今回は、さまざまな企業様にご来場いただき大盛況に終わった、スナップマート株式会社とテテマーチ株式会社が合同でおこなったInstagramセミナー「2018年を振り返る!事例で学ぶInstagramアカウント運用の秘訣~インスタグラファーを活用した効果的なクリエイティブとは?~」の様子をご紹介します。
目次
セミナー概要
2018年9月Instagramの利用者は2900万人を超えました。それと比例して企業のInstagram活用も増加しています。ですが、まだまだInstagram活用を成功させるにはどうすれば良いかお悩みの企業も多くいます。
今回は、Instagram映えするスナップ写真がフリマ感覚で売れるプラットフォームを持つスナップマート株式会社と、Instagramプロモーションに特化し、多数の実績があるテテマーチ株式会社が、Instagram活用を成功に導くためのマーケティングセミナーを開催します。 原文(引用: セミナ―専用ページ)
登壇者
当日は、スナップマート株式会社とテテマーチ株式会社からそれぞれ1名ずつ登壇しました。第1部をテテマーチ、第2部をスナップマートが担当しました。
三島悠太(みしまる)テテマーチ株式会社
1993年生まれ、横浜育ち。企業のSNS活用法などの数々のセミナーに登壇。テテマーチ株式会社にジョイン後、企業・代理店・自治体などへInstagramを中心としたSNSマーケティングに特化したプランナー兼営業責任者として多くの企業の課題解決に向けた企画や立案をする。ロカリアジャパンというフォロワー5500人ほどのInstagramアカウントを個人で運用している。
川北 啓加(もろんのん)スナップマート株式会社
1993年生まれ、川越育ち。スナップマートのクリエイティブディレクター。Instagramで7万フォロワーのトラベルフォトグラファーでもあり、大学生のころからSNSや写真の活用や楽しさを全国を巡って企業や生活者に伝える。雑誌Hanako、るるぶなどでトラベルの連載を持つ。「そうだ京都、行こう。」の広告撮影実績あり。
これからのInstagramは可能性しかない!
――三島:こんにちは、テテマーチの三島です。第1部では、2018年のInstagramを振り返りながら「ファンから愛されるInstagram運用の秘訣」と「Instagramでファンを作っていくにはどうすれば良いか?」をお話していければと思います。
まずはじめに、2018年10月末時点での日本における3つのSNS(Facebook・Twitter・Instagram)の状況についてお話します。Facebookのユーザー数は横ばいが続いていますが、Twitterは増加しており、日本のTwitterユーザーは世界のTwitterの人口の6分の1ほどを占めています。
また、Instagramに関してはユーザー数がさらに増加しており、国内で2900万人を超えました。これはFacebookユーザー数を超えた結果になっていますね。
また、Instagramは若い人や女性が使うソーシャルメディアだと思われがちですが、最近では30~40代のユーザーや男性のユーザーも増えてきています。
そういう意味では、Instagramはバランスのよいソーシャルメディアになってきていて、いろいろなターゲット層に対してしっかりプロモーションが出来るようになってきていることが考えられます。
――三島:次に、Instagramがこんなに伸びた背景はなにか?を3つに分けてお話ししたいと思います。
1つ目は文章のコミュニケーションはもちろん、ビジュアルでもコミュニケーションが可能になってきているということが挙げられます。情報過多の現代ではユーザーはビジュアルの第一印象で直感的に情報を把握することが多くなってきているので、ビジュアルに特化しているInstagramは今後ますます「情報を発信する場」としての価値が高まるのではないかと考えられます。
2つ目はInstagramで「見つける・探す・調べる」が簡単に出来るということです。Instagram上で検索をすれば、多くのコンテンツに触れることができるほか、Web検索では得られない、よりリアルな情報を収集できるので幅広い目的に活用できます。そして3つ目はInstagramは口コミサイトの代わりになるという事です。店舗の予約はポータルサイトで行いますが、事前の口コミ調べはInstagramを使うことが増えてきているのではないでしょうか。
ちなみに公式のデータでは、日本のInstagramユーザーの5人に1人は、朝起きた瞬間にInstagramを開くといった事実が発表されており、Instagramの利用が習慣化してきていることが分かります。
Instagram機能別アップデート
――三島:ここでは、Instagramの使い方がイマイチわからない方に向けて、Instagramの機能別のアップデート情報をお伝えします。
ストーリーズの機能充実化
――三島:最近では、ストーリーズを中心にInstagramを活用しているという情報やストーリーズを使ってコミュニケーションをとっているユーザーが増加しているという情報が出てきています。ショッピング機能や質問機能といったストーリーズ機能をうまく使いこなせば、アカウントの世界観を崩さずに購買動線を用意したり、簡単にユーザーの意見を聞いたりすることが出来ます。
ショッピング機能追加
――三島:なぜInstagramがショップ機能に力を入れているのか。それは、主に日本におけるECサイトでの売り上げが2015年の2.35倍となり、コンバージョンが追えるようになってきているということや、ショッピングにおいてSNSが主なインスピレーション源となっている人が増加していることが挙げられます。また、Instagramはアパレル商品との相性が良いということから、ブランディングだけではなくマネタイズへの可能性も見出そうとしていることが考えられます。
また、Instagramとグルメサイト「ぐるなび」が連携されたことで、Instagram上で飲食店の予約を取ることができるシステムも実装されました。
これは、小さな規模の飲食店でもInstagramのビジネス活用が今まで以上に出来るようになったということを表していて、おそらく今後は航空券の予約・購入も出来るようになるのではないかと予想しています。
IGTV(インスタグラムTV)機能追加
――三島:IGTV(インスタグラムTV)は、長時間の縦型動画を配信する機能です。日本ではまだ馴染みがなく、認知度も低い状態ですが、先行して活用している企業やインフルエンサーも増えています。また、モテクリエイターのゆうこすさん(@yukos0520)は、PRの動画をIGTVを活用して発信しています。
――三島:また、北欧暮らしの道具店さんやアパレルブランドのHeatherさんがインスタドラマを展開してうまく商品のPRに使っている実績があります。IGTVを活用してインスタドラマを展開すれば、どの企業でも商品のPRが出来るので、今後のインスタドラマの可能性に期待しています。
では、どうしてInstagramでファンを作らないといけないの?
