 2015/7/21~8/20 |
開催まであとわずかに迫った紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会をより一層盛り上げるため | 66 | アカウント上でカウントダウン画像として使用 |
@oishii_delicious_wakayama
「和歌山の食」 2015/11/5~12/4 |
「和歌山県の食」の魅力を全世界に発信するため | 130 | |
@wa_inakagurashi
「わかやま暮らし」 2015/12/21~2016/1/31 |
移住推進の一環として「わかやま暮らし」の魅力を全世界に発信するため | 244 | |
@nagomi_wakayama_tourism
「友ヶ島スポットビューマップ」 2016/4/22~9/30 |
「ラピュタの島」として注目が集まっている友ヶ島の魅力を県内外に広く紹介するため | 472 | ホームページ上にフォトマップを掲載 |
@oishii_delicious_wakayama
「和歌山の桃」 2016/6/27~7/29 |
ネットショップ「わいわい市場」の桃特集を盛り上げるため
|
42 | |
@oishii_delicious_wakayama
「和歌山の柿」 2016/9/16~10/31 |
ネットショップ「わいわい市場」の柿特集を盛り上げるため
|
78 | |
@oishii_delicious_wakayama
「和歌山のみかん」 2016/12/1~2017/1/25 |
ネットショップ「わいわい市場」のみかん特集を盛り上げるため
|
101 | |
@visitwakayama
「visit wakayama キックオフ」 2017/3/1~3/26 |
外国人観光客をターゲットとした新アカウント「@visitwakayama」の周知のため | 1934 | |
@nagomi_wakayama_tourism
「水の国、わかやま。」 2017/6/1~8/31 |
和歌山観光キャンペーン「水の国、わかやま。」との連動企画で、和歌山の「水」の魅力を広く紹介するため | 895
7/18現在 |
告知方法としては、記者クラブへの資料を提供し、FacebookやTwitter、ブログ等の他のSNS媒体での告知を行いました。
Haruka:
現在開催中の「水の国、わかやま。」のキャンペーンも約1か月半で900近い投稿が集まっていますね!
5.まとめ
10個ものインスタグラムアカウントを運用し、それぞれの役割をはっきりさせ差異化をするとともに、連携を図っている和歌山県のインスタグラムと運用方法は、和歌山の魅力発信という目的に適ったものだと感じました。
地方創生に必要な口コミとしてインスタグラムを上手に運用するために、和歌山県の例を参考にしてみてはいかがでしょうか。