「MINE」とは、20〜30代の女性をターゲットにしたファッション動画マガジンです。
2015年にサービスがリリースされて以来アプリやSNS公式アカウントなどでオリジナルコンテンツを毎日配信しており、国内最大級のファッション動画メディアへと成長し続けています。
また、ハッシュタグを利用したコミュニティ作りや、最新機能を活用しながらインスタグラムの運用にも注力しています。
今回は、「MINE」のSNS担当者様にMINEのインスタグラムアカウント運用方法とコンテンツ作りについて取材させていただきました。
なぜ「MINE」は35万件ものユーザー投稿数を獲得できたのか、またなぜそれほどのコミュニティを形成できたのか、その理由を探っていきます。
目次
目次
1.企業ご紹介
1-1.ファッション動画マガジン”MINE”について
「MINE」は、株式会社3ミニッツが運営するファッション動画マガジンです。
20〜30代のファッション感度の高い女性をターゲットにファッション、ビューティー、グルメ、ライフスタイルなどの幅広いジャンルのトレンド情報を毎日配信しています。
HP:https://www.mine-3m.com/mine/
1-2.インスタグラムアカウント紹介
公式インスタグラム:@mineby3m
フォロワー数:13.3万(2019年2月現在)
ファッションアカウント(@mine_3m)
ビューティーアカウント(@mine_3mbeauty)
2.アカウント運用について
今回は、MINE事業部マーケティングチームの山口さんと北山さんと伊藤さん、副部長の岡澤さんにお話を伺いました。
左から山口さん、伊藤さん、北山さん、岡澤さん。
2-1.アカウント運用の経緯と体制
ーーアカウント運用の経緯について教えて下さい。
伊藤さん:2015年に「MINE」がリリースされた時は、その当時のコンセプトに合わせたモノトーンのインテリアやファッションアイテムの画像を投稿していていました。
その後、「MINE」のコンテンツが増え、サービスの認知拡大を計るため、「MINE」に出演しているモデルのコーディネート写真などを投稿するようになりました。しかしながら、元々モノトーンの世界観が好きでフォローしていたユーザーのニーズと合わず、エンゲージメント率が伸びなくなってしまいました。
そこで、「MINE」を身近に感じてもらうために、コーディネートに特化したフィード投稿に戦略を変更。また、「#mineby3mootd」というハッシュタグを用いて、一般ユーザーから投稿を募り、UGCのリポストをするようになってから、一気にエンゲージメント率が高くなり、フォロワーの増加率も改善されました。
ーーコンセプトを定めること、ユーザーを意識することはとても大事ですよね。現在のアカウント運用体制についても教えていただけますか?
岡澤さん:毎日のフィード投稿は山口、ストーリーズは北山、編集部コンテンツに連動したインスタライブは「MINE」編集部と連携して行っています。
ーーサブアカウントも運用されておりますが、どのように使い分けていますか?
北山さん:公式インスタグラムアカウントである@mineby3mでは、ユーザーのコーディネート写真をリポストし、その投稿を記事としても紹介するユーザー参加型のアカウントです。最近始めた2つのサブアカウントはファッションと美容でアカウントを分けています。ファッションアカウント @mine_3mでは「MINE」で取り上げているファッション系のコンテンツや世界観を共有する投稿を行っており、モデルさん、ヘアメイクさん、スタイリストさんなどクリエイターの方達と繋がることで、少しずつフォロワーを増やしています。@mine_3mbeautyでは「MINE」で取り上げているメイクやヘア、フィットネス系のHOW TO動画などを多く投稿していて、美容や健康意識の高いユーザーからエンゲージが高いです。
ーー @mineby3m の投稿写真はどのように選定されていますか?
山口さん:「#mineby3mootd」というハッシュタグを付けている投稿の中から、過去の実績や、最近のトレンドを考えながら選ぶようにしています。天気やシーズンによってエンゲージメント率が高い投稿の傾向は変化するので、日々検証を繰り返しています。
2-2.ハッシュタグでのコミュニティ形成
ーー「#mineby3mootd」というハッシュタグの投稿数が約35.6万件(2019年2月現在)に達していますが、ここまでのコミュニティに築き上げたアカウント運用の秘訣などを教えていただけますか?