――三島:Instagramでは、購買への影響力は数字には出てないのですが、女性向けの調査会社であるマージェリックさんが行った調査では、約70%のユーザーがInstagramがきっかけでなんらかのアクションを起こしているという結果が出ています。
従って、Instagramは認知獲得から興味関心を引き起こす口コミ、そして購買まで完結できるソーシャルメディアになってきているのではないでしょうか。
また、InstagramはTwitterの120倍、Facebookの58倍も高くエンゲージメントが出やすいといわれています。従って、Instagram上で企業の発信とユーザーの口コミを蓄積し、アクションとなるポイントを作っていくのが今後の施策のポイントになるのではないでしょうか。
これからのアカウント運用の方向性とは?
――三島:テテマーチでもさまざまなコンサルティングを担当している中で、これからのアカウント運用の方向性は5つあると思っています。
1つ目は、「既存コンテンツの最大化」です。例えば、ECのコンテンツや商品が豊富にあるときに、Instagramを活用することでそれらを統括してユーザーに届けていくことができます。
2つ目は、サービスやブランドの「世界観を理解してもらうこと」です。Instagramを通じて世界観に共感してもらって、ブランディングに活かすことが出来ると思います。
そして3つ目は、「既存のファンに、正確な情報を速く届ける」ということです。ここで重要になるのは、その商品やサービスを使っている人に発信を代弁してもらえるよう、よりリアルな情報を届けるということですね。
4つ目は、「実店舗と違う側面をInstagramで見せる」ということです。店頭とInstagramで発信する情報を変えることで、よりエンゲージメントを上げられるのではないでしょうか。
そして5つ目は「リポストなどによるユーザー投稿を巻き込んだUGCアカウントを運用する」ことです。UGCアカウントは半年前から流行り出していて、サードパーティが提供しているリポスト機能を使用しユーザーのコンテンツをうまく使ってアカウントを運用していくというものです。
――三島:これらの5つの方向性のうち、どこを活用していくかを決めるといいのではないかと思います。テテマーチでもいろいろなアカウントを運用させていただいていますが、すべてにおいて共通して言えることは、
- 企業によってやり方はそれぞれ
- ファンが何を求めているかを追求していく
- クリエイティブが命
ということです。ユーザーから受け入れられるクリエイティブはますます多様化してきており、いかにユーザーの属性を見極め、ユーザーが求めているコンテンツを届けることが出来るかが重要です。InstagramはTwitterやFacebookよりもファンの獲得が難しいといわれていて、大手だからといってファンを抱えられるとは限らないこともあります。
続いて、スナップマートの川北さんにお話を伺いましょう。
スナップマートって?
――川北:こんにちは、スナップマートの川北です。スナップマートは、フォトグラファーなどのクリエイターに利益が還元される、スマホで写真の売買ができるサービスです。そのほかにも、企業向けにSNSプロモーションのサポートもしています。
第2部では、デジタル時代に効果的なクリエイティブの紹介から、インスタグラマーやインスタグラファーを活用したInstagramの使い方、ファンをつくるUGC活用プロモーション戦略についてお話します。
今求められているのは「生活者目線」のクリエイティブ!!
――川北:それでは、いくつか事例をご紹介していきます。こちらの赤ちゃんの写真は、ある生命保険会社のバナー広告です。もともとは左の写真のように、プロカメラマンが撮ったような「キレイな広告」を運用していたのですが、実際にバナー広告を右の写真のようなスマホで撮った生活感あふれる写真に変えたところ、広告成約率が1.5倍もアップしたという事例があります。
――川北:もう一つ事例を紹介させていただきます。上の画像の4つの写真のうち、一番いいね数が多かったのは、どれだと思いますか?
この写真の中で一番いいね数が多かったのは、比較的生活感があるBの写真という結果になりました。この調査結果で、世代別によっていいねの数に偏りがあったことから、それぞれの世代で求められているクリエイティブは違うということがわかりました。
つまり、今求められているのは、「生活者目線」のクリエイティブだということです。
また、インフルエンサーの作り込んだ画像やキレイなクリエイティブよりも、一般の人が撮影をした写真のほうが、1.5~3倍のいいねを獲得したデータもあります。これにより、広告においては企業側が発信したいクリエイティブではなく、「身近」なクリエイティブのほうがユーザーに受け入れられる可能性が高いことがわかります。
なお、スナップマートでは、SNSキャンペーンや運用の手助けとなるようなアンバサダープランというものがあります。アンバサダープランでは、写真収集ができたり、クチコミなどのリアルな声で拡散できたり、ほかにもハッシュタグのクオリティアップが可能で、ユーザーの買いたい!!と思わせるコンテンツを作り上げることが出来ます。このようなことから、アンバサダーの仕組みは有効だといえるのではないでしょうか。
編集後記
今回のセミナーで、Instagramの今後のビジネス活用における可能性や、生活者目線でのクリエイティブが今の時代に求められていることなどが分かりました。
これからInstagramを運用していくにあたり、自分のターゲットとなるユーザーが求めているコンテンツを届けることが、やはり重要なのではないでしょうか。