「ハッシュタグレポート」第二弾!今回は『#奥渋』(10,823件)で人気上昇中のスポットに焦点を当てて、メディアで取り上げられた直後のハッシュタグの伸びなどから、インスタグラムでのユーザー動向について考察していきたいと思います!
目次
1.”奥渋谷”とは
1-1.奥渋谷の魅力
渋谷は渋谷でも、駅から少し離れた“奥渋谷”といわれるエリアは大人の街としてテレビでも紹介されることが多くなってきている人気スポットです。
奥渋谷は渋谷駅から徒歩10分以上あるエリアで、駅からの遠さが家賃の低さにつながり、こだわりの個人店が増えたようです。グルメからファッションまで、おしゃれな店舗が多いことから若者のイメージである渋谷ではありながら落ち着いた雰囲気なんです!
インスタグラムでは10代〜20代の投稿も見られることから、渋谷駅周辺のスポットに飽きてしまったり、少し背伸びしておしゃれエリアに足を運んでいる若者も多いようです。
1-2.”奥渋”エリアのハッシュタグ
”奥渋”エリアは渋谷宇田川町・センター街をぬけた先や、文化通りを進み渋谷東急本店から井の頭通りにかけた、神山町・宇田川町・富ヶ谷エリアのことを指します。
ちなみに周辺エリアのハッシュタグ投稿件数は下のようになっています。
2.投稿数の伸びをチェック
2-1.投稿数”爆増”のタイミング!
月別投稿数のデータから『#奥渋』での投稿数が増加したタイミングと、その要因を探ってみましょう。「奥渋谷」という単語自体馴染みがない方もいるように、このワードは2015年頃から広まり始めたものです。
これは投稿数データにも表れており、インスタグラムでのユーザー投稿は2015年の6月以前にはほとんど見られず、10件程度にとどまっていました。しかし、6月から7月にかけて投稿数が急増しており、「奥渋谷」という単語がどこかで取り上げられたのではないかと予測できます。
2-2.テレビ放映で「奥渋谷」の注目度が大幅UP!
「有吉くんの正直さんぽ」
2015年11月7日放送: ”オトナの穴場スポット奥渋谷元寿司職人玉子サンド”
番組情報:http://www.fujitv.co.jp/shoujikisanpo/_basic/backnumber/index-32.html
有吉弘行さんと生野陽子アナがいろんなスポットを散歩していくという番組で、この回のゲストは高田延彦さんとアンガールズのお二人でした。元寿司職人が作るたまごサンドが有名なお店『キャメルバック』から、リンゴとショウガの専門店『アップル&ジンジャー』に移り、お店オススメのジュースを頂いていました。
「ヒルナンデス」 2016年5月3日放送:”GW!今すぐ行けるオトナ女子が楽しめる最新奥渋SP!”
番組情報:http://www.ntv.co.jp/hirunan/tuesday/2016/05/11437.html
出演者はいとうあさこさん、大久保佳代子さん、吉川美代子さん、水卜麻美アナ。大人女子大注目の人気の奥渋グルメが特集されており、有吉くんの正直さんぽで紹介されていた『キャメルバック』のたまごサンドがこちらでも特集されていました!大人気ですね。
また、ショートケーキの見た目でありながら中身はかき氷になっているという「セバスチャン」のドルチェ氷はかなり”フォトジェニック”なスイーツで、この放送を見て写真を撮りにお店へ訪れたくなったユーザーも多いのではないでしょうか。
「メレンゲの気持ち」 2016年6月25日放送:”長瀬智也ワイルドと真逆(秘)生活!自宅公開&フットボールアワー”
ゲストである長瀬智也さんの”もう一度行きたい店”がいくつか紹介され、その第1店舗目が『キャメルバック』でした。9種類あるサンドイッチの中で長瀬さんがもう一度食べたかったのが「パルマ産 生ハムと大葉、ゆずとバターの香り」で、番組内で紹介されていました。
オリジナルのノートを作れるお店「HININE NOTE」でノートを作成したり、木地玩具を取り揃えるお店「アトリエガング」で懐かしのおもちゃを手に取ったりと奥渋谷で幅広い散策を行っていました。人気のオシャレなお店を回るのではなく、奥渋谷周辺に古くからある店舗を訪れるような番組内容でしたが『奥渋谷』というワードを全面に出した放送であったため、キーワードの浸透に繋がるものになったと思われます。
『Camelback sandwich&espresso』が紹介されていました!