伊藤さん:地道な努力がアカウント運用の秘訣です。
より多くのユーザーに認知してもらうために、「MINE」のユーザーと親和性が高く、コミュニティの中でエバンジェリスト(エンゲージメント率が高く、影響力がある人)を選定し、1人ずつDMで「#mineby3mootd」を付けて投稿していただくようにお願いしていました。その方たちの投稿を記事で取り上げたり、リポストすることで、自然と「#mineby3mootd」が広まり、彼女たちのフォロワーもハッシュタグを使って投稿してくれるようになりました。そこから火がつき、そのおかげで、今ではインスタグラマーとして活躍されている方もいらっしゃいます。
大きなコミュニティを形成するそれぞれの小さなコミュニティの仮説を立て、リーダーになれる存在を育てることが重要だと思います。
コミュニティは一日にしてならず。地道にコツコツと運用していくことが、成功の近道だと思いますね。
山口さん:フィード投稿でも、地道に日々のエンゲージメント率や保存数の変動などを毎日アナリティクスでチェックしています。
新規ユーザーの流入数を増やすために投稿に付けるハッシュタグを日々分析しています。また、保存数も現在のアルゴリズムでは重要な指標だと言われているので、保存数が高いハッシュタグやコーディネートなども最近では意識している点です。ファッションはシーズン、トレンドによって人気のアイテムやコーデの傾向が大きく変わるので、日々細かくトレンドを追うことが必要だと思います。
日々研究していくことでどのような投稿がユーザーに人気があるのかを理解することができ、結果的に認知度やフォロワー数にも影響してくるので、地道な努力は大事だと思います。
3.最新機能活用方法
ーーストーリーズやストーリーズハイライト、IGTV、ライブ配信などを活用されていますが、それらはいつからアカウント運用に取り入れ始めたのですか?
北山さん:リリースと同時に、すぐにアカウント運用に取り入れました。
ーー最先端のアカウント運用を行っているのですね。最新機能はどのように使い分けていますか?
北山さん:最新機能では、ユーザーが興味を持っていて、楽しめるような内容を投稿することに注力しています。
ストーリーズでは、コーディネート投票でユーザーの参加を促したり、デイリーの占いを毎朝投稿したりすることでユーザーへの習慣化を促し、インプレッションを徐々に伸ばすことに成功しました。また、前日パフォーマンスが高かった記事をストーリーズでも展開することで、人気記事のPVを効率的に伸ばすことに利用しています。
IGTVでは、16×9の縦型画面ならではの没入感がある「お悩み相談」動画や、HOW TOコンテンツを配信。最近では6万回再生を超える動画もありました。インスタライブでは、人気占い師の方をゲストに迎えたり、編集会議をストリーミングしたりし、リアルタイムでユーザーからの質問に答える参加型のコンテンツを配信しています。
ーーユーザーをとても大切にされているのですね。
北山さん:ユーザー参加型のコミュニケーションを行うことで、「MINE」をジブンゴト化し、共感度を高めるように心がけています。実際に「MINE」ユーザーを呼んで座談会を定期的に開催しており、ユーザーの生の声を聞くことでデータからはわからない新たな発見があることも本当に多いです。こちらから一方的にアプローチするのではなく、ユーザーと一緒にコンテンツを作り上げていくことに重きを置いています。
4.今後の展望
ーー今後の展望について教えて下さい。
岡澤さん:インスタグラムで形成したコミュニティをアプリやリアルで活用し、育てていくことが今後の目標です。
これまでは、ハッシュタグ(#mineby3mootd)を用いたコミュニケーションからインスタグラム上で「MINE」のコミュニティを育成してきました。今後はアプリやリアルと繋がることで、独立したコミュニティの中でユーザー同士が繋がったり、ユーザーの中から次世代のインフルエンサーが誕生するプラットフォームとして「MINE」を成長させていきたいです。
5.まとめ
13万人のフォロワーを抱えているだけでなく、インスタグラム上でのコミュニティ形成にも成功されている「MINE」。今回の取材で、「MINE」のインスタグラムアカウント運用成功の裏には、ユーザー目線を徹底していることと、地道な努力があることがわかりました。
企業のインスタグラム運用担当者の方々は、「MINE」のように、日々の地道なアカウント運用とユーザーの声を聞くことを意識してみてはいかがでしょうか。