インスタグラムのフォロワーはどうしたら増えるのか?お悩みの企業担当者さまは多いのではないでしょうか?今回は、フォロワーを増やすこと以外のインスタグラムの可能性について、考えてみたいと思います。(※こちらの記事は2016年12月時点の情報です。)
目次
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1.インスタグラム活用にフォロワーは必要?
企業がインスタグラムの活用を検討する際、殆どの場合最初に目標に掲げるものはフォロワー数ではないでしょうか?インスタアンテナを運営する私達もたくさんの企業からどうしたらフォロワーが増えるのか?どのくらいフォロワーがいればいいのか?という相談をよくいただきます。
そんな時、私達の答えはこうです。「フォロワーが多いに越したことはないですが、フォロワーだけが全てではないですよ。」実際、インスタグラムアカウントがない会社やブランドの商品がインスタグラムで話題になるケースも多くありますし、インスタグラムの投稿の99%以上は企業ではなくユーザーの投稿でできています。
自分たちのアカウントにフォロワーをつけるという視点だけでなく、既存のお客様や、将来お客様になりえるユーザーと一緒にインスタグラムを活用する、楽しむという点で考えてみてはどうでしょうか?
そもそも、インスタグラムはフォロワーを集めやすいアカウントと、そうでないアカウントがはっきりしています。では、フォロワー集めに向かないアカウントはインスタグラムをやるべきではないのか?というとそうではないと思います。
それでは、フォロワーを集めやすいアカウント、集めにくいアカウントの違いと、フォロワー以外のインスタグラムの可能性について考えてみましょう。
2.フォロワーを集めやすいアカウント
まずは、フォロワーを集めやすいアカウントについてですが、そもそもユーザーはなぜ企業のアカウントをフォローするのか?それはフォローするメリットがあるからです。
大前提ですが、最近のユーザーが何かを探す際にGoogleではなくインスタグラムやTwitterを使用するケースが増えているというのはご存じですか?これは、Googleという検索媒体で引っかかる多くの情報は企業が用意した売り手側の情報だからです。ユーザーは、売り手の情報よりも買い手の良かった話、失敗した話を知りたいと思うので、ユーザー投稿の多いインスタグラムやTwitterを検索媒体として活用するのです。そもそも、インスタグラム内に企業の情報はあまり求めていないのです。
ですが、その中でもフォロワーを集める企業アカウントはあります。端的に言うと、フォローするメリットが有るということがポイントです。フォロワーを集めるやり方に正解はありませんが、いくつかの成功パターンをご紹介します。
2-1.コンシェルジュ型
まずは、商品点数が多い小売点で多いコンシェルジュ型です。100円均一やコスメ雑貨店など数千点から数万点以上の商品点数がある場合、毎月のように商品の移り変わりがあります。そういった商品を店舗内で探すのは非常に困難なため、インスタグラム内でそのタイミングに合ったお勧め商品を紹介するコンシェルジュ型は、インスタグラムアカウントをフォローしておくだけで手軽に情報キャッチをすることができるので、フォローするメリットが明確です。
2-2.リポスト型
次に、リポスト型をご紹介します。おしゃれが好きな方ならファッション雑誌を手に取った経験はお持ちですよね。そんなファッション雑誌でも人気の企画がストリートスナップです。商品の置き撮りや、スタイル抜群のモデルが身につけていても正直コーディネートのイメージは湧きにくいもの。そんな中、街のおしゃれな一般人をスナップするストリートスナップは自分とも重ね合わせやすく、参考になります。そんな一般人のスタイリングを上手に活用しアカウントを運用するのがリポスト型です。
それでは、リポスト型についてインスタグラムアカウントでも人気で有名なユニクロ銀座店さんのアカウントを参考にご紹介します。ユニクロ銀座店さんのアカウントを見るとそのほとんどの投稿にはもともとの投稿元のユーザーアカウントがタグ付けられています。
これは、#ユニジョや、#上下ユニクロ部のようなインスタグラムで人気のハッシュタグを使い投稿する一般ユーザーの投稿の中で、紹介したいものをユーザーに確認を取りリポストして紹介する運用方法です。このような方法で運用されるアカウントはファッション雑誌のストリートスナップのように、ユーザー投稿をコーディネートの参考にしやすいためユニクロアイテムを求めるユーザーはフォローするメリットがあります。ちなみに、ユニクロは人気の#ユニジョや#上下ユニクロ部以外にも、#ユニクロベビーや#ユニクロアウター族など様々なハッシュタグを提案しており、コーディネートの参考はハッシュタグで探せる仕組みとなっています。投稿するユーザーとしても人気のユニクロ銀座店アカウントで紹介してもらいたいというモチベーションも掻き立てられ良いサイクルができているように見受けられます。
2-3.世界観型