2-3.曜日・時間帯
時間帯:
上記のデータから14時から22時辺りの投稿が伸びていることが伺えます。逆に1時から7時までの深夜から早朝までの時間帯は投稿数がかなり少なくなっています。ランチ時からディナータイムにかけて投稿が行われているようです。
曜日:
曜日別に投稿数をチェックしてみると、土曜日の投稿が比較的多い傾向にあるようです。しかし、週末の投稿数の伸びは見られるものの、どの曜日でも満遍なく投稿が行なわれていることも事実です。
『#奥渋』は”奥渋谷”というスポットのハッシュタグなので、期間が限定されているイベントなどのハッシュタグとは違って、週末への投稿の集中度が低いのではないかと考えられます。
週末にわざわざ訪れるというよりは、平日の仕事終わりなどにふらっと立ち寄っている大人なユーザーが奥渋谷には多く見られます。
2-4.同時投稿ハッシュタグ
『#奥渋』は特定のスポットを表すハッシュタグなので、同じく地域を表すハッシュタグがつけられることが多いようです。また『#fashion』『#vintage』『#セレクトショップ』など、おしゃれスポットならではのハッシュタグも目立ちます。
話題の飲食店はもちろん、服や雑貨、本など、ここ数年で様々なショップが誕生している奥渋谷。渋谷駅周辺には10代〜20代前半向けの若者ファッションが集中していますが、奥渋谷にはヴィンテージものを多く取り揃えたこだわりのお店がたくさんあるようですね。
街の雰囲気の良さから、他の地域で人気のあった店舗が奥渋谷にも進出してきているようです。オシャレな街として更にインスタグラムユーザーに好まれる街に変化していくのではないでしょうか。
3.人気投稿の傾向
3-1.投稿数ランキング
『#奥渋』最多投稿者ランキング(1~3位まで紹介)
1.@canari_vintage (アパレル・古着)
渋谷区内に3店舗を構えるアパレル店。奥渋らしいお洒落なヴィンテージ商品を取り扱っており、投稿は商品の紹介が中心。キャプションでは値段や商品の特徴、コーディネートなど商品の紹介がしっかりとされている。
2.@standardmade (アパレル・セレクト)
チェックインポイントランキング(位置情報)1位の店舗。松濤のお洒落なセレクトショップで、投稿はスタッフ達のコーディネート写真や店内の様子、セールの情報などが中心となっている。キャプションはとても丁寧で、英語訳も添えられている。
3.@the_latte_tokyo (フード・ラテ)
THE LATTE TOKYO(ザ・ラテ トウキョウ)複合ショップ、「INN」の中にお店を構えるテイクアウト式カフェラテ専門店。入口を入ってすぐにカウンターというかなり小さめな店舗で、「ドリンクメニューはカフェラテのみ」「使用するミルクは東京牛乳飲み」など店主こだわりのラテが頂ける奥渋らしいお洒落なお店となっている。
是非チェックすべきなのが公式インスタグラムで、お洒落なカップを画面中央に配置した写真が数多く投稿されており、かなり統一感のあるアカウントとなっている。見たユーザーが思わず店舗に行って写真を撮りたくなるのも分かる。
『#thelattetokyo』には1000件を超える投稿が寄せられており、投稿欄を見てみると公式アカウントの写真を見たユーザーが店舗に訪れてその写真を真似して投稿を行っていることがはっきりと伺える。(位置情報『INN』にもこうした投稿がたくさん見られる。
『#奥渋』 投稿者フォロワー数ランキング(1位のみ紹介)
1.@cotrip_official(ことりっぷ) フォロワー数:12万人
旅行ガイドブックである”ことりっぷ”が運用している大人気のアカウントでも『#奥渋』をつけて2件の投稿があった。投稿されているお店は「BONDI CAFE YOYOGI BEACH PARK」と「Camelback sandwich&espresso」で、どちらも奥渋谷では大人気の店舗!お店の人気メニューについてキャプションで詳しい紹介が添えられいる。
3-2.『#奥渋』で人気の店舗
『#奥渋』で人気のおしゃれなお店
オーストラリアのビーチ沿いにあるカフェをイメージしたお店であることから、フォトジェニックな空間が女子に大人気です!インスタグラムでのユーザー投稿を見てみると、20〜30代の女性たちが女子会や誕生日パーティーの際などに訪れ、いつもより少し特別な食事を楽しんでいることが伺えます。
