インスタレポート第三弾!今回は『ワタベウェディング』の営業企画部、上野さんに、インスタグラムでのキャンペーン施策について詳しくお話を伺ってきました。取材していく中で、キャンペーンへの取り組み方や企業にとってのインスタグラムの可能性などが見えてきました。
目次
1.ご紹介
1-1.企業紹介
ワタベウェディング株式会社:海外挙式、および国内挙式サービス事業、ウェディングドレスなどの製造販売事業などを行っており、リゾートウエディングの取扱組数No.1の老舗ブライダル会社です。
1-2.アカウント紹介
WATABE WEDDINGの公式Instagramアカウント:@watabewedding
ワタベウエディングさんでは通常の運用を広報部門が、キャンペーン施策については広告宣伝部門が担当していらっしゃるようで、今回はキャンペーン施策について営業企画部の上野さんにお話しを伺いました。
2.キャンペーンの開始から目的・効果について
2-1.開始までの経緯
ばたしー:
現在、複数のインスタグラム上のキャンペーン施策を行っていますが、キャンペーンそのものを始められたキッカケなどがあれば教えていただけますか?
上野さん:
挙式を終えた花嫁さん達のお話を伺う機会があり、結婚準備中の花嫁さん達がInstagramで「#プレ花嫁」などのハッシュタグで情報交換を活発にしていることを知りました。
実際にインスタグラムでよく用いられているハッシュタグなどを見てみると、ドレスや髪形、写真の撮り方などをInstagram上で検索して参考にされる花嫁さんが多いことを実感し、シェアの促進を期待しつつキャンペーンを始めました。
ばたしー:
そうなんですね。確かに、花嫁さん達がインスタグラム上でリアルな意見交換を頻繁に行っていて驚きました。キャンペーンはこのような花嫁さん達の動きを察知して始められたことだったんですね。
上野さん:
はい。また、一番最初のキャンペーンだけで言えば、たくさんのカップルに愛されるハワイのチャペルがクローズすることになり、挙式された数万組の写真でモザイクアートを作り、チャペルの魅力を伝えるキャンンペーンを企画しました。その素材写真の収集に適しているのがInstagramだった、ということも大きい要因ですね。
キャンペーン①:「#コオリナチャペル」モザイクアートキャンペーン
※このキャンペーンは終了しました
たくさんのカップルが挙式している人気チャペル誘店のためのキャンペーン
2-2.キャンペーンの目的について
ばたしー:
キャンペーン施策を行う上での目的についてお伺いしたいです。
上野さん:
キャンペーン①の方は、先程もお話ししたように、長い歴史のあるハワイNo.1の人気チャペルのクローズに伴い、モザイクアートを制作するためです。
こんなにも多くのカップルに愛された魅力的なチャペルである、ということを新規のお客様に伝え、2017年3月までの挙式来店につなげるための施策としてキャンペーンを行っています。
ばたしー:既に式を挙げられたお客様の力を借りて、新規顧客の獲得を図るためなんですね。
上野さん:
8月1日が「リゾ婚の日」に制定されたことを記念して、8月4日から1か月間、期間限定で渋谷に「リゾ婚カフェ」をオープンしました。キャンペーン②の方は、気軽にリゾートウェディングに触れていただけるリゾ婚カフェの認知のため、「#ワタベウェディング」「#リゾ婚の日」で投稿を促進するために開始しました。
キャンペーン②:「リゾ婚カフェ」キャンペーン
2-3.キャンペーンの効果について
ばたしー:
インスタグラムでのキャンペーンを通して、どのような効果を期待していらっしゃいますか?
上野さん:
そうですね。キャンペーンによって皆さんの投稿を促して、拡散による「リゾ婚」の認知啓蒙や、先輩カップルの写真効果によって新規のお客様がリゾートウェディングをしてみたいと思っていただくことを期待しています。
キャンペーン③:「#リゾ婚カフェでリゾ婚の日を思い出してみる」キャンペーン
※このキャンペーンは終了しました。h2
ばたしー:
キャンペーン毎に何か具体的な目標などは設定されているのでしょうか?
上野さん:
インスタグラムでの取り組みは、広告ではなく”拡散”による効果を期待して実施していますが、具体的なKPIなどは特に定めていません。
3.キャンペーン後の感想
3-1.キャンペーン後の反響
ばたしー:
キャンペーン施策を開始した後に、何か反響はありましたか?
上野さん:
キャンペーンを始める前から投稿の多かったハッシュタグを使用したこともあり、どこまでがキャンペーンを見ての影響なのかが数値としては実感できていませんが、接客でキャンペーンのお知らせをして先輩カップルの多さを実感してもらったり、社員に投稿してもらったり、インナーブランディングとしての効果もあったかと思います。
3-2.投稿作品について
ばたしー:
実際にキャンペーンのハッシュタグで投稿されているユーザーさん達の作品をどのようにご覧になっていますか?
上野さん:
キャンペーンを行う前から社名やチャペル名の投稿が多いという前提がありますが、やはり素敵な写真が多い印象が強いです。
他のSNSに比べて、インスタグラムはユーザーさんの投稿写真への意識が非常に高く、質の良い写真が集まるSNSであると感じました。改めて、ウェディング×Instagramの相性の良さと、これを促進するための「投稿したくなる仕組み」が大事だと実感しました。
ユーザーさんの投稿:@haru__6193さん
3-3.コンセプトについて
ばたしー:
キャンペーンのコンセプトはどのように決めてらっしゃるんですか?
上野さん:
キャンペーン自体に特別なコンセプトを持っているわけではありません。集客できるLPに合わせて決定しています。
4.キャンペーン運営
4-1.投稿促進のための工夫
ばたしー:
ユーザーの皆さんに投稿をしていただくための工夫などがあれば教えてください。
上野さん:
キャンペーン②は、インスタグラムの投稿画面を見せてくれたらトートバッグプレゼントするという取り組みを行いました。また、会場自体もフォトジェニックな空間にすることで、写真を撮りたいと思うような場作りをしました。
キャンペーン③は「今更挙式の写真を挙げるのはちょっと・・」という式を挙げてから少し時間の経っている花嫁さんたちのハードルを下げるために行いました。
「#リゾ婚カフェでリゾ婚を思い出してみる」という、あえてキャンペーン感を出すハッシュタグを設定し、キャンペーンに乗じて写真を挙げることを意識してもらい、投稿しやすくする工夫をしました。
ユーザーさんの投稿:画像右@yoshihara.sさん
4-2.ハッシュタグの選定
ばたしー:
キャンペーンに使用するハッシュタグはどのように選定されていらっしゃるんですか?
上野さん:
元々投稿の多かったハッシュタグを用いたり、キャンペーン感のあるハッシュタグを考案したりしています。
4-3.キャンペーン期間・プレゼント
ばたしー:
キャンペーンの期間やプレゼントはどのように決めていらっしゃるんでしょうか?
上野さん:
期間については企画によって異なり、ルールなどを設けているわけではありません。
プレゼントは、我が社で取り扱っているドレスをコラボレーションしているブランドとのバッグにし、結婚式やワタベウェディングが身近でなくても興味を持っていただけるものにしました。
ユーザーさんの投稿:@rena_violinさん
4-4.キャンペーンの告知
ばたしー:
キャンペーンの告知はどのように行っていらっしゃるんですか?
上野さん:
リスティング、Facebookなどの広告やHP内で告知を行っています。
メディアに取り上げてもらえる場合もあるので、広報からのプレスリリースに入れてもらったりもしていますね。
5.現在の課題・取り組み
5-1.苦労した点
ばたしー:
ネガティブな側面もお聞きしたいのですが、キャンペーン施策において苦労した点などがあれお伺いしたいです。
上野さん:
キャンペーンを始めてみて、少し困った点としましてはワタベウエディングというブランドの認知度が高い故に、既存のハッシュタグでの投稿が非常に多かったので、明確にキャンペーンに参加している方の投稿が見えづらいというところでしょうか。
(オリジナルハッシュタグについてのコメントを挿入。キャンペーン投稿を明確にする取り組みとして。
課題:既存の投稿がないハッシュタグを使用 ⇨ 投稿数が減少してしまう。)
5-2.現在の課題
ばたしー:
現時点で、何か課題としていることがあればお聞きしたいです。
上野さん:
そうですね。挙式後のお客様との接点をどう継続していったら良いのか、という点はインスタグラムだけでなく全体として検討しています。
これまで素敵な結婚式を挙げられてきた方のリアルな声などを是非活用していきたいと思っているので、その層へのアプローチもキャンペーンで行っていきたいと思っています。
ばたしー:
確かに、ウエディングは式を終えてしまうと一気に離れていってしまうので、ユーザーをファン化していくのは他のジャンルよりも難しいかもしれませんね。
ユーザーさんの投稿:@ski.wd201606140723さん
5-3.今後の取り組み
ばたしー:
今後のキャンペーン施策について、現時点で予定していることはありますか?
上野さん:
来年、ハワイやグアムのチャペルのリニューアルやオープンが多数あるので、それに向けてのキャンペーンは行いたいと思っています。
あとは、結婚式は準備期間が長いものなので「プレ花嫁」向けのキャンペーンもやってみたいと思っています。あとは新郎である男性の皆さんが参加できるような取り組みも考えていきたいと思っています。
6.まとめ
今回は公式アカウントの運用ではなく、インスタグラムでのハッシュタグキャンペーンについて詳しくお話しを伺いました。
ワタベウェディングさんは、なんと60万組以上の挙式数を誇る老舗のウエディング会社さんです!
これまでの挙式の様子をOBの方々に投稿していただくきっかけとしてハッシュタグキャンペーンを行っているようです。
企業の皆様は何かイベントなどと紐付けてインスタグラムのキャンペーンをしてみてはいかがでしょうか?
画像提供:ワタベウェディング