今までご紹介してきた2つのパターンはそもそものビジネスモデルによって、できるできないというパターンになっていますが、3つ目に世界観型のアカウントをご紹介します。これは、企業のプロモーションを薄めインスタグラムの世界観に寄せることで、見ていて楽しいというメリットからフォロワーを獲得するアカウントです。
例えば、NECさんのPCブランド「LAVIE」はLAVIE CITYというミニチュアの街での日常を描くインスタグラムアカウントとなっています。このアカウントは日本だけでなく海外でも人気です。
また、航空会社のANAさんのアカウントはカップルの旅をテーマにインスタグラムの世界観に合わせたストーリー展開を行っています。このように、インスタグラムの世界観に合わせたアカウント運用を行うことでビジネスモデルに関わらず、フォロワーを獲得するということも可能です。
2-4.フォロワーを集めやすいアカウント まとめ
いかがでしたでしょうか?まずはインスタグラムでフォロワーを集めやすいアカウントのタイプを3つご紹介しました。今回ご紹介した以外にも様々な戦略はあると思いますが、大前提どのアカウントもインスタグラムに合わせたクリエイティブを用意し、インスタグラムの世界観を崩さないというポイントを抑えつつ定期的に投稿しています。更に、フォロワーにメリットのある情報展開ができているアカウントというのがフォロワーを集めるポイントだと感じます。※もちろん、インスタグラム云々ではなく、そのブランド自体が好きというファンが多いアカウントは、タレントさんがアカウント開設と同時にフォロワーがつくのと同様に特別な施策を打たずともフォロワーを抱えられるケースもあります。
- ユーザーが求める情報を理解し、フォローするメリットが有る
- インスタグラムの世界観を崩さない
- 更新を途絶えさせず、定期的に投稿する
3.フォロワーを集めにくいアカウント
さて、残念ながらフォロワーを集めにくいアカウントについてですが、まず日本国内でBtoBビジネスについては、あまり有効的なインスタグラム活用の方法を見つけられていません。ですが、海外ではIBMのアカウントやリクルート用に設けられたアカウントはBtoBでもフォロワーを集めていたりします。
更に、投稿する内容で工夫をしなければ、単一商品または商品バリエーションが少ないブランドは、コンシェルジュ型にしにくく、フォロワーをつけるのに苦労するかもしれません。インスタグラムユーザーは、リターゲティング広告のように同じ商品の同じようなクリエイティブばかりがフィードに出てくることを好まないケースが多いのです。
また、大前提ですがインスタグラムの世界観を崩すような投稿写真や、テーマに一貫性のないアカウントもあまり好まれません。同じSNSでもFacebookやTwitterと同じようなセールスの文言が多分に入った画像の投稿は逆効果になりかねませんので注意しましょう。
- BtoBビジネスは今のところ有効活用例が見当たらない(日本の場合、いまのところ)
- 同じような投稿を繰り返すアカウントも好まれない
- インスタグラムの世界観を崩す、セールストークの多い投稿
4.ユーザー投稿の重要性
さて、ここまでは企業がインスタグラムを活用するに当たってフォロワーを集めるという点で考えてきましたが、冒頭でも述べたフォロワーを増やす以外のインスタグラム活用方法について考えていきたいと思います。
何度もお伝えしますが、インスタグラム内の投稿の99%以上は企業以外、つまりユーザー投稿でできています。更にそもそもインスタグラムを活用するユーザーの殆どが友人や知人、家族との交流や、好きなタレントが発信する近況情報などを求めています。
ですので、よく目にする「インスタグラムで話題の〇〇」というキーワードは、流行っているのは商品やサービスですが、アカウントについたフォロワー数に向けて使われる言葉ではなく、いわゆるハッシュタグをつけて寄せられる投稿数を元に取り上げられています。
極端な話をすると、2015年からインスタグラムで火がついたニトリさんの#ニトスキは、インスタグラム内での投稿で盛り上がりだした当初、ニトリさんのインスタグラムアカウントは存在しませんでした。
更にいうと現在では、9万人以上のフォロワーを抱えるニトリさんのアカウントですが、インスタグラムのシェアやリツイートできないという特性上、情報拡散の最大値はフォロワー数が限界となります。一方で、#ニトスキは既に55,000件以上の投稿があります。これは、仮に投稿者の平均フォロワー数が100人だったとしても550万以上のユーザーに情報拡散した可能性があるのです。もちろん、リーチしたユーザーの全てがユニークユーザーではなく同じニトスキファンのユーザーが数回投稿しているケースもありますし、公式アカウントをフォローしてくれているファンユーザーの方が、リピート購買につながるケースが多いと考えられます。しかし、単純にリーチ数で言うならばユーザー投稿を増やしていく方が効率的かもしれませんし、企業側の情報ではなく使用者の声という点では、情報の信頼度や、購買への影響力は高いのではないでしょうか?