こちらはオシャレ度120%の大人気カフェです!宇田川店と神南店があり、渋谷に2店舗を構える”and people”ですが、その人気の理由は店内がとっても素敵で幻想的だからなんです。インスタグラムに上げるオシャレな写真が確実に撮れるのがかなり魅力的ですよね。
日中でも素敵ですが、夜は店内のライトがよりロマンティックな空間を演出してくれるため、女子会だけでなくデートにも最適。プロジェクションマッピングや、可愛いデコレーションプレートなどイベントの際に喜ばれそうな演出もたくさん用意されています。
2015年、2016年に20回以上のテレビ紹介がされているこちらのお店。『#奥渋』がついた投稿でのチェックイン(位置情報追加機能)ランキングでも第3位の大人気店です!『Camelback sandwich&espresso』の住所を位置情報として追加した投稿が300件を超えており、インスタグラム上で特に人気の飲食店であるようです。
ユーザー投稿が伸びている要因としてはテレビ放映の影響が強いかとは思いますが、メニューのオシャレさも理由の一つだと思います。サンドイッチの包装がキャンディの包み紙のようで可愛いですし、ラクダのシルエットのマークも素敵です。
また、お店の公式アカウントもコンスタントに投稿が行われていて、SNSに力を入れてらっしゃるのがわかります。
北欧文化を感じられるカフェが『 FUGLEN TOKYO(フグレントウキョウ) 』です。このカフェは、わざわざ飛行機に乗ってでも飲みに行きたいコーヒーと世界で大絶賛されたノルウェーのカフェの日本専門店なんです。
赤いロゴが特徴的な、静かなカフェで質の良いコーヒーが評判で日本でも人気になっています。それだけでなく、カフェのマークがオシャレということでカップや店舗の壁面のマークを背にして写真を撮って投稿している人が多いようです。
4.まとめ
メディアでの露出が投稿数に影響
ハッシュタグの分析から、『奥渋谷』関連のテレビ放映の影響でインスタグラムでの投稿数が急激に伸びていたことが見えてきました。また、比較的最近のキーワードであるのでハッシュタグとして常用するまでには至っていないユーザーがたくさん見受けられましたが、人気の店舗などが使用しようしていたり、友人などが利用していることで存在を知るなど、ハッシュタグ自体からキーワードの普及につながっていることも感じられました。
”最多投稿者ランキング”で一部のアカウントを紹介しましたが、奥渋谷にある店舗のアカウントがインスタグラムには多数存在しました。注目を浴びている『奥渋谷』ですが、スタンダードな地名のハッシュタグ等と比較すると投稿数はまだまだ少ない状態です。ですから、『#奥渋』をつけたものは投稿全体の中での存在感が強く、スタンダードなハッシュタグと比較すると投稿が埋もれてしまう心配が少ないですね。
やっぱり強い”フォトジェニック”
奥渋谷での人気店をチェックしてみると、どの店舗も非常にお洒落で女子が好きそうな雰囲気。全体の雰囲気だけでなく、写真に撮った時のクオリティもかなり高く、”インスタ映え”するお店が目立ちます。
そういったビジュアルの良い店舗はテレビでも紹介されやすいですし、インスタグラムでの注目度も高いため露出が増える一方ですよね。お店の内装にこだわりがあったり、ロゴやデザインなどに特徴のある商品が一つでもあるとインスタグラムでの投稿が伸びることが見込まれます!
紹介した店舗の一つである『THE LATTE TOKYO』では商品がラテのみでありながら、容器に写真がプリントされていてオシャレで可愛いのが特徴です。さらに、その容器をアピールするために構図の同じ写真を投稿され続けているところが面白いポイントですね。小さなお店でありながら営業日はほぼ毎日投稿を行い、キャプションには挨拶などが必ず投稿されており、実際に店舗に行ってみたくなるポイントが満載のアカウント作りをされています。
奥渋谷は地域全体がオシャレな場所であるからこそ、インスタグラムとの相性の良い店舗が沢山見られ、『#奥渋』での投稿もレベルの高い作品が多くなっているようです。また店舗などが公式アカウントを運用し、投稿で街の雰囲気を伝えつつ、ハッシュタグを有効に活用している様子も伺うことができました。
Instagramハッシュタグレポート 「#奥渋」
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