新規顧客開拓にあたり若年層にアピールしていきたいけど、最近の若い人たちのことがわからないとお悩みの企業は多いのではないでしょうか?今回は、東京広告協会指導のもと、昨年末行われた首都圏の青山学院、駒澤、上智、専修、千葉商科、日本の6大学でマーケティングを学ぶ学生による「大学生意識調査プロジェクト」(FUTURE2015)のデータを参考に、今どき大学生のインスタグラム事情を見ていきましょう!
参考:大学生意識調査プロジェクト FUTURE2015 「SNS時代を生きる大学生の行動モデル」に関する意識調査(http://www.tokyo-ad.or.jp/activity/seminar/pdf/FUTURE2015.pdf)
目次
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1.大学生にとってのインスタグラム
まずは、大学生のインスタグラム利用状況です。2015年末の段階では約6割の大学生がインスタグラムを利用しています。また、利用者のおよそ9割はインスタグラムに写真や画像の投稿を行っているようです。
次に、大学生がインスタグラムにどのようなイメージを持っているのかを見ていきましょう。
上記のグラフで分かるように、約8割が最もオシャレなSNSだと認識しており、5割近いユーザーが最も最先端だと感じているようです。また、最も大学生らしいSNSだと感じているのもインスタグラムです。
更に、インスタグラム利用時に意識していることを見ると、
自分が投稿した内容で、周囲の友達にどう見られるか気になるというユーザーが57.8%。投稿によって、自分のイメージが左右されていると感じているユーザーも54.8%と、半数以上の大学生はインスタグラムの自身の投稿が周りに与える影響を気にしています。更に、もっと演出をして自分をよく見せたいと思っているユーザーも58.6%と半数を超えています。
このデータを見ると、大学生たちは周りからの見られ方に敏感で、イケてる自分をアピールしたいと考えています。そんな大学生にとって、手軽に写真を加工し投稿できるインスタグラムは最もハマりやすいSNSではないでしょうか。
2.大学生の新しい行動モデル「IGSAS(イグサス)」
広告宣伝に対する消費者の心理のプロセスを示した「AIDMA(アイドマ)」はご存じの方も多いかと思いますが、SNS時代のいまどき大学生の行動心理は「IGSAS(イグサス)」になってきているようです。では、IGSASについてどういったものかを見ていきましょう。
IGSASとは、
- I→いいね!(共感する)
- G→Grouping(グループをつくる)
- S→Shoot&Share (撮って、共有する)
- A→Augment (拡張・加工する)
- S→Spread (拡散する)
実際のイメージで言うと、
- I.面白そうなイベントをSNSで発見し、いいね!をする。
- G.そのいいね!をしたイベントに興味がありそうな友達たちをグループにし参加の計画をたてる。
- S.そのイベントの楽しそうな写真をみんなで撮りまくり、その場で互いに共有する。
- A.イベント終了後に、厳選した写真を最高の思い出として残すために加工する。
- S.最後に、厳選し加工した自分のリア充体験をSNS上でシェアしアピールする。
と言った感じでしょうか。この法則で行くと最近の大学生たちは最終的にシェアを目的に動いているため、如何にフォトジェニックな環境を演出できるかが、最初のI(いいね!)を起こすカギかもしれませんね。
3.いまどき大学生は、リア充<フォト充
「リア充」という言葉は聞き慣れた方も多いかと思いますが、今どきの大学生たちは「フォト充」を追っているようです。さて、聞き慣れないこのフォト充とはいったいどんなものなのかと言うと、リア充な体験をSNS上で画像投稿によってアピールしている人たちのことを「フォト充」と呼んでいるようです。
以下のアンケート調査でもわかるように、一般的にリア充であると思われる人の特徴としては、友だちが多くたくさんの旅行やイベントに参加している人や、恋人がいる人です。
ですが、SNS関連を見ると友達が多いだけではあまりリア充とは認識されず、つぶやきが多いという状況に関しては逆に非リア充なイメージになってしまうようです。
SNSを通してリア充だと思われるには、楽しげな写真を投稿するほかなく、友達や恋人とイベント・旅行などの写真を投稿するという行為がリア充と同意義になり、リア充な写真をSNSにあげることすなわち「フォト充」というものになるようです。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はリアルな大学生が行った意識調査のデータを元にいまどき大学生にとってのインスタグラムについてまとめてみました。今回のデータを見てわかったこと、それは今どきSNS時代の大学生は自己アピールを手軽にできる環境がある反面、人からどう見られるかということに非常に敏感になっており、イケてる自分を演出したい欲求が高いということです。企業担当者としてインスタグラム活用の際に抑えておきたいポイントとしては、
- 如何に「フォト充」な環境を演出できるか
- 「IGSAS(イグサス)」の行動心理に当てはまるか
上記2点ではないでしょうか?大学生たちに受け入れられ、引き込むためには商品やサービスの質ももちろんのこと、パッケージや空間など「見栄え」が大学生たちの「フォト充」に当てはまる環境であり自分がイケてるステータスとして写真を撮って投稿したいと思ってもらえるということが重要かもしれませんね。