約30万人ものフォロワーを有するイラストレーター横峰 沙弥香さん。2人のお子さんの描写をはじめとした毎日の投稿が人気を集めています。
イラストレーターとしてInstagramを活用する上で、どのような工夫をされているのでしょうか?また、企業とイラストレーターのタイアップ企画が増えている中で、企業はどういったことに気を付けるべきでしょうか?
今回は、横峰さんにお話を伺ってきました!
目次
目次
- 1. イラストレーター横峰 沙弥香さんとは
- 2. ハッシュタグ投稿を通じて認知度向上
- 3. 毎日投稿と体験系ネタで人気を集める
- 4. 企業とのタイアップ企画について
- 5. Instagramの新機能活用を目指して
- 6. まとめ
1.イラストレーター横峰 沙弥香さんとは
Instagramアカウント:@sayakayokomine
フォロワー数:30.4万人(2020年1月現在)
イラストレーターとして活躍中の横峰 沙弥香さん。
Instagramで掲載している、2人のお子さんのお話を中心とした絵日記が、子育てをしている主婦を中心に人気を集めています。
2016年と2017年には、「まめ日記」や「まめ日和」と題し、Instagramの投稿におけるイラストからなる絵日記を出版。その他にも、多くの企業へのイラスト提供や、タイアップ企画を行っています。
(参考:http://sayakayokomine.com/私という人について)
2.ハッシュタグ投稿を通じて認知度向上
――Instagramを利用し始めたきっかけを教えてください。
2015年に息子が生まれてから、「ほぼ日手帳」に息子の育児記録を残し始めましたが、それを絵日記へと変えたことがきっかけです。
育児記録を始めたものの、分刻みで記録をしなければ落ち着かなくなってしまったので、もともとイラストレーターをしていたこともあり、記録方法を1日1絵日記に変えました。
また、 人目に触れさせることで三日坊主になることを防げると思い、その絵日記をInstagramにも掲載するようにしました。
Instagramが日本に来てからすぐにアカウント自体は開設しましたが、アクティブに利用するようになったのはちょうど絵日記をつけ始めた頃です。
――アカウント開設からは長く経っているかと思いますが、フォロワーが増加したタイミングは最近ですか?
絵日記を載せ始めてから、半年ほど経った頃(2015年頃)です。日本でもInstagramが盛り上がってきた時期で、ハッシュタグ検索の隆盛期だったので、#家族 や #こども といったハッシュタグをつけて投稿することで、子育て世代のママさんへの認知が高まり、ぐんぐんフォロワー数が伸びていきました。
当初は2,000人程度だったフォロワーが、半年で8,000人ほど増加し、10,000人を突破しました。その時に、Instagramで投稿していた育児絵日記の書籍化のお話を頂けたことや、テレビ取材を受けたこともあり、フォロワー増加に拍車がかかりました。
――ハッシュタグを上手に利用して認知を高めたとのことですが、他に意識してつけているハッシュタグはありますか?
ママさんに人気の子供系ハッシュタグ以外には、イラストに興味がある方に向けて#ipadpdro や#clipstudio #applepencilといったハッシュタグをつけています。
現在はデジタルでイラストを作成しているので、同じようにデジタルで絵を描かれる方が検索しやすいようにと、ハッシュタグを選んでいます。
(参考:https://www.instagram.com/explore/tags/applepencil/)
3.毎日投稿と体験系ネタで人気を集める
3-1. 「頑張りすぎない」ことを意識し毎日投稿
――企業とのタイアップの際のイラストとInstagram用のイラストで違いはありますか?
Instagram用のイラストは「頑張りすぎない」ことがポイントです。
頑張って描き続けると毎日描くことが難しいですが、毎日クスッと笑えるようなお話を提供することが私のアカウントのポイントの1つであると思います。そのため、力を入れすぎず毎日投稿をするようにしています。
また、必ず朝に描くようにしていて、前日の出来事を思い出しながら描いています。夜に描くと、どうしてもその日にあったネガティブなことも思い浮かびやすく、絵日記の内容にも影響しますので、朝に描くことは大切にしている点です。
3-2. イラストと写真をセットで投稿することで面白さが倍増
――コンテンツはどのようなものを創っていますか?
子供たちにまつわる面白いネタが中心です。子育てというと、しんどいと思うこともあることは事実ですが、マイナスな内容でフォロワーさんに共感を得るより、面白い話に共感を持っていただきたいと考えています。
面白いネタに限定をして発信をしているため、否定的なコメントはほぼつかないですね。優しい人がフォロワーさんに多いようです。
実際、娘が生まれた際には何千件ものコメントを頂き感無量でした。
――面白い話でフォロワーさんに共感を得ているかと思いますが、投稿する際のキャプションで気を遣っている点はありますか?
子育て系のネタだと人によって感じ方はそれぞれで、発言に対して誤解が生じ、コメント欄に中傷を書き込む方も中にはいらっしゃるので、あえて長々と書かないようにしています。
――どのような投稿がInstagramでは人気ですか?
複数投稿機能を利用し、絵日記と一緒にその場面の写真をつけているものは人気です。
例えば、下の投稿は、息子から「リフトに乗りたい」と言われ、家の中でリフトを再現してみたものです。こちらは、写真をつけたことで状況を分かり易く伝え、面白さを届けられていると思います。
3-3. コメント数を伸ばす体験系のネタ
――絵日記とその場面の写真を一緒に投稿すると反応が良いということですが、他に人気のある投稿はありますか?
体験系のネタは皆さんに「真似したい!」と思っていただくことができ、人気を集める傾向にあります。
「はま寿司に行きたい」と息子から言われ家で回転ずしを再現してみた投稿は、コメントが400件、いいね数が39,000件と普段している投稿よりも多く反応されました。
コメント数とフォロワーの増加数は相関しているように感じます。コメント欄での反響が大きいときには、1日に2,000人くらいフォロワーさんが増えることもあります。
3-4. ブログへの導線を引くストーリー投稿
――ストーリーはどのように活用されていますか?
ストーリーの投稿には、ブログへのリンクを設定しています*。
Instagramには向かない長めのネタはブログに掲載しており、ブログの流入元はほとんどInstagramです。
(*フォロワーが1万人以上のアカウントは、ストーリーにリンクを設定することができる)
また、企業とタイアップした際もストーリーを利用し、期間限定でハイライトに掲載することもあります。そうすることで、フィード投稿での世界観を壊さず、ストーリーでタイアップ企画について認知を拡大することを目指しています。
4. 企業とのタイアップ企画について
――他企業とのタイアップ企画をこれまでも多くなされていますが、どのようにお声がかかるのですか?
新規のタイアップの案件の多くはInstagram経由です。Instagramはイラストレーターのプロモーションツールになりつつありますね。
――Instagramでお声が掛かるのですね!声が掛かった際に、タイアップをするか否かの判断基準などはございますか?
基本的には、私自身が純粋に良いなと思った企画で、かつ私のイラストレーターとしてのイメージが悪くならないものです。
一長一短ではあるのですが、タイアップ企画で使うイラストについて、クライアント様が細部までイメージされていて、そのイメージが私の画風と異なる場合は、お受けできないこともあります。
また、私は子どもを持つイラストレーターではありますが、育児については素人なので、育児専門家のようなイメージに基づいた企画などはお断りしています。
企画のプロットを定めていただき、絵のタッチや詳細はイラストレーターに任せていただけると、お仕事をご一緒したいなと思います!
5. Instagramの新機能活用を目指して
――最後に、今後何か挑戦してみたいことはありますか?
Instagramの機能に合わせて、自身の投稿も充実させていければと考えています。 例えば、複数投稿機能が追加されてからは、漫画を投稿できるようになりました。
Instagramの機能に合わせて、表現の幅を広げていければと思います!
――今後のご活躍も非常に楽しみです!本日は貴重なお話をありがとうございました。
6.まとめ
人気イラストレーターの横峰 沙弥香さんは、子どもにまつわる実体験に基づいたエピソードをInstagramに毎日投稿することで、フォロワーの方の共感を集めています。
「頑張りすぎないこと」で毎日投稿を実現したり、イラストと画像を組み合わせることで投稿の面白さを倍増させたりと、イラストレーターならではの細やかな工夫が参考になりました。
また、クリエイターを起用したタイアップ企画を検討されている企業の方には、絵のタッチや詳細はお任せしてほしい、というご意見は参考になるのではないでしょうか。