- メディアに取り上げられる「インスタで話題の〇〇」はユーザー投稿が鍵
- シェアやリツイートのないインスタグラムの場合「フォロワー数=最大リーチ数」のため、そもそもの情報発信者を増やすほうが情報拡散性は高い
- 買い手であるユーザー投稿のほうが、売り手の企業投稿より情報の信頼度が高い
5.ユーザー投稿を促進する施策
ここまでフォロワーを増やす以外に、ユーザー投稿を促すという施策の有効性についてご紹介してきました。前述で出た#ニトスキはニトリさんがインスタグラムを始める前のムーブメントだったためおそらく自然発生的に起きたハッシュタグだと思いますが、そう簡単に自然発生でハッシュタグが自走するケースは多くはありません。では、どうすればユーザー投稿を促進できるかを考えてみましょう。
5-1.インスタグラムキャンペーン
1つ目は、最近良く見かけるインスタグラムキャンペーンです。インスタグラムキャンペーンは、指定されたハッシュタグをつけてキャンペーンテーマに合った写真を投稿するというルールになっています。ですので、自社の商品についての投稿を増やしたい場合は既存の購入者向けにキャンペーンを企画することで投稿促進ができます。また、キャンペーン参加者から抽選でインセンティブを用意することで顧客満足度の向上につながるかもしれません。顧客満足度向上施策としてプレゼント企画を実施する際など、せっかくであればインスタグラムの投稿型キャンペーンを企画してみてもよいのではないでしょうか?
5-2.インフルエンサー
2つ目に、インフルエンサーです。マイクロインフルエンサーのように特定のジャンルにおいてファンユーザーを多く抱えるインフルエンサーが投稿した場合、フォロワーへの影響力も強くフォロワーも巻き込んでくれる可能性があります。ただし、インフルエンサー施策の場合はアサインするインフルエンサーと商品の相性の良さが重要になりますので、どのインフルエンサーと組むかはしっかりと考える必要があります。
5-3.他メディアとの連動
最後に、他メディアとの連動というやり方があります。最近では、テレビCMや電車内広告など様々なメディアでハッシュタグを見かけます。ユーザーは日常的にインスタグラム内に投稿を行っているわけですので、企業側が知らないところでユーザーは商品の口コミをしてくれていたりします。ですが、ハッシュタグは良くも悪くも自由につけることができてしまうため、企業側が認知していないハッシュタグをつけられたり、そもそも投稿はしてくれているのに、ハッシュタグをつけてくれていなかったりした場合、その投稿を見つけることは難しくなってしまいます。ですが、投稿の際に統一したハッシュタグをつけることをコントロールすることができれば、情報をまとめることができます。ですので、テレビCMや、交通広告など人の目のつくところに商品と一緒にハッシュタグを並べておけばユーザーがせっかく商品を取ってインスタグラムに投稿してくれた際に、ハッシュタグを付け忘れたりしてしまうことを防ぐことも重要です。極論商品パッケージに盛り込んでしまってもいいかもしれませんね!
5-4.ユーザー投稿を促進させる施策 まとめ
今回はユーザー投稿を促進させる施策として3つの方法をご紹介しましたが、他にも様々なやり方はあると思います。商品自体をインスタグラムに投稿したくなるようなパッケージにしてしまうというのも手かもしれません。また、インスタで投稿したくなるようなイベントを企画するのも効果的だと思います。ユーザー投稿を促進させるために、自分たちの顧客はインスタグラムにどんな時に投稿したいと思うのか?どうしたら参加してくれるのかを考えてみましょう。
- キャンペーンなどゲーム性をもたせてユーザー投稿を促す
- 商品やサービスと相性がよく、フォロワーに影響力の強いユーザーとコラボする
- ハッシュタグ忘れ、間違いを防ぐためにユーザーへ刷り込みを行う
6.まとめ
今回は、インスタグラムマーケティングを支援する立場としてインスタグラム活用はフォロワー集めだけではないですよ。ということを知ってもらいたいと思い、コラム形式で記事を書かせて頂きました。改めてお伝えしたいのは、インスタグラムは写真や動画をユーザーが投稿し、ユーザー同士でコミュニケーションをする世界観で成長してきたSNSです。もちろん法人にもインスタグラムを有効活用する余地は多分にあると思いますが、注意したいのはユーザー第一であることです。インスタグラムの活用の仕方は、学生、社会人、年代、結婚などステータスに寄って異なります。自分たちの顧客層がどの層にあたり、どのような活用の仕方をしているのかを踏まえて、どのような立場でインスタグラムを活用すべきかをしっかり考えていくと、アカウント運用の方向性やユーザーとの関わり方が見えてくるのではないでしょうか?
フォロワーを集めることも重要ですが、フォロワーになっていないユーザーともどう向き合っていくかを考えるとインスタグラムの活用の幅は更に広がっていくと思